【起立性調節障害の治し方】原因の一つ"副腎の疲れ"を取り症状を改善させる方法

【起立性調節障害の治し方】原因の一つ"副腎の疲れ"を取り症状を改善させる方法

川本治療所は、私の祖父・川本重雄が昭和11年に開院しました。内臓を回復させる指圧法を確立した祖父のもとには、政財界から多くのかたが通い、歴代の総理大臣や閣僚の体を診てきた実績があります。【解説】川本正己(柔道整復師・川本治療所院長)


副腎が疲れるとストレスに弱くなる

 川本治療所は、私の祖父・川本重雄が昭和11年に開院しました。
 内臓を回復させる指圧法を確立した祖父のもとには、政財界から多くのかたが通い、歴代の総理大臣や閣僚の体を診てきた実績があります。
 阿部信行総理の肝機能の低下を治し、川本療法は「国の財産」と高い評価を受けました。不眠と心臓機能の改善のために通院していた大平正芳総理は、祖父から指圧を受けている間は爆睡。直筆のお礼状は、当院でたいせつに保管しています。
 祖父が亡くなった後、孫の私が治療法を継承しました。

 そんな私が「副腎」の重要性に気がついたのは28年前のことです。
 腰痛で足がしびれて歩けなくなった患者さんが、車椅子で来院されました。私は、そのかたの腰から足先まで、下半身を指圧しました。
 患者さんは、1年じゅうせき込んでカゼを引いている体質でしたが、後日「最近、カゼを引かないようになりました」と告げられました。
 私は、肺や気管支に関係する施術はしませんでした。それなのにカゼ引き体質が改善したのはなぜなのか。研究を重ねるうちに、腰の近くに位置する副腎が、カギを握っていることがわかってきました。

 それ以来、約7万人の副腎を診てきました。私の経験から言わせていただくと、現代人の9割は副腎が疲弊しています。
 なぜ副腎が疲弊するのでしょうか。副腎は、ストレスを受けたときに、ストレスに対抗するためのホルモンを出す器官です。
 ストレスを感じると、脳が副腎に対して「ホルモンを作れ」と命令します。副腎は、命令を受けてから20秒ぐらいでホルモンを作ります。

 ところが、現代はストレスが多く、脳から多発される命令に真摯に答え続けて、副腎は働きっぱなしで、クタクタになっています。
 この状態が続くと、副腎で作られるホルモンの質が悪くなります。すると脳は副腎に、「もっとホルモンを作れ」と命令します。こうして副腎がさらに疲弊するという、悪循環になるのです。

 副腎が弱くなると、ストレスに対抗する力が弱くなり、疲れがなかなか取れなくなります。さらに、刺激に対して敏感になりすぎるために、自己免疫疾患を発症するきっかけにもなります。

リウマチや膠原病、起立性調節障害が改善した

 たいせつなのは、働かせすぎている副腎を休ませてあげることです。
 副腎が回復すれば、また質のいいホルモンを作ることができるようになり、体に好循環が生まれます。
 そのためには、脳が副腎に命令する回数を減らすことが重要です。

 では、脳が副腎に命令する回数を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。
 実は、脳から副腎に命令がいくきっかけは、皮膚にあります。
 皮膚にはヒスタミンという、異物を感知するセンサーのような物質が存在します。副腎が疲弊すると、ヒスタミンの反応が過剰になります。ストレスに対抗する力が弱くなっているので、センサーを敏感にして、危険から身を守ろうとするのです。

 しかし、ここにさらに嫌な刺激が加わると、過敏になったセンサーが、脳に危険信号を伝え、脳が「ホルモンを出せ」と副腎に命令する悪循環になってしまいます。
 私は研究を重ね、「ヒスタミンの反応を抑えるには、皮膚を刺激するのがもっとも有効」という結論に至りました。皮膚刺激を通じて、ヒスタミンを刺激に慣れさせ、手なずけることで、脳が副腎に命令する回数が減ります。結果、副腎が休まり、疲労回復につながるというわけです。

 多くの難病患者を診てきましたが、症状が改善したかたに共通するのが、自宅で皮膚刺激を続けている点です。ある50代の女性は、リウマチや膠原病が寛解。起立性調節障害が治り、大阪大学に合格した10代の男性もいらっしゃいます。

 今回は、「すりこぎ」を使った皮膚刺激(すりこぎ指圧)をご紹介します。弱った副腎を回復させるために、ぜひ実践してください。

かわもと まさみ
治療家、柔道整復師。昭和11年開院の川本治療所の2代目。29年間で延べ約7万人の患者さんに施術をする。皮膚をはじめとする感覚器官と脳と副腎の関係性のメカニズムに着目し、慢性疾患の施術にあたる。監修するウェブサイト「病気の治療所」は月にのべ15万人以上が閲覧に訪れる。また、自ら指導する「アドレナル(副腎)・セラピー」のセミナーも人気で全国から参加者が集まる

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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