【インフル大流行】予防接種は結局、意味があるのか?

【インフル大流行】予防接種は結局、意味があるのか?

「インフルエンザは、カゼじゃない」というポスターを、病院などで見かけたことはありませんか?おかしなポスターなので、私が当時勤めていた横浜市衛生局内では、「カゼじゃない」の「ない」に張り紙をして、【インフルエンザは、カゼじゃ】としておいたものです。【解説】母里啓子(元国立公衆衛生院疫学部感染症室長・医学博士)


ワクチンを打ってもインフルにかかる人、打たなくてもかからない人がいるのは、なぜ? その疑問への答えは…

やっぱりインフルエンザワクチンは、打たないほうがよい

「インフルエンザはカゼじゃない」というポスターを、病院などで見かけたことはありませんか?

 おかしなポスターなので、私が当時勤めていた横浜市衛生局内では、「カゼじゃない」の「ない」に張り紙をして、「インフルエンザはカゼじゃ」としておいたものです。
 そうです。インフルエンザはカゼの一種で、毎年マスコミが大騒ぎするほどのものではありません。また、昔からカゼは万病のもとともいわれ、こじらせればどんなカゼでも、ただのカゼではないのです。

 2001年に予防接種法が改正されて、65歳以上の高齢者にインフルエンザの予防接種が推奨されるようになりました。しかし、本当にインフルエンザワクチンは有効なのでしょうか。
 結論から言うと、インフルエンザワクチンには、インフルエンザを予防する効果はありません。それどころか、打たないほうがよいと私は考えています。
 それを証明したといえるのが、1987年に発表された前橋レポートです。前橋市医師会は、インフルエンザの集団接種後、1人の生徒がけいれんを起こしたのを機に、インフルエンザの集団接種をやめました。
 そして5年にわたり、集団接種を続けている周辺の市と前橋市のインフルエンザの流行状況を調べたのです。

 その結果、集団接種をしてもしなくても、流行の大きさにそれほど差がないことがわかりました。これが引き金になり、1994年、国はついにインフルエンザの集団予防接種を中止したのです。
 そもそも、ワクチンとは何でしょう。これは、感染源であるウイルスなどを体内に入れ、生体に免疫(病原体などに抵抗する働き)を作らせる薬のことです。ワクチンが体内に入ると、それに対する抗体が作られ、同じウイルスが侵入しても感染しにくくなります。

 しかし、インフルエンザワクチンには、大きな問題があります。それは、ウイルスが絶えず変異し、そのスピードが非常に早いことです。そのため、ワクチンが完成したころにはウイルスの形が変わっていて、効き目がないのです。だから、毎年、接種を勧めるのです。
 しかも、インフルエンザワクチンは、死んだ(不活化した)ウイルスのごく一部を取って作ったものです。ですから、できる抗体も弱く、効果があったとしても長続きしません。

 さらに言うと、インフルエンザウイルスが最初に取りつくのは、のどや鼻です。ワクチンを打てば、血中に抗体はできますが、のどや鼻にはできません。これでは、鼻やのどからのウイルスの侵入を防げるわけがないのです。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザとは別の病気

 インフルエンザワクチンの副作用が問題になっています。2009年から2010年にかけて、日本中をゆるがした新型インフルエンザによる死者数は、198人でした。
 一方、新型インフルエンザワクチンの接種後に亡くなった人は133人です。
 そのほか、ワクチンの副作用には、肝機能障害、発疹、発熱、けいれん、アナフィラキシーショック、ギランバレー症候群などがあります。

 イギリスのジェンナーが種痘(天然痘のワクチン)を開発してから200年余り。確かに、栄養状態や衛生状態が悪い時代は、ワクチンによって感染症を防ぐことができたでしょう。
 しかし、日本は現在、世界一乳幼児の死亡が少ない国です。医療が発達し、栄養状態も衛生環境も格段によくなりました。その日本で、果たしてワクチンが必要でしょうか。
 むしろ私は、副作用のほうが心配です。ワクチンは、劇薬なのですから。

 ウイルスのワクチンは、病原菌であるウイルスを人工的に培養し、ウイルスだけを取り出したものです。このウイルス自体が、体にとって異物です。
 インフルエンザワクチンは、ウイルスが体内で増殖しないように不活化してありますが、不活化するためにホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)を使います。ホルムアルデヒドは、化学物質過敏症の原因物質で、発ガン性が指摘されています。
 さらに、ウイルスを精製するさいに、不純物をすべて取り除けるとは限りません。

 インフルエンザは、人によっては症状が重く、高熱が出ることがあります。そんなときは横になってゆっくり休み、免疫力が回復してくれるのを待てばいいのです。高熱は、ウイルスの増殖を止めるために、体が防御反応として出すのです。
 しかも、一度インフルエンザにかかれば強力な抗体ができ、何年もインフルエンザにかからずに済みます。インフルエンザの一番の予防法は、インフルエンザにかかって、強い免疫を作ることなのです。これは、感染症すべてにいえることです。

 ちなみに、乳幼児がかかるインフルエンザ脳症はインフルエンザとは別の病気で、インフルエンザとの因果関係は実証されていません。
 ワクチンの中には、必要なものもあります。しかし多くは、すでに発症自体が少なく、必要ないものです。予防接種をどう受けるか、よく考えて決めていただきたいと思います。

母里啓子
医学博士。元・国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)疫学部感染症室長。千葉大学医学部卒業後、伝染病研究所(現・東京大学医科学研究所)でウイルス学を修め、愛知県がんセンター研究所に勤務。在職中に、カナダのトロント大学オンタリオ・がん研究所に留学。帰国後、東京都がん検診センター検査課長、横浜市衛生研究所細菌課長を経て、国立公衆衛生院疫学部感染症室長に。近著に『インフルエンザワクチンはいらない』(双葉新書)、『新・予防接種へ行く前に』(ジャパンマシニスト育児新書)ほか多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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