【免疫力を高める】ミカンの栄養は「焼く」とアップ!冬にたくさん食べれば、夏まで効果が持続する

【免疫力を高める】ミカンの栄養は「焼く」とアップ!冬にたくさん食べれば、夏まで効果が持続する

冷たいミカンはたくさん食べると体を冷やしますが、焼きミカンは体を温め食欲を増進させます。ミカンを焼いてもカリウムは失われないのでカゼ撃退にもお勧めです。特に注目したい成分が、ミカンに含まれるだいだい色の色素「βクリプトキサンチン」の健康効果です。【解説】今津嘉宏(芝大門いまづクリニック院長)


冬にたくさん食べれば夏まで健康効果を発揮

冬になると、店頭を彩る温州ミカン。
そのまま食べるだけではなく、日本では昔から焼いて食べるという風習がありました。

昔は、今のミカンよりも酸っぱいものが、多く出回っていました