【手の甲つまみ】ヘバーデン結節、腱鞘炎やバネ指の痛みや症状が改善

【手の甲つまみ】ヘバーデン結節、腱鞘炎やバネ指の痛みや症状が改善

手首の痛みやしびれ、腱鞘炎やばね指、ヘバーデン結節に悩んでいる人は、筋肉を包んでいる薄い膜「筋膜」が硬くなっていることが原因かもしれません。筋膜を解放(リリース)することで、症状が改善することもあります。ぜひ、治療にお役立てください。【解説】原 幸夫(いいだ整骨院・鍼灸院・いいだカイロプラクティック院長)


原 幸夫
いいだ整骨院・鍼灸院・いいだカイロプラクティック院長。柔道整復師。鍼灸・あんまマッサージ指圧師。中国に渡り鍼麻酔、中国鍼を研修。東洋医学、カイロプラクティックの技術を用いて、日々治療にあたっている。著書に『誰でもスグできる! ねこ背をぐんぐん治す!200%の基本ワザ』(日東書院)など多数。

ヘバーデン結節とは、指先から一つめの関節に痛みや腫れが出る疾患

 首や肩、腕の痛みやコリに悩んでいる人は、筋膜がかたくなったり、ゆがんだりしていることが原因かもしれません。
 筋膜とは、筋肉を包んでいる薄い膜のことです(下図参照)。

 昨今、テレビなどのメディアで大きく注目されているため、ご存じのかたも多いでしょう。
 筋膜以外にも、内臓を包む腹膜や漿膜など、全身の細胞や組織はいずれも、薄い膜に覆われています。それらの膜どうしがつながり合い、ボディスーツのように全身を覆うことで、私たちの体は形づくられているのです。

 ところが、筋膜は、悪い姿勢や加齢などが原因で、かたくなったり、ゆがんだりします。すると、歩きづらくなったり、関節が曲がりにくくなったりするなど、体の動きが悪くなります。こうして、痛みやコリが出やすくなるのです。
 また、前述したように、筋膜どうしはつながっているため、ある箇所の筋膜の異常のせいで、全く関係のない箇所に痛みが生じる場合もあります。

 そのしくみは、テントにたとえられます。テントの支柱(ポール)を骨、布(シート)を筋膜だと想像してください。
 テントを張るときは、支柱だけでなく、布をピンと引っ張ることで、全体が安定します。この状態で、布の一部分を引っ張ると、どうなるでしょうか。
 引っ張った箇所の布がゆがむだけでなく、全く別の箇所の布もゆがんでしまいます。それが原因で、テント全体が傾く恐れさえあるでしょう。

 そこで有効なのが、ゆがんだ箇所以外のシートを直すことです。テント全体はつながっているので、別の箇所のシートを調節すれば、引っ張った箇所やテント全体を整えることが可能です。
 この考えを応用した健康法が、今回ご紹介する「手の甲つまみ」です(やり方は下記参照)。その名のとおり、手の甲を刺激することで、全身の筋膜にアプローチできます。
 手はもちろんのこと、特に筋膜のつながりが近い、首や肩、腕の筋膜の解放に役立ちます。

 手の甲の皮下組織には、多くの神経と血管が走っています。手の甲の筋膜が解放されれば、神経の働きや血流がよくなります。
 こうして、手や腕の痛みやしびれや、肩や首の痛みやコリの改善に、大きな力を発揮するのです。
 また、肩やひじ、手首、指の関節が動かしやすくなるので、五十肩や腱鞘炎、ヘバーデン結節(指先から一つめの関節に痛みや腫れが出る疾患)、バネ指などの改善にも役立ちます。

 手の甲つまみのやり方は、次のとおりです。
 まずは、手の甲全体や指と指の間を、まんべんなくつまんでください。力加減は、痛みを感じない程度で十分です。
 軽い力にもかかわらず、痛みを感じたり、皮膚が突っ張ったりする箇所が見つかったら、これこそ、筋膜がかたくなったり、ゆがんだりしている証拠といえます。その影響が、手の甲の神経や血流に現れているわけです。
 その箇所を5秒程度つまんで、軽く引っ張ったり、上下左右に動かしたりしましょう。こうすることで、手の甲の筋膜が、柔軟性を取り戻します。

 手の甲つまみは、1日1回行いましょう。両手合わせても、1~2分で終わります。もちろん、1日に何回行っても問題ありません。

手の甲つまみのやり方

手首の痛み、腱鞘炎が軽快!指が細くなったと歓喜!

 私の治療院では、患者さんに手の甲への刺激を勧めています。なかでも、手首や腕の痛み、しびれ、むくみの改善には、すばらしい成果が現れています。

 ほかにも、手から肩にかけての関節の動きがよくなった、五十肩や腱鞘炎が軽くなった、手や腕の倦怠感や疲労感が取れたという声が、続々と届いているのです。

 また、女性の場合、指が細くなったり、手が小さくなったり、手の甲にあったシミやシワが取れたりした、と喜んでいるかたもいます。

 手の甲に現れたシミやシワは、血行不良が原因のことがほとんどです。手の甲の刺激によって血行がよくなれば、シミやシワが取れても不思議なことではありません。手指の血行がよくなるので、冷え症のかたにもお勧めです。

 また、手の甲のツボ刺激を同時に行えることも、手の甲つまみの利点です。

 手の甲には、たくさんのツボが存在するので、ツボの位置を知らなくても、自然と刺激することができるのです。
 手の甲にあるツボをつまんだとき、痛みや皮膚の突っ張りを感じたときは、そのツボに対応する部位に異変が現れている可能性があります。ツボ刺激の効果で、思わぬ症状の改善にもつながるかもしれません。

 手の甲つまみは、場所と時間を選ばず手軽に行えます。ぜひ今日からお試しください。

→関連記事【ばね指】の治し方 簡単にできるテーピングの巻き方はこちら

これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに掲載しています。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

これらの記事にある情報は、効能や効果を保証するものではありません。専門家による監修のもと、安全性には十分に配慮していますが、万が一体調に合わないと感じた場合は、すぐに中止してください。

この健康情報のエディター

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