不眠対策は「朝食にハムエッグを食べる」? ― インフルエンザやうつも撃退

不眠対策は「朝食にハムエッグを食べる」? ― インフルエンザやうつも撃退

免疫力を高めるには睡眠時間を長く取ればいいのでしょうか。確かに一定の睡眠時間を取ることは大切ですが、一概にそれだけとは、いい切れません。睡眠の量よりも重要なのが、質なのです。そして、質の高い睡眠を得るための秘訣は、意外に思われるかもしれませんが、「朝食」にあります。【解説】宮崎総一郎(滋賀医科大学睡眠学講座特任教授)


宮崎総一郎
1954年生まれ。医学博士。滋賀医科大学睡眠学講座特任教授。日本睡眠教育機構理事長。近著に『ぐっすり眠りたければ、朝の食事を変えなさい』(PHP研究所)がある。

朝食が睡眠の質を左右している!

皆さんは、毎晩ぐっすりと眠れていますか。
「夜中に何度も目が覚める」「寝つきが悪くて、眠りも浅い」「長時間寝ても、疲れがよく取れない」というような睡眠の悩みを抱えているかたは、注意が必要です。

睡眠をしっかり取れていないと、体に疲労が蓄積し、免疫力が低下してしまいます。
カゼやインフルエンザにかかりやすくなり、うつ病などの精神疾患の誘因にもなりかねません。

実際に、睡眠と免疫力との関係性を示したデータは、数多くあります。シカゴ大学が行った研究です。
6日間にわたり、睡眠を4時間しか取らなかったグループと、睡眠をじゅうぶんに取ったグループに分け、それぞれに、インフルエンザワクチンを注射しました。

そして、両者の抗体の産生率を比較したのです。すると、4時間しか寝ていなかったグループは、じゅうぶん時間を取ることは大切ですが、一概にそれだけとは、いい切れません。
睡眠の量よりも重要なのが、質なのです。そして、質の高い睡眠を得るための秘訣は、意外に思われるかもしれませんが、「朝食」にあります。

その日の快眠は、実は、朝起きてすぐの朝食が左右しているのです。
不眠、うつが解消して人生が変わった!では、その理由をご説明しましょう。

質のよい睡眠には、まず、メラトニンというホルモンが、夜に寝ていたグループに比べて、半分しか抗体ができませんでした。
つまり、毎日睡眠をじゅうぶんに取らないと、免疫力が低下して、ウイルスに感染しやすくなることがわかったのです。

では、免疫力を高めるには、睡眠時間を長く取ればいいのでしょうか。確かに、一定の睡眠時間を取ることは大切ですが、一概にそれだけとは、いい切れません。
睡眠の量よりも重要なのが、質なのです。そして、質の高い睡眠を得るための秘訣は、意外に思われるかもしれませんが、「朝食」にあります。

その日の快眠は、実は、朝起きてすぐの朝食が左右しているのです。

不眠、うつが解消して人生が変わった!

では、その理由をご説明しましょう。

質のよい睡眠には、まず、メラトニンというホルモンが、夜にしっかりと分泌されなければなりません。
メラトニンは、私たちの体温を下げて、脈拍や血圧を低下させます。

そうして、安眠に備えた生理的変化をもたらしてくれるのです。そして、このメラトニンは、脳にある松果体という組織で、セロトニンによって作られます。
セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、うつ病の薬にも用いられる物質で、私たちの精神を安定させる作用があります。

セロトニンは、日中に日光を浴びることで生成されますが、そのときに原料となるのが、トリプトファンという物質です。
トリプトファンは、食事によって摂取できます。もう一度、整理しましょう。

快眠のためには夜にメラトニンが必要で、それには、昼にセロトニンが分泌されなければなりません。
そしてセロトニンには、トリプトファンが必要です。つまり、セロトニンを昼に分泌させるには、その前の朝のうちにトリプトファンを摂取しなくてはいけないのです。

これが、快眠のために朝食が重要な理由です。

トリプトファンは、肉や卵、牛乳、納豆、魚などに多く含まれています。

なので、朝食にはこれらの食材を積極的にとることが勧められます。

朝食に食べることの多いハムエッグは、卵と肉の組み合わせなので最適です。

まさに、最高の快眠食といえます。
ハムエッグを食べて、日中にしっかりと光を浴びれば、夜はぐっすり眠れるようになるでしょう。

免疫力も高まり、カゼやインフルエンザなどの病気に強い体になります。

実際に、朝食にハムエッグを食べるなど、生活を改善したことによって、症状が回復した例をご紹介しましょう。
40代の男性Aさんは、うつ病と不眠に悩み、睡眠時無呼吸症候群の疑いもありました。話を伺うと、食事に偏りがあったので、朝食をきちんと取るように指導しました。

ハムエッグや野菜、牛乳、ヨーグルトといった朝食を毎日食べるように勧めたのです。
すると、約1ヵ月で症状は軽快していきました。それまでは睡眠薬を飲んでも、夜中に3~4回は目を覚ましていたうえに、午前4時には起きてしまっていたそうです。

それが、薬なしで熟睡できるようになったといいます。無呼吸症候群が疑われたイビキも改善。
また、うつ病もよくなり、すっかり元気そうになりました。ご本人も、「人生が変わったみたい」とおっしゃっていました。

このような例は、少なくありません。皆さんも朝食を見直して、病気に強い体を作りましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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