「ふくらはぎ」は冷えに対して鈍感?温めるだけでひざや腰の痛みが消える理由

「ふくらはぎ」は冷えに対して鈍感?温めるだけでひざや腰の痛みが消える理由

ふくらはぎは、冷えに対して鈍感な部位です。試しに、氷を太ももとふくらはぎに当ててみてください。ほとんどの人が悲鳴を上げますが、ふくらはぎは意外と平気です。10秒くらいなら、我慢できるのではないでしょうか。【解説】関 博和(せき接骨院院長)


ふくらはぎは太ももより1.75度も冷えている

 ふくらはぎは、冷えに対して鈍感な部位です。試しに、氷を太ももとふくらはぎに当ててみてください。ほとんどの人が悲鳴を上げますが、ふくらはぎは意外と平気です。10秒くらいなら、我慢できるのではないでしょうか。

 なぜこんな違いが出るのかといえば、ふだん冷たい外気にさらされているふくらはぎは、冷えに対して耐性があるからです。

 名古屋市立大学の研究によると、高齢者のふくらはぎの温度は、太ももより平均1・75度も低かったそうです。高齢者は筋肉が少ないうえにあまり歩かないので、よけいにふくらはぎが冷えて、リンパや血液が滞りやすくなっているのです。
 このふくらはぎを効率的に温めるために、私は次のような方法を皆さんに勧めています。

① サポーターで温める

 ひざ下からくるぶしまでを覆うサポーターやレッグウォーマーで、ふくらはぎを温めます。できれば、密着性があり、かつ締めつけ感のないものを選んでください。
 これらを入浴のとき以外、1日じゅうつけていると、ふくらはぎが冷えません。夜、装着して寝ると、不眠や夜間頻尿、こむら返りなどを防げます。

② カイロでツボを温める

 ふくらはぎには、重要なツボが集まっています。その中で、特に温めたいのが、三陰交と懸鍾というツボです。
 三陰交は、冷えや足のむくみ、月経障害、更年期障害などに効く万能ツボで、内くるぶしから指幅4本分(約9㎝)上にあります。懸鍾は、脳や血液に関係するツボで、高血圧に効果があります。外くるぶしから指幅4本分上にあります。

 この位置からわかるように、2つのツボは表裏一体の関係にあり、相乗的に働きます。ここに小さいサイズの使い捨てカイロを、足をはさむように貼ります。靴下などの上から貼って、低温ヤケドをしないように注意してください。その上にもう1枚靴下を重ねばきすると、カイロがずれにくくなります。

③ 腰湯で温める

 浴槽に熱めのお湯(42度くらい)を張り、小さないすなどを置いて腰までつかります。10〜15分、じっくり腰から下を温めてください。肩が冷えるときは、タオルなどをかけるといいでしょう。最後に、肩までしっかり1〜2分つかって出てください。

ひどい乾燥肌が改善し肌のキメが細かくなった

 こうしてふくらはぎを温めると、さまざまな症状が改善します。ここで、実際の体験例を2例ご紹介しましょう。

 Kさん(55歳・女性)は、全身の冷えやむくみがひどくて来院されました。サポーターをつけて左右のふくらはぎを温めるようにしたところ、すぐに冷えもむくみも軽減。
 半年ほどで体重が9㎏へり、おなかや足もスッキリしました。また、薬を飲んでも下がらなかった最小血圧が、110㎜Hgから98㎜Hgまで下がりました(基準値は90㎜Hg未満)。

 もう一人は、長年のバレーボールの練習でひざと腰を痛めたSさん(63歳・女性)です。Sさんにも、サポーターを勧めました。
 Sさんは35.7度と体温が低かったのですが、ふくらはぎを温め始めたら、36.4度に上がり、ひざと腰の痛みも徐々に消失。
 冬場にひどかった乾燥肌が改善して、肌のキメも細かくなったと喜んでいました。

 このようにふくらはぎを温めると、思いがけない効果までもたらされます。ふくらはぎが、全身の健康につながっていることを実感できるでしょう。

関 博和
1964年、長野県生まれ。
85年、柔道整復師免許取得。92年に開業し、現在に至る。健康管理士一般指導員。介護予防運動指導員。著書に、『「ふくらはぎを温めるだけ」で全身健康になる!』『病気になりたくなければふくらはぎを温めなさい』(ともに講談社)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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