歯周病や口臭、歯の痛みが改善!頬のたるみも解消!歯科医師推奨【歯ぐきの血管マッサージ】

歯周病や口臭、歯の痛みが改善!頬のたるみも解消!歯科医師推奨【歯ぐきの血管マッサージ】

私たちの体を巡り、生命活動を支えている血液は、心臓から送り出された後、動脈を通って全身に届けられます。しかし、末梢の血管に行くほど圧力は弱くなり、じゅうぶんな血液が届きにくくなります。そうした末梢部の1つが、歯の周りの血管です。【解説】倉治ななえ(クラジ歯科医院院長・日本歯科大学附属病院臨床教授)


倉治ななえ
1979年、日本歯科大学卒業。同大学補綴学教室第2講座入局。
1983年、クラジ歯科医院開設。日本歯科医師会常務理事。歯学博士。日本歯科大学附属病院臨床教授。歯科医師として日々患者に接しながら、子育て歯科、マタニティ歯科など予防に熱心に取り組んでいる。『歯がいい人はボケにくい』(角川SSC新書)など著書多数。

健康的な歯を保つには歯の血流促進が必要

 私たちの体を巡り、生命活動を支えている血液は、心臓から送り出された後、動脈を通って全身に届けられます。しかし、末梢の血管に行くほど圧力は弱くなり、じゅうぶんな血液が届きにくくなります。
 そうした末梢部の1つが、歯の周りの血管です。歯に送られる血液の通り道である歯肉や歯周組織の周辺は毛細血管ばかりで、そこに届く血液の量はごくわずか。しかも、あごの骨の中など、狭く硬いところを通るため、血流が滞りやすいのです。

 こうした歯の血流悪化を軽視してはいけません。歯を支える歯根膜などの組織に酸素や栄養が行き渡らなくなって、抵抗力が低下し、歯周病の症状が悪化するなどの恐れがあるからです。また、神経の処置をした歯の痛みや、原因不明の痛み、歯のぐらつきなどにもつながることがあります。

 私は、このような状態を便宜的に「歯の冷え症」と呼んでいます。歯そのものが冷たくなるわけではありませんが、血流の悪化が原因となって、さまざまなトラブルにつながるという点で、手足の冷え症と共通点があり、患者さんも理解しやすいと考えるからです。
 健康的な歯を保つには、口腔内の血流が滞らないようにすることが欠かせません。そのために、私が考案し、実際に歯周病などを患う患者さんにお勧めしている方法が「歯ぐきの血管マッサージ」です。

「抜歯しかない」と思いつめた人でも劇的に症状が改善

 歯ぐきの血管マッサージは、歯ブラシの柄の部分を口の中に入れて、歯ぐきと頬の内側の境目付近の、血管が集中しているところを軽く押すというマッサージ法です。

 その目的は、刺激を加えることで、口腔内の上・下唇動脈など、比較的太い血管の働きを促し、その先の毛細血管にまで血液が行き届くようにすることにあります。マッサージを施すと、血流が活性化して、歯ぐきの血色が健康的になるのがよくわかります。また、口腔内を刺激することで唾液が分泌されやすくなり、ドライマウスや、それに伴う口臭の改善も期待できます。

 指でも同様のマッサージはできますが、奥歯周辺まで届く長さや、粘膜を傷つけない程度の硬さと形状を考えると、柄の先端が丸みを帯びた歯ブラシが最適でしょう。やり方は、下の解説図をご覧ください。

 私が担当する患者さんは、原因不明の痛みや動揺などから「もう抜歯するしかない」と思いつめて来院されるかたが少なくありません。そんなかたでも、このマッサージを行って、痛みや歯のぐらつきなどの症状が劇的に改善するケースが少なくありません。歯ぐきへの刺激により、治癒に必要な酸素や栄養を含む動脈血が、末梢部まで届くようになったためと考えられます。

 このマッサージは、歯の周囲の血流を促進し、歯のトラブルを予防することを目的に提唱したものですが、実践された患者さんからは、「歯以外にもよい変化があった」という報告が数多く寄せられています。
 なかでも、よく耳にするのが、顔の肌の変化です。マッサージをする前と比べて、肌にハリや潤いが増し、頬がリフトアップしほうれい線が薄くなったかたが多いようです。
 これはおそらく、歯周辺の血管と同時に顔面の血管も刺激され、肌への血行も促されたためでしょう。そうした患者さんを見て、健康的で美しい肌になったとびっくりさせられることもあります。

 私自身、毎朝、歯ぐきの血管マッサージを実践しています。皆さんも、いつまでも健康な歯を保つため、このマッサージを日々のオーラルケアに取り入れてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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