脇の下で計る理想的な体温は37℃。では、そのとき内臓の温度は何℃?

脇の下で計る理想的な体温は37℃。では、そのとき内臓の温度は何℃?

体温を測ってみてください。36℃台前半〜35℃台現代の人が多いかと思います。特に最近は、美容や健康によいとされている生野菜と果物で作るドリンクなど、冷えた食べ物を取り過ぎて低体温に陥っている若い女性も多いようです。【解説】川嶋 朗(東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長)


湯たんぽを勧める川嶋先生

体内の酵素が最も活発に働く深部体温(内臓などの体温)は、38〜40℃

 現代の日本では、体が冷えている人が少なくありません。特に最近は、美容や健康によいとされている生野菜と果物で作るドリンクなど、冷えた食べ物を取り過ぎて低体温に陥っている若い女性も多いようです。

 試しに、体温を測ってみてください。36℃台前半〜35℃台の人が多いと思います。
 低体温は、さまざまな病気を誘発します。例えば、体内で生命活動を維持するための化学反応を助けている酵素は、体温が下がると働きが低下します。脂肪分解酵素がうまく働かなければ、肥満になるでしょう。遺伝子修復酵素がうまく働かなければ、ガンなどの深刻な病気に陥る危険性が高まります。

 体内の酵素が最も活発に働く深部体温(内臓など体の中心の体温)は、38〜40℃です。体温が1℃下がると、約50%も働きが低下する酵素もあります。さらに代謝機能は12〜20%、免疫機能(病気に抵抗する働き)は20〜30%も低下するといわれているのです。

 体表のわきの下で測る皮膚温は、深部体温より約1度低いため、健康維持に理想的な体温は37℃前後といっていいでしょう。
 低体温に陥れば、血液もうまく流れません。体は冷えを感じると、全身の活動力を高める交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮して血液が流れにくくなるのです。

 血液の流れが悪くなると、細胞に酸素や栄養素が行き渡らないため、新陳代謝が鈍ります。体にとって不要な老廃物も、排出されにくくなります。糖やコレステロールが代謝されずに血管などにたまれば、生活習慣病に陥りやすくなるでしょう。
 冷えによる病気を予防・改善するためには、湯たんぽなどを利用して体を温めるのが一番です。このとき、ポイントになるのが肝臓です。

湯たんぽを使った肝臓の温め方

小さめの湯たんぽに、65~70℃程度のお湯を入れ、厚手のタオルでくるむ。これを、肝臓(右の肋骨の下)部分に当てる。
時間は、自分で「温かくて気持ちがいい」と感じる程度。汗をかきそうになったら、胴の周りや太もも、お尻など、ほかに冷えを強く感じている部位に湯たんぽを当て直すとよい。
※低温ヤケドには注意をすること。

1週間でリンパ球が急増した人もいる

 肝臓には、門脈と肝動脈から、常に大量の血液が運ばれています。その量は、全身の血液量の4分の1〜3分の1にも上ります。常に大量の血液が流れる肝臓を中心に温めれば、温まった血液を介して熱が運ばれ、全身が速やかに温まるのです。

 肝臓を温めれば、その近くにある内臓も温まります。特に、体内で最大の免疫器官である腸が温まれば、免疫力も高まるはずです。
 温めることで、肝臓そのものの働きが高まることも、病気の予防・改善には有効です。
 食品に含まれるたんぱく質は、肝臓で体が利用できる形へと合成されます。肝臓の働きが高まれば、新陳代謝がスムーズに進み、体内組織の傷んだ部位は速やかに修復されるはずです。

 肝臓には、もう一つ、解毒作用という重要な働きがあります。肝臓の働きがよくなれば、体内に入った薬剤やアルコールなどの有害物質が速やかに排出されるでしょう。
 肝臓を温めるさいには、小さめの湯たんぽの使用をお勧めします。湯たんぽは、65〜70℃程度のお湯を入れ、厚手のタオルでくるみます。これを、肝臓のある体の右側の、肋骨の下に当てるのです。

 当てる時間は、自分で「温かくて気持ちがいい」と感じる程度です。ただし、汗をかくと、かえって体が冷えてしまいます。汗をかきそうになったら、胴の周りや太もも、お尻など、ほかに冷えを強く感じている部位に湯たんぽを当て直すとよいでしょう。なお、低温ヤケドには注意をしてください。

 湯たんぽがなければ、ホット用のペットボトルでも代用できます。ペットボトルに40℃程度のお湯を入れ、タオルなどでくるめば、即席湯たんぽの出来上がりです。
 私の患者さんの中には、体を温め始めて1週間でリンパ球が急増した人もいます。まずは1週間、肝臓を中心に体を温めてみてください。きっと、なんらかの体調の変化を実感できるはずです。

 全身が温まると、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になるため、ゆったりとした気分になってきます。強いストレスを感じている人も、ぜひ肝臓に湯たんぽを当ててみてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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