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【医師が警告】冷たい牛乳の一気飲みは控えよ!乳ガンや腸の病気を招く可能性?

【医師が警告】冷たい牛乳の一気飲みは控えよ!乳ガンや腸の病気を招く可能性?

牛乳を飲むと、乳糖が小腸できちんと消化されないまま、大腸に運ばれて、腹痛や下痢などを引き起こしてしまいます。こうしたことからも、冷蔵庫から牛乳を取り出し、冷たいまま、一気に飲むことは控えてください。【解説者】丁宗鐵(日本薬科大学学長・百済診療所所長)


丁宗鐵
日本薬科大学学長・百済診療所所長

胃ガンがへり乳ガンがふえた一因!?

私が専門にしている漢方医学は、なによりも体を治すこと(治療)が優先されます。
「なぜ、治せるのか」という理論は後回しで、治療のための「観察」と「経験」の積み重ねが重要なのです。

そうした観察や経験が、治療実績を生み出します。
漢方医学のおもしろい点は、そうした臨床的な治療が、科学的に効果があると、後になってから証明される場合があることでしょう。

一見、非科学的で、おまじないのように見える治療法が、最先端の医学や科学の理論と符合することが多々あるのです。
さて、こうした漢方医学の観点で考えると、ある食材が、私たちの健康を害している可能性が高いといえます。

その食材は、冷たい「牛乳」です。
日本では、昭和40年ごろから家庭に冷蔵庫が普及し、昭和50年には、ほぼ全家庭に冷蔵庫が置かれるようになりました。

冷蔵庫の普及に伴い、傷みやすい食材の保存も可能となり、日本人の食生活が大きく変わったといえます。
特に変わったのは、牛乳をはじめとした、乳製品の摂取量です。

乳製品の摂取量は、昭和40年以前と比べると、約40倍もふえたといわれています。
こんなに摂取量がふえた食材は、ほかにありません。

こうした食生活の変化とともに、日本人がかかる病気もガラリと変わってきました。
例えば、それまでの日本では「胃ガン」が最も多い病気でしたが、いつの間にか「乳ガン」や「大腸ガン」がふえ、胃ガンはへってきました。

乳ガンは、昔からありましたが、日本人には珍しい病気のひとつでした。
それが、昭和40年ごろを境にふえ、今では、日本人女性の12人に1人が発病するといわれています。

また、アメリカ人では、7〜8人に1人の割合で乳ガンになるとされています。
これらガン疾患だけでなく、「潰瘍性大腸炎(大腸の粘膜に炎症が起こり、ただれやびらん、潰瘍ができる大腸の炎症性疾患)」や「クローン病(小腸や大腸を中心とする消化管に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる慢性疾患)」といった炎症性腸疾患も、昭和40年代以前は、ほとんど見かけませんでした。


ところが、乳ガンや大腸ガンと同様、こうした腸の難病が、昭和40年ごろを境に急増しているのです。
日本人の体やDNAが、突然変わるとは考えられません。
では、何が原因なのでしょうか。

それは、やはり食生活や生活習慣の変化が、大きな影響を及ぼしたと考えられます。
そして、その要因の一つとして、牛乳が挙げられます。

牛乳ではなく、肉が怪しいという見解もあります。
確かに、冷蔵庫の普及と同時期に、肉の関税が下がって、アメリカ産の牛肉が安く手に入るようになりました。
これは、近隣の国を調べると、その実態が見えてきます。

昔から、肉中心の食生活だった韓国や台湾では、炎症性腸疾患などの症例は、ほとんどありませんでした。
ところが、20年ほど前から、牛乳がよく飲まれるようになると、炎症性腸疾患がふえ、日本を後追いするようになっています。

嗜好品や調味料として牛乳は楽しむべし

牛乳に、炎症性腸疾患などの原因がある、とはいい切れません。
しかし私は、可能性の一つとして、影響は及ぼしているのではないかと、考えています。

「君子危うきに近寄らず」ということわざもありますから、冷たい牛乳のガブ飲みは避けたほうがいいでしょう。
そもそも日本人には、牛乳を苦手とする「乳糖不耐性」という体質の人が多数います。

乳糖とは、牛乳に含まれる栄養素の一つです。
乳糖を消化するには、ラクターゼという消化酵素が必要ですが、生まれながら、このラクターゼの産生量が少ない人が、日本人には多いのです。

ちなみに、日本では、成人の約40%は、ラクターゼの働きが低いといわれています。
そのため、牛乳を飲むと、乳糖が小腸できちんと消化されないまま、大腸に運ばれて、腹痛や下痢などを引き起こしてしまいます。

こうしたことからも、冷蔵庫から牛乳を取り出し、冷たいまま、一気に飲むことは控えてください。
牛乳は一度、温めてから、コーヒーや紅茶と同じような嗜好品として、たしなむ程度に飲むようにしましょう。

私が患者さんに食事の指導をするときも、牛乳は調味料の一つとして、シチューやみそ汁などに、適量を加えるよう勧めています。

最後に申し上げたいのは、これらは、決して、酪農家を批判する目的でいっているわけではないことです。

科学的に、証明されたわけではありませんが、「健康の象徴」といわれる牛乳でも、疑わしい点があることは、指摘するべきだと思います。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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