【イラスト解説】股関節症のリハビリに有効な「ノルディックウォーク」のやり方

【イラスト解説】股関節症のリハビリに有効な「ノルディックウォーク」のやり方

変形性股関節症の人が、歩行障害の改善(リハビリ)を目的に「ノルディック・ウオーク」を行う場合、本来は、医師や専門家の指導を受けることが理想です。ここでは、杖をつきながらでも1日3000歩程度は歩ける、軽度~中程度の股関節症の人向けに、やり方を説明します。【解説】矢野英雄(富士温泉病院名誉院長)


特に難しい技術は必要ない

 変形性股関節症の人が、歩行障害の改善(リハビリ)を目的に「ノルディック・ウオーク」を行う場合、本来は、医師や専門家の指導を受けることが理想です。ここでは、杖をつきながらでも1日3000歩程度は歩ける、軽度~中程度の股関節症の人向けに、やり方を説明します。

 ノルディック・ウオーク用のポールには、ストレートポールと少しポールが湾曲したスマートポールの2種類あります。ストレート型は革靴の感じで、スタスタと歩くとき用。スマート型は運動靴のように柔軟で自在性に富みますので、地面の形状にフィットしやすくなります。

 初めに何本か湾曲の違うものを試して、ストレート型かスマート型を選択し、次にポールの長さを変えて歩き、より快適に感じるほうで、歩き方に合ったものを使うことが大切です。
 ポールの長さは原則として「身長(㎝)×0・63」が目安です。ポールを持って床についたとき、ひじを直角に曲げた状態から、手が2㎝程度下がる長さになるように調整します。その人の歩き方や体形などによって最適な長さは異なるので、より快適に感じる長さにするとよいでしょう。
 ポールは、強く握る必要はありません。人さし指から小指の4指でグリップを軽く握り、親指はグリップの上に載せ、あまり力を入れないようにします。

 歩き方は、基本的にはポールを地面につきながら歩くだけで、特に難しい技術は必要ありません。ポールは、いわば「地面に対しての手のタッチセンサー」として用い、足の左右のバランスを取るために使います。

 歩行中の注意点を、順を追って簡単に説明しましょう。

❶片足を前方に出し、足と左右反対側のポールを前方の地面についた姿勢から、体重を前に移動することを意識して歩き始めます。

❷意識的に手と足を交互に振り出して、肩と腰とを反対側に回すようにしながら歩きます。かかとから着地すると同時に、前に出した足と反対側の手に持ったポールの先端を、つま先の横かその前後につきます。足にからまないよう、体のやや外側につきます。

❸姿勢は、目線をいつもよりやや上にして、肩の力を抜き、体を直立させて、背すじを伸ばして歩くことを意識します。

❹歩行中は、速足にならないよう、また歩幅を広く取り過ぎないように注意します。

❺体全体の力を抜いてリラックスし、リズミカルに歩くことを心掛けます。

 特に重要なのは、決して無理をしないことです。歩行速度や歩幅は、自分が安全に気持ちよく歩けるペースを基準にします。

 自分がどれくらい歩けるのか、どんなときに痛みが出るのかを自分で把握するために、私は患者さんたちに「股関節らくらく日記」をつけることをお勧めしています。
 これは、①日付、②痛みの度合い(痛みがまったくない状態を0、これまでに体験した最高の痛みを10として10段階で評価する)、③その日歩いた歩数(歩数計で測定して記録する)、④コメント(その日の行動や痛み方で気付いたこと)の4項目を、日記のように毎日つけるものです。

「速く歩き過ぎない」「多く歩き過ぎない」「足や腰に痛みが出たらやめる」
 この3点を守って実行してください。

→「股関節日記」のつけた方はコチラ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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