【専門医直伝】手の「降圧ツボ」をもんだら その場で血圧が下がる例が続出

【専門医直伝】手の「降圧ツボ」をもんだら その場で血圧が下がる例が続出

私が、高血圧などの患者さんに勧めて大変好評を得ているのが「合谷指圧」です。親指と人差し指の骨のつけ根にある合谷というツボとその周囲をもみほぐすというシンプルな指圧法です。合谷との出会いは、今から27年ほど前。私がひどい歯痛に襲われたときのことです。【解説】渡辺尚彦(東京女子医科大学東医療センター内科教授)


渡辺尚彦
東京女子医科大学東医療センター内科教授。医学博士。専門は高血圧を中心とした循環器病。1987年8月から、連続携帯型血圧計を装着し、以来、365日24時間にわたり血圧を測定。現在も連続装着記録を更新中。著書に『ズボラでも血圧がみるみる下がる49の方法』など多数。

特に注目したのが優れた降圧作用

 私が、高血圧などの患者さんに勧めて、大変好評を得ているのが「合谷指圧」です。
 これは、親指と人差し指の骨のつけ根にある合谷というツボと、その周囲をもみほぐすというシンプルな指圧法です(詳しいやり方は後述)。

 合谷との出会いは、今から27年ほど前になります。私がひどい歯痛に襲われたときのことです。歯痛に効くと聞いた合谷のツボを、試しに指圧してみたところ、あれほどひどかった歯痛がスーッと引いたのです。
 この効果に驚いた私は、それ以来、合谷の指圧に大きな興味を持つようになりました。そしてここ数年、合谷の指圧が実にさまざまな症状に効くことが、患者さんの治療を通じてわかってきました。

 なかでも注目すべきは、高血圧への効果でした。合谷を指圧すると、優れた降圧作用が現れるのです。
 高血圧の患者さんに合谷指圧を行うと、痛みがあるときは一時的に少し血圧が上がります。しかし、痛みが和らぐころには20〜30mmHg血圧が下がることも、まれではありません。

ポカポカと温まり 血行がよくなる!

 それでは、高血圧の患者さんにお勧めの合谷指圧のやり方をご紹介しましょう。

❶ 左手の合谷の位置に、右手の親指(指先や指の腹)を当て、手のひら側を残りの指で押さえて、はさむようにして強めの刺激を与えます。
 痛いと感じるくらいの強さで、痛みを我慢しながら押し続けます。左手の手のひらや手首を動かすと、より効果的に刺激を与えることができます。
 時間の目安は、3〜5分間。右手も同様に行います。

❷ 合谷への指圧が終わったら、鼻から息を吸って、口から長くゆっくり吐く、腹式呼吸を行います。
 時間の目安は、3〜5分間。
 ① 〜 ② を毎日、朝晩1回ずつ行うようにしてください。

 ポイントは、合谷指圧のあとに、腹式呼吸を行うことです。

合谷指圧のやり方

 血圧を調整しているのは、私たちの意志とは無関係に働く、自律神経です。自律神経には、興奮時に優位に働く交感神経と、リラックス時に優位に働く副交感神経の二つがあり、両者が拮抗して働いています。

 合谷指圧を行うと、汗をかくほどにポカポカと体が温まり、血行がよくなります。これは、上半身の血管が拡張した証拠で、血圧の降下につながります。
 加えて、直後に腹式呼吸を行うと、心身がリラックス。副交感神経が優位になります。このとき、さらに血管が拡張し、血圧がより下がりやすくなるわけです。

 合谷指圧は、低血圧の人が行うと、血圧が下がりすぎて、めまいを起こすことがあります。その場合、直ちに中止してください。いい換えれば、それほど降圧効果があるのです。

 このように、高血圧の改善に効果的な合谷指圧ですが、それ以外にもさまざまな症状によく効きます。
 例えば、五十肩では、全く上がらなかった腕が、合谷指圧で上がるようになった人が多数います。そのほか、ギックリ腰などの腰痛、肩こり、疲れ目、顎関節症、頭痛(片頭痛)などにも有効です。

 ただし、筋緊張型の一般的な頭痛に見えて、クモ膜下出血や脳出血などの疾患が原因の頭痛の場合もあります。激しい頭痛が続くようなら、まず医療機関で頭痛の原因を調べてもらうようにしてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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