【実験で確認】下半身にたまったリンパの流れを良くする「リンパ呼吸」で免疫力がアップする!

【実験で確認】下半身にたまったリンパの流れを良くする「リンパ呼吸」で免疫力がアップする!

リンパは「免疫」という病気を防ぐシステムに深く関わっています。リンパの流れがいい人は、カゼをひきにくく、NK(ナチュラルキラー)細胞という、ガン細胞を直接殺すリンパ球の活性が高いことがわかりました。免疫アップには、リンパマッサージよりも、楽で効果的な方法「リンパ呼吸」をお勧めします。【解説】大橋俊夫(信州大学名誉教授)


リンパは細胞の環境をキレイにする掃除屋

「リンパマッサージ」という、体液の流れをよくするマッサージがあります。
美容目的で多く行われているようですが、リンパの流れは美容だけでなく、健康にとっても非常に大事です。

それはリンパが、免疫という病気を防ぐシステムに、深くかかわっているからです。まずは、リンパがなぜ重要なのか、説明しましょう。

一般にリンパといえば、リンパ液を指します。リンパは、リンパ管の中を流れ、血液と同じように全身を巡っています。
しかしその速度は、血液とは比較にならないほどゆっくりです。リンパには、心臓のようなポンプの機能がないためです。

リンパの役割は、毛細血管が回収できなかった、余分な水分や老廃物を回収することです。
毛細血管は、細胞に酸素や栄養を送り、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収。

そのやり取りは、直接細胞と行うのではなく、細胞の周囲にある水(組織液)を介して行われます。
しかし、すべてを回収できるわけではなく、1~2割以上は残ります。それを回収するのがリンパです。

さらに、組織液に侵入した細菌や異物も除去します。つまりリンパは、細胞の環境をキレイに整える掃除屋なのです。
こうした、細菌や異物を除去する働きを「免疫」といいます。

リンパの中に含まれる免疫細胞は「リンパ球」と呼ばれ、その一部の「単球(マクロファージ)」は、体の中を常にパトロールしています。
そして侵入物を見つけたら、リンパ管にあるリンパ節で待機しているリンパ球に知らせ、免疫系を作動させるのです。

つまり、リンパの流れがよければ、いち早く侵入物を見つけられ、それを除去することができるのです。

ガンを殺す働きのある細胞の活性が高まる

では、リンパの流れをよくする方法ですが、リンパマッサージよりも、楽で効果的な方法があります。
それは、「リンパ呼吸」です。寝ながら、ゆっくり腹式呼吸をする、この呼吸方法で、実際にリンパの流れがよくなったことを、私は人を対象にした実験で確認をしました。

体内には、1日に約2Lの量のリンパが流れています。その約8割は、おなか(主に腸)や、足などの下半身から流れてきます。
このリンパは、おなかの上部にある乳び槽というタンクに集められます。そこから、胸管を通り、左側の鎖骨の下にある左静脈角にいきます。

そこで静脈と合流し、全身を巡って、免疫機能を発揮するのです。
このように、下から上に向かうリンパの流れは、決してスムーズとはいえません。

リンパの流れは、呼吸による横隔膜の動き、骨格筋や一部リンパ管の収縮により促されます。
特に、足のリンパは、流れにくい性質があります。

それを強力に促すのが、リンパ呼吸です。

やり方は、まず、あおむけに寝て、おなかがふくらむようにゆっくり鼻で息を吸います。
そしておなかをへこますようにゆっくり息を吐きましょう。

あおむけに寝ると重力から解放されるため、それだけでも下半身にたまったリンパが、乳び槽に戻りやすくなり、腸のリンパも集まってきます。

その状態で、リンパ呼吸をして、腹圧をかけてやると、乳び槽にたまったリンパが上に押し出され、リンパの流れが促進されるのです。

このリンパ呼吸で、実際にリンパの流れがよくなることも確認できました。
呼吸前と、呼吸をした30分後に血液を調べたところ、血漿たんぱく質、赤血球など5項目の数値が、大幅に下がっていたのです。

リンパは、最終的には血流(静脈)に合流しますが、リンパには、血球成分がそれほど含まれていません。
ですから、多量のリンパが血液に流れ込めば、一時的に血球成分の濃度が低下します。この濃度が低いほど、リンパの流れが促進されたということです。

私が調べたところ、リンパの流れがいい人は、カゼをひきにくく、NK(ナチュラルキラー)細胞という、ガン細胞を直接殺すリンパ球の活性が高いことがわかりました。

免疫アップにはリンパ呼吸をお勧めします。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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