【医師の体験談】200ミリもあった高血圧が「グーパー体操」で正常化した私

【医師の体験談】200ミリもあった高血圧が「グーパー体操」で正常化した私

健康診断で「血圧が高い」と言われ、内科に行ったら降圧剤を処方された。以来、ずっと薬を飲んでいる……皆さんの中にも、こういうかたは少なくないのではないでしょうか?【解説】村田高明(元慶應義塾大学医学部講師)


村田高明
1935年、秋田県生まれ。60年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大婦人科教室入局。国立東京第二病院勤務を経て、アメリカ南カリフォルニア大学に留学。帰国後、国立埼玉病院産婦人科医長、国立栃木病院産婦人科医長を経て87年より南多摩病院産婦人科医長、のち院長。漢方による診断・治療を実践し、漢方応用の不妊症治療の実績は35年間で2000例以上にも上る。現在は、京王八王子山川クリニックほか、4つの漢方外来で診療に当たる。

父も祖父も脳卒中で亡くなった

 健康診断で「血圧が高い」と言われ、内科に行ったら降圧剤を処方された。以来、ずっと薬を飲んでいる……皆さんの中にも、こういうかたは少なくないのではないでしょうか?

 もちろん、薬を飲むことは非常にたいせつです。かく言う私も、ずっと弱い降圧剤のお世話になっています。
 ただ、長年、医師として働いてきて思うのは、日本人は薬に頼りすぎだということ。「薬を飲んだからだいじょうぶ」ではなく、やはり自分なりに養生していくことが、健康で元気いっぱいの老後につながっていくと考えます。

 私も60歳で最大血圧が200㎜Hgを超えたときは、すぐに降圧剤の服用を開始するとともに、生活全般の見直しをしました(基準値は、最大血圧140㎜Hg以下、最小血圧90㎜Hg以下)。
 高血圧は、心臓が慢性的に高い圧力をかけて血液を送り出している状態のことです。血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこともある怖い病気です。
 私の父も、祖父も、脳卒中で亡くなっており、いわゆる高血圧の家系です。祖父が倒れたのは当時の私と同年代の62歳でした。

 私は、高血圧にありがちな頭痛がひどく、いつ倒れてもおかしくない状況だったと思います。しかも、当時の私は、病院の院長を務めるとともに、産婦人科の医師でもありました。外来で1日200人以上の患者さんを診察し、お産があれば夜中でも病院に駆けつけねばなりません。また学生の講義を週に2回持っており、その資料作成も大変でした。

布団に寝転んだまま指をグー・パーするだけ

 そんな多忙を極めた私が「少しでも血流をよくしよう」と始めたのが、「グー・パー体操」です。グー・パー体操はその名のとおり、手をグー、パーと握ったり開いたりするもの。

 朝、布団に寝転がったまま両腕を伸ばし、グー・パー体操を行います。すると、2〜3週間後から血圧が下がり始め、なんと1カ月後には基準値の140㎜Hg以下になり、頭痛も解消しました。もちろん、降圧剤を飲み、減塩を心がけ、間食をやめるなどの努力はしましたが、多忙な生活そのものは変わっていません。

 グー・パー体操は、もともと冷え症に悩む患者さんのために考案したものです。手足の先が冷たくてつらい……という人は、末端の血の巡りが悪くなっています。心臓から遠い手足の毛細血管で、血液の流れが滞っているからです。
 そして高血圧も、冷え症と同じく血行不良が原因の1つです。血流が悪いなら、手足をポンプのように動かして、血液の流れを助けてあげればよいのでは? この発想から生まれたのが、グー・パーという単純な動きでした。

78歳の今も現役医師で、4つの病院をかけもち

 グー・パー体操の詳しいやり方をご説明しましょう。まず足の血液を効率的に心臓に戻すため、2つ折りにした座布団やクッションを足の下に置きます。
 そしてあお向けに寝て腕を伸ばし、年の数だけグー・パーし、さらにグー・パーの動きに合わせて、足首を前後に動かします。年の数だけやるのが大変な人は、まずは30回を目安に行い、徐々に数を増やしてください。
 また、グーのときに親指を中に入れて握ると「労宮」というツボの刺激にもなります。労宮は手のひらの真ん中にあり、疲労やストレス解消に効果的です。

 いつ行ってもかまいませんが、お勧めは朝です。起床時に体を適度に動かす習慣を持つことで、自律神経を整えることができるからです。
 また、腕を伸ばすのがつらい場合は、ひじを床につけて行ってもかまいません。基本的には78歳の私ができる体操ですから、それほど大変ではないと思います。

 テレビでも「医師の勧める健康体操」というテーマでお話ししたところ、視聴者のかたから大きな反響をいただきました。なにしろ、簡単で短時間ででき、手間もお金もかかりませんが、効果はてきめんですから。

 おかげさまで、高血圧体質と上手につきあいながら、ずっと元気に働いております。降圧剤も服用していますが、作用のぐっと弱い薬になりました。
 定年後の現在は、4つの病院をかけもちで患者さんを診察。土日は習い事にワイフの買い物のお供と、相変わらずの多忙な日々を満喫しています。

手の「グー・パー体操」を実演する村田高明先生

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


星野源さんもやせた「キャベツダイエット」のやり方 !糖尿病や高血圧も改善する

星野源さんもやせた「キャベツダイエット」のやり方 !糖尿病や高血圧も改善する

キャベツを食べるだけでも、おなかはかなり満たされます。おかずは今までどおりの量でかまいませんが、ご飯を半分程度にします。それでも、私の経験では「おなかいっぱいで、もう食べられない」というくらいの満腹感が味わえます。キャベツの食物繊維の作用で、次回の食事までの空腹感も感じにくくなります。【解説】寺師義典(寺師医院院長)


