【看護師】リウマチの症状に悩む私の「心の持ちよう」が変わった 笑いヨガに感謝

【看護師】リウマチの症状に悩む私の「心の持ちよう」が変わった 笑いヨガに感謝

リウマチの症状は、主に関節痛です。特に私の場合、手首や足首、肩、首などに、激しい痛み、腫れ、むくみが現れていました。さらに、全身の倦怠感にも襲われます。症状の変動も激しく、気圧が低下すると悪化するなど、天候や季節にも左右されます。【解説】池田由紀(名古屋市立大学看護学部准教授)


池田由紀
1956年、三重県生まれ。三重大学医学部附属看護学校を卒業後、看護師として13年間働く。その後、看護教育の場に移り、現在、名古屋市立大学看護学部で教員を務める。「日本笑い学会」の理事の一人として、笑いの健康効果について講演活動をしている。主な研究として、慢性呼吸器疾患患者への笑いヨガのリラクゼーションプログラムの効果を検討している。

万人が共通して笑うことができる

【やり方】今すぐ一人でできる「笑いヨガ」写真図解

 私が「日本笑い学会」に加入したのは、今から16年前です。「日本笑い学会」では、年に1回、研究報告会を行っていますが、2010年の報告会で紹介されたのが「笑いヨガ」でした。

 もともと私は、笑いがもたらす健康効果について関心がありました。笑いの効果をなんとか研究できないかと、看護師を対象に、笑いを用いてストレスを軽減する特別なプログラムを作り、実践した結果を学会で発表したこともあります。
 また、大阪で、笑いのイベントに参加した人々にご協力いただき、「笑いの実験」を行いました。 皆さんには、漫才を聞いてもらい、その前後で唾液の酸化還元を測定したのです。その結果、あまり笑えなかった人の唾液は酸化する傾向があり、たくさん笑った人の唾液は還元する傾向を示したのです。
 この結果は、予想外でした。楽しいはずの漫才を聞いても、あまり笑えなかった人は、唾液が酸化し、体によい影響があったとはいえないからです。

 こうした経験から学んだのが、一方的な笑いの刺激は、人によって反応が異なるため、注意が必要だということでした。
 おもしろいと感じる、いわゆる笑いのツボは、人によって千差万別です。漫才や落語、喜劇など、さまざまな娯楽が存在しますが、万人が共通して笑えるツールというものは見当たりません。

 私の研究も、そうした高い壁に阻まれ、なかなか進んでいませんでした。
 そんなときに出会ったのが、笑いヨガだったのです。
 当時は、笑いがもたらす健康効果について、多くの研究が実施され、報告されるようになったころでした。ある研究では、表情だけで笑う、いわゆる「つくり笑い」でも、おもしろいと感じて笑うことと、脳への刺激が同じであることが判明していました。

 笑いヨガは、おもしろい・おもしろくないという感情は関係なく、だれでも簡単に行うことができる笑いの体操です。おもしろいから笑うのではなく、大事なのは、子どもの気持ちになって、とにかく笑うこと。この発想は、目からうろこでした。
 実際に笑いヨガをやってみると、ストレスの緩和につながることはもちろん、有酸素運動としても優れていることがわかりました。「これはいい!」と思った私は、すぐに「日本笑いヨガ協会」が主催するリーダー養成講座に参加し、リーダーの資格を取ったのです。

 私は、年に数回、健康講座を行っていますが、その内容は、笑いと健康効果についての講演と、笑いヨガの体験会をセットにしたものです。
 笑いの健康効果についてお話しした後、実際に、その笑いの効果を体感していただくためのツールとして、笑いヨガは実に優れています。また、その場かぎりで終わらず、笑いを継続することが大切なのですが、笑いヨガはその点でも優秀です。
 参加者の中には、私の健康講座をきっかけに、笑いヨガに興味を持ってくださるかたもたくさんいるのです。効果を感じやすく、毎日続けるのも苦ではない、すばらしい体操だと思います。

「何事も前向きに考えられる」と池田先生

リウマチの痛みが軽減した報告もある

 そもそも、私が笑いに興味を持ったのは、自身の病気がきっかけでした。実は、20代からリウマチを抱えています。
 リウマチは、遺伝的な素因や、自己免疫システムの異常が引き金になる病気です。発病したのは、ちょうど看護師として働き始めたころでした。看護師という仕事は、ほんとうに激務です。日々のストレスによって、自己免疫システムが乱れたことが一因なのかもしれません。

 リウマチの症状は、主に関節痛です。特に私の場合、手首や足首、肩、首などに、激しい痛み、腫れ、むくみが現れていました。さらに、全身の倦怠感にも襲われます。症状の変動も激しく、気圧が低下すると悪化するなど、天候や季節にも左右されます。いつ悪化するかわからず、決定的な治療法もない難病です。 
 そして、何よりつらいのが、人には理解されにくい病気ということでしょう。気持ちが落ち込んだり、元気になったりするなど、気分の浮き沈みも激しくなります。

 そんなとき知ったのが、笑うことでリウマチの痛みが軽減するという研究報告でした。これがきっかけで、笑いについての研究を始めるようになったのです。

 私は、毎朝10分ほど、一人でできる笑いヨガを行っています。長年の症状なので、関節の痛みに効果があったとはいえませんが、心の持ちようが変わりました。以前よりも気分の浮き沈みが穏やかになり、何事も前向きに考えられるようになったのです。リウマチというのは、人によって症状が異なりますが、笑いヨガを試す価値はあるといえるでしょう。
 私は、看護師として13年働いた後、看護師を育てる立場に移りました。
 現在も、大学で看護教育を行いながら、笑いの研究を続けています。今後、この研究分野で、笑いヨガがますます注目されることでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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