【専門家が伝授】納豆の「薬味」講座 ― 健康効果を高める食べ方

【専門家が伝授】納豆の「薬味」講座 ― 健康効果を高める食べ方

納豆が好物の人は、なんといっても温かいご飯にかけて食べる「納豆ご飯」がいいでしょう。混ぜるだけで、手軽に「食べる薬」を取ることができます。同じ納豆ご飯でも、薬味を添えるとさらに風味が増すだけでなく、血栓予防や腸内環境改善など、納豆の薬効が高まります。【解説】須見洋行(倉敷芸術科学大学教授)


須見洋行
1974年、徳島大学大学院医学研究科修了(医学博士)。倉敷芸術大学科学大学生命科学部生命科学科教授。専門は血栓の研究。アメリカ・シカゴ大学で研究中、血栓溶解に働く「プロウロキナーゼ」「ナットウキナーゼ」を発見した。

ネギを入れると血栓の防止効果がアップ!

 納豆には健康上プラスとなるような効果をもたらす成分が豊富に含まれています。できれば、毎日1パック食べるのが理想的です。

 全般的に体調を整えることが目的なら、3食のうち、いつ納豆を食べても構いません。
 ただし、血栓ができるのを防ぐ効果を期待する場合は、夕食に食べるのがもっとも適しています。1日のうちで、血液の粘度が高まり血栓ができやすくなるのは、午前2~3時ですから、夜に納豆を食べておけば、寝ている間も血液をサラサラに保つことができるのです。

 納豆が好物の人は、なんといっても温かいご飯にかけて食べる「納豆ご飯」がいいでしょう。混ぜるだけで、手軽に「食べる薬」を取ることができます。
 同じ納豆ご飯でも、薬味を添えるとさらに風味が増すだけでなく、納豆の薬効が高まります。

 納豆につきものの薬味といえば、まず思い浮かぶのがネギです。ネギに含まれているイオウ化合物質にも血栓を溶かす働きがありますから、同時に取ることで、納豆の血栓を防ぐ効果を増強することができます。ネギには納豆のアンモニア臭を和らげる効果もあるので、納豆が苦手なかたでもネギを加えることで食べやすくなるでしょう。

定番の薬味であるネギは、納豆のアンモニア臭を和らげる効果がある

大根おろしやキムチを加えるのもお勧め

 納豆に不足している栄養を補うという意味では、大根おろしもお勧めです。良質なたんぱく質をはじめとして、さまざまな栄養が豊富な納豆ですが、ビタミンAやビタミンCは含まれていません。大根おろしを加えれば、そうした成分も摂取でき、よりバランスの取れた健康食になります。
 さらに、大根おろしに含まれている酵素には、納豆特有の粘りのもとを分解して、粘りけを少なくする働きもありますから、ネバネバが苦手なかたでも食べやすくなることが考えられます。

 近年、納豆にキムチを混ぜるかたも多くなってきたようですが、これもよい組み合わせと言えるでしょう。キムチなどに豊富に含まれる植物性乳酸菌には、腸の働きを整える働きがあり、納豆といっしょに腸内環境をよい状態に保ってくれることが期待できるからです。

 また、チーズやマヨネーズを混ぜたら苦手だった納豆が食べやすくなったという人も珍しくありません。アメリカでは、納豆のことを「ベジタブル・チーズ」と呼び、チーズやマヨネーズといっしょに、グラタンやピザにして食べられています。

ノリを入れた納豆が私の好物

 納豆に含まれている「ナットウキナーゼ」という成分は、血栓を防ぐ働きをします。しかし、この成分は熱に弱く、70℃以上で加熱すると効果が失われてしまいます。納豆はできるだけ加熱しないで食べたほうがいいといわれるのは、このためです。

 しかしナットウキナーゼ以外の有効成分は、加熱してもその薬効に変化はありません。納豆ご飯は飽きたという人は、納豆の天ぷらやカレーなど、いろいろな料理に取り入れて、納豆の新しい味を追求してみるとよいでしょう。

 以前は西日本で嫌われていると言われた納豆も、現在では年々売上げを伸ばしています。
 私の住む岡山県倉敷市では、カラシを混ぜた納豆はあまり好まれないらしく、納豆のパックの中にカラシは入っていません。そのかわり当地では、岩ノリに似たとろりとしたノリの小袋がついています。
 私自身、納豆は毎晩、ご飯に乗せたり、おかずにしたりして、欠かさずに食べています。このノリを加えたものは、特に好物です。ノリは納豆の風味を高めるだけでなく、納豆に不足しがちな鉄やヨードを豊富に含んでいるので、栄養も充実します。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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