【高血圧の原因】睡眠時の口呼吸で血圧が上がる!鼻呼吸トレーニングには「あいうべ」

【高血圧の原因】睡眠時の口呼吸で血圧が上がる!鼻呼吸トレーニングには「あいうべ」

高血圧の原因はさまざまですが、口呼吸もその一つです。私は、特に睡眠中の口呼吸が、睡眠の質を低下させ、血圧を上げる要因になっていると考えています。そもそも、安静時は、鼻呼吸が正しい呼吸法です。安静時にもかかわらず、口を開いたままになる口呼吸は、不自然極まりない呼吸法といえます。【解説】今井一彰(みらいクリニック院長)


睡眠中の口呼吸が血圧を上昇させる!

高血圧の原因はさまざまですが、口呼吸もその一つです。
私は、特に睡眠中の口呼吸が、睡眠の質を低下させ、血圧を上げる要因になっていると考えています。

そもそも、安静時は、鼻呼吸が正しい呼吸法です。
安静時にもかかわらず、口を開いたままになる口呼吸は、不自然極まりない呼吸法といえます。

鼻呼吸をしているとき、私たちの口の中は、唾液で潤っています。
これにより、口の中にバリアができ、細菌の繁殖や炎症を防いでいるのです。

ところが、睡眠中はただでさえ唾液の分泌が減ります。
そんなときに口呼吸をしていると、口の中の乾燥が激しくなって、バリアの役目を果たせなくなります。
その結果、口の中で細菌が繁殖して炎症を起こしてしまうのです。

口の中に慢性炎症があると、質のよい睡眠が取れません。
すると、日中に眠気や倦怠感かんが起こり、そのストレスが自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)の乱れを引き起こします。
そのため、血圧が上昇するのです。

通常であれば、睡眠中は自律神経のうち、体を休息モードにする副交感神経が優位になって血管が拡張し、血圧は下がるはずです。
ところが、睡眠中の口呼吸は、副交感神経の働きを阻害し、血圧の上昇を促すことになります。

ちなみに、ふだんは鼻で呼吸をしている人も、睡眠時は口呼吸になっていることが多いものです。
朝起きたときに、口の中が乾燥していたり、のどがヒリヒリしたりしている人は、間違いなく口呼吸をしていると考えられます。

口をしっかり閉じるため舌や口周りを鍛えよ!

では、口をしっかり閉じるためには、何が大切なのでしょう。
それは、舌や口の周りの筋肉強化です。
これらの筋肉は、体のほかの筋肉と同様、使わないでいると徐々に衰えてきます。

そこでお勧めしたいのが、「あいうべ」体操です。
「あー、いー、うー、べー」と口を大きく動かすだけで、舌や口の周囲の筋肉を鍛えられます。

「あいうべ」体操のやり方は、とても簡単です。
次の四つの動作をくり返すだけです。

❶「あー」と、口を大きく開く。
❷「いー」と、首に筋肉のすじが浮き出るくらい、口を横に広げる。
❸「うー」と、唇をとがらせて口を前に突き出す。
❹「べー」と、舌を思い切り突き出して下に伸ばす。

ポイントは、大げさなくらい口を大きく動かすことと、ゆっくりやることです。
①~④までを4秒前後かけてください。

これを1回として、1日30回を目安に行います。

「あいうべ」は、いつ、どこで行ってもかまいません。
特にお勧めなのは入浴時です。
風呂場なら、口を開けても口の中が乾燥する心配がないからです。

睡眠中の口呼吸を防ぐ方法としては、「口テープ」もお勧めです。
口を閉じた状態で、鼻の下から下唇にかけて、医療用のテープ(サージカルテープや絆創膏)を縦に軽くはるだけです。
このはり方なら、鼻呼吸が苦しくなったとき、簡単に口を開けられるので安心です。

長崎県在住の男性Aさんは、実際に「あいうべ」で血圧が下がりました。
Aさんは、最大血圧が190mmHg、最小血圧が100mmHgを超え、健康的な食事と適度な運動を行いつつ、降圧剤を飲んでいました。

私の指導で「あいうべ」を始めたところ、3ヵ月後から血圧が下がり始めました。
半年後には、最大血圧が130mmHg、最小血圧が90mmHg程度で安定したのです。
薬はいっさい飲まず、今も血圧は基準値内に収まっています。

高血圧に悩んでいる人は、ぜひ「あいうべ」を習慣にしてください。
良質の睡眠が得られ、高かった血圧が下がってくるでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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