自律神経の乱れが整い緊張が取れる【15回深呼吸】190ミリの血圧が130ミリに下がった人も

自律神経の乱れが整い緊張が取れる【15回深呼吸】190ミリの血圧が130ミリに下がった人も

血圧は、さまざまな要因で大きく変動するものです。なかでも、意外に大きいのが、心理的要因です。医療機関で血圧を測るとき、血圧が上がってしまう現象を、「白衣現象」と呼びます。高血圧のかたにも、この白衣現象があります。【解説】渡辺尚彦(東京女子医科大学准教授)


「血圧は下がるもの」と認識すること

 血圧は、さまざまな要因で大きく変動するものです。なかでも、意外に大きいのが、心理的要因です。
 医療機関で血圧を測るとき、血圧が上がってしまう現象を、「白衣現象」と呼びます。高血圧のかたにも、この白衣現象があります。

 一方、家庭で測定された血圧が正常値なのにもかかわらず、病院で測る際、緊張で白衣現象が起こり、血圧が高くなる状態があります。これは、「白衣高血圧」と呼ばれています。
 この二つのタイプの人は、自分の血圧が高いと思い込むあまり、病院での計測の際、「また血圧が高いのではないか」と懸念し、その不安とストレスで血圧が上昇するという悪循環をくり返しているのです。

 このような悪循環を避けるために、皆さんにお勧めしているのが、深呼吸です。深い呼吸をすることで、その場で血圧を下げられるのです。深呼吸のコツは、息をゆっくりと吐くことです。1、2、3、4と数えながら、ゆっくりと息を吐いていきましょう。吸うほうはあまり意識せず自然に行ってかまいません。

 血圧をコントロールしているのは、自律神経(意志とは無関係に働き、血管や内臓を支配している神経)です。この自律神経の中枢と、呼吸を調節する呼吸中枢は、脳の中の非常に近いところにあって、互いに影響し合っています。このため、深呼吸をすると、呼吸中枢を介して、自律神経の過緊張が和らぎ、血圧も下がるのです。

 例えば、Aさん(四十歳代・女性)は、診察時、最大血圧が190ミリもありました。そこで、ゆっくり一五回深呼吸をしてもらったところ、130ミリまで血圧が下がったのです。おかげで降圧剤を出さずに済みました。Aさんの場合は60ミリも下がっていますが、そこまでいかなくとも、その場で20〜30ミリ血圧が下がることはよくあります。

 この際、「血圧は下がるものなんだ」としっかり認識することが重要なのです。血圧の数値ばかり気にしている人にとって、心配や不安で血圧が上昇する悪循環を断つきっかけとなるからです。

「渡辺式合谷指圧」で 20〜30ミリ下がる

 高血圧の人はそもそも呼吸が浅く、呼吸の回数が多い傾向があります。こうした点からも、血圧の計測時だけでなく、ふだんから深い呼吸を心がけてください。深呼吸に加えて、腹式呼吸もできるように練習を続けていけば、血圧を下げる大きな助けとなるでしょう。

 ただし、深呼吸をしても血圧が下がらない人がいます。こうした人は、いわば不安神経症のような状態に陥っており、血圧に対する不安が強すぎて、効果が出ないのです。

 こうした人は自分の生活を見つめ直して、血圧上昇の原因を探り、自分で納得しないと、血圧はなかなか下がりません。
 血圧上昇の原因は、「寒さ」、「塩分のとりすぎ」、「酒の飲みすぎ」など、いろいろ考えられます。一つでも思い当たれば、まず、その原因を改めることが先決です。それが、着実な方法といえるでしょう。

 私は『血圧を低下音頭』というCDを作っています。これは、

「決してタバコは吸いません
 強い血管作りましょう
 熱いお湯には入りません
 寒い思いも致しません
 快眠、快便、腹八分」

 といったように、血圧を下げるポイントをまとめたものです。インターネットでダウンロードすることもできますから、参考にしてみてください。

 ちなみに最近、私が患者さんに行って大好評なのが、指圧です。これは、両手の合谷というツボ周辺で、硬い部位をすべて指圧でもみほぐすという方法です。ツボを立体的にとらえ、深いところのこりもほぐします。私はこれを「渡辺式合谷指圧」と呼んでいます。
 痛いくらいの強さで、こりがほぐれるまで指圧する(約5〜10分)のがコツですが、指圧していると、首や肩がポカポカと温まり、顔が熱くなり、ショボついていた目までシャキッとして、目のピントが合うようになります。そうなるころには血圧は下がっているでしょう。

 最大血圧が160〜190ミリくらいあった人が、その場で、130〜140ミリまで下がったこともありました。合谷への指圧で、上半身がリラックスすると20〜30ミリくらい血圧が下がります。
 ぜひ一度試してみてください。

渡辺尚彦
1952年生まれ。1978年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業、1984年、同大学院博士課程修了。1995年、ミネソタ大学時間生物学研究所客員助教授として渡米。専門は高血圧を中心とした循環器病。現在、早稲田大学スポーツ科学学術院客員教授、日本歯科大学病院内科臨床教授も兼任。1987年から、連続携帯型血圧計を装着し、365日24時間血圧を測定。現在も連続装着記録更新中。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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