【薬に頼らない】うつが改善する「首腰枕」 首の骨の変形を治すことが大切

【薬に頼らない】うつが改善する「首腰枕」 首の骨の変形を治すことが大切

私は12年前に、福田‐安保理論に基づき、姿勢と自律神経の関係に注目。首腰枕を使った背骨のストレッチ法を開発し、指導を始めました。首腰枕は、腰痛や肩こりなど、筋骨格系の病気はもちろん、うつ病やパーキンソン病など、脳神経系の病気にも、著効を発揮しています。【解説】高木智司(日本自律神経免疫治療研究会会員・心身診療室院長)


高木智司
名古屋大学医学部卒業。神経内科と心療内科を専攻。自然療法の研究のかたわら、大手企業の診療所長を15年間務めた後、心神診療室を開設。湯島清水坂クリニック勤務、イシハラクリニック勤務を経て現在に至る。著書に『「首に枕をする」と腰痛が治る』(マキノ出版)などがある。

うつと抗うつ薬の関係

 私は12年前に、福田‐安保理論に基づき、姿勢と自律神経の関係に注目。首腰枕を使った背骨のストレッチ法を開発し、指導を始めました。首腰枕は、腰痛や肩こりなど、筋骨格系の病気はもちろん、うつ病やパーキンソン病など、脳神経系の病気にも、著効を発揮しています。

 ここでは特に、うつと薬の関係を中心に説明しましょう。

 抗うつ薬は、まだ使われ始めて20年ほどの歴史しかないため、未解明な点が多い薬です。
 最も心配なのは、副作用。例えば、未成年では自殺リスクが2倍に高まり、暴力性は平均8・4倍高まるとされています。自動車事故の危険性が70%高まるという報告もあります。

 薬をやめようとすると、めまいや知覚障害といった、離脱症状が現れるため、薬漬けになる人が少なくありません。
 さらに問題なのは、抗うつ薬の危険性が、医師にすらじゅうぶんに認知されていない点です。近年では、専門外の医師が、深く考えずに抗うつ薬を処方することもあります。

 このため、薬に依存した患者さんが、気軽に精神薬を処方する医師の間を渡り歩き、たくさんの薬を手に入れるケースも珍しくなくなっているのです。

 これでは、副作用のリスクが増すばかりで、うつはいよいよ治りにくくなります。

抗うつ薬に頼らずうつを改善「首腰枕」

 抗うつ薬に頼らずにうつを治すためには、私たちはどうしたらよいのでしょうか。

 そこでご紹介したいのが、首腰枕です。バスタオルを丸めて、首と腰に当てるだけの、とても簡単な方法です。

 うつで気持ちが落ち込んでいる人は、猫背で下を向き、姿勢が悪くなります。すると肩や首周りの筋肉がこり、首の骨から出ている神経が圧迫され、その働きが悪くなります。

 さらに姿勢の悪さは、背骨の首と腰の部分にも負荷をかけ、変形やゆがみをもたらします。ここに変形が起こると、神経の圧迫はより深刻化し、ときには断線さえ生じるのです。

首腰枕のやり方

頸椎の変形を治すことが、うつの根本治療につながる

背骨の首と腰の部分からは、体調をつかさどる自律神経が出ています。この働きが阻害されると、体調が悪くなり、さまざまな病気や不調が発症します。

 うつの患者さんは、多くの身体症状を抱えることがあります。これも、背骨のゆがみが原因の可能性があるのです。
 首腰枕は、縮んだ背骨を伸ばし、首や腰の変形を改善します。背骨のゆがみが矯正されると、圧迫され断線していた神経も回復するわけです。

 こうして自律神経の働きがよくなれば、身体症状ばかりではなく、精神的な症状も、一様に改善が認められます。
 アメリカの最新研究では、重症のうつ病患者さんの体内にペースメーカーを入れて、首の骨の迷走神経(自律神経)を刺激するという治療を行うことで、3分の1が快癒したという報告があります。

 これは、首の骨の変形を直して自律神経の働きを矯正することが、うつの根本治療につながる可能性があることを示しています。

首腰枕でうつが改善した例

 では、首腰枕でうつが改善した症例をご紹介しましょう。

 67歳の女性のケースです。この女性は、仮面うつ病でした。仮面うつ病とは、さまざまな身体症状が表に出るかたわら、うつの精神症状はその陰に隠れている病気です。

 この女性の場合も、肩の痛み、のどの詰まり、頭痛、不眠、下痢といった多くの症状が出ていたため、抗うつ剤や睡眠薬などを多用していました。

 診察すると、首の骨に変形がありました。そこで、抗うつ薬の服用をやめてもらい、首腰枕を毎日実行してもらいました。2ヵ月もたつと、徐々に身体症状が改善。このかたは性格的な事情もあり、精神面に影響が及ぶには少し時間を要しましたが、段階的によくなりました。

 そして、治療開始から2年後には、悩まされてきた症状がすべて消失しました。その後、再発もありません。

 このように、うつを治すために、まず首と腰のゆがみを治すことから始めれば、薬を無理なくやめることも、可能になるはずです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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