【血圧を下げる対策】日本人に多い食塩感受性高血圧とは?「しょうゆスプレー」がお勧め

【血圧を下げる対策】日本人に多い食塩感受性高血圧とは?「しょうゆスプレー」がお勧め

日本の食は全般的にヘルシーですが、一つ大きな難点があります。それは塩分が過剰だということです。減塩することはとても重要ですが、高塩分に慣れた人が塩分を減らそうとしても、物足りなさを感じて難しいものです。そこで、まず簡単にできる減塩の入門として私が提唱しているのが「しょうゆスプレー」です。【解説】日下美穂(日下医院院長)


非アルコール性脂肪肝炎(ナッシュ)が改善!生活習慣病を予防する「ファイトケミカルスープ」とは

非アルコール性脂肪肝炎(ナッシュ)が改善!生活習慣病を予防する「ファイトケミカルスープ」とは

私の治療の理想は、患者さんが薬だけに頼るのではなく、食事など生活習慣の重要性に気づいて見直していただくことです。そうすれば、難しい病気であっても改善する可能性はじゅうぶんにあります。【解説】髙橋弘(麻布医院院長・ハーバード大学医学部元准教授)


【慈恵医大の入院食】食後血糖値を下げる効果 お昼の「麦ごはん」で患者さんの便秘も解消

【慈恵医大の入院食】食後血糖値を下げる効果 お昼の「麦ごはん」で患者さんの便秘も解消

東京慈恵会医科大学附属病院では、入院患者さんへの昼食に、毎日、大麦が3割入ったごはんを出しています。大麦は、ビタミンB群やミネラル類を多く含む栄養豊富な食材です。成分の中でも特筆すべきなのが、食物繊維の多さです。【解説】濱裕宣(東京慈恵会医科大学附属病院 管理栄養士)


【便秘を解消】人気の慈恵医大式「大麦レシピ」で免疫力もアップ!

【便秘を解消】人気の慈恵医大式「大麦レシピ」で免疫力もアップ!

東京慈恵会医科大学附属病院では、入院患者さんへの昼食に、毎日、大麦が3割入ったごはんを出しています。調理が簡単で美味!便秘を解消し免疫力もアップと人気の慈恵医大式「大麦レシピ」をご紹介します。【監修】濱裕宣(東京慈恵会医科大学附属病院・管理栄養士)


最新の投稿


【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

ブロッコリーは、野菜の中でも栄養が飛び抜けて豊富で、多くの健康効果や美容、ダイエットにも効果を期待できる、まさに「野菜の王様」です。体にいい成分の宝庫であるブロッコリーを、積極的に食生活に取り入れない理由はありません。【解説】木村至信(秋山眼科医院耳鼻咽喉科部長、木村至信BANDリーダー)


【肩こり・五十肩を改善】痛みやしびれをすぐに解消する体操「手首振り」

【肩こり・五十肩を改善】痛みやしびれをすぐに解消する体操「手首振り」

手のしびれ、肩こり、五十肩、腱鞘炎、腕や手の疲れとそれによる痛みなど、手・腕・肩のトラブルに悩まされている人は多いものです。わずか1〜2分で簡単にできるバンザイ手首振りは、血液とリンパ(体内の余分な水分や老廃物、毒素などを運び出す体液)の流れを劇的に改善させます。【解説】宮本啓稔(新宿西口治療院院長)


【直腸性便秘】便を出す効果的な方法「考える人のポーズ」 大腸肛門科専門医が実験で確認

【直腸性便秘】便を出す効果的な方法「考える人のポーズ」 大腸肛門科専門医が実験で確認

便秘は①大腸の動きが遅く便がなかなか直腸まで下りてこない②便は直腸まで下りてきているが、うまく排出できない のタイプです。②を「直腸性便秘」と呼びます。便意を感じにくくなる、便が非常に硬くなる、残便感がある、排便時に痛みや違和感があるなどの特徴があります。【解説】高野正太(大腸肛門病センター高野病院肛門科部長)


【生活習慣病を予防】漬けるだけで超簡単「酢ピーナッツ」の作り方

【生活習慣病を予防】漬けるだけで超簡単「酢ピーナッツ」の作り方

ピーナッツと酢を組み合わせた「酢ピーナッツ」は、さまざまな健康効果をいいとこ取りした食品です。カリカリ食感とほどよい酸味が絶妙で、お茶請けやお酒のおつまみなどにぴったり!漬けるだけでできる超簡単な酢ピーナッツを、ぜひ皆さんもお試しください!【料理・栄養計算・スタイリング】五十嵐ゆかり(料理研究家・管理栄養士)


【肝臓病とは】A型肝炎 B型肝炎 C型肝炎の違いは? 急性と慢性の違いは? (子供でも分かる大人の病気)

【肝臓病とは】A型肝炎 B型肝炎 C型肝炎の違いは? 急性と慢性の違いは? (子供でも分かる大人の病気)

肝臓は多数の肝小葉という単位が集まった臓器で、「人体の化学工場」といわれ、胆汁を生成して消化を助けるほか、栄養分の分解や貯蔵、解毒、排泄など、重要な働きをしています。【解説】川嶋朗(東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門医師・東京有明医療大学教授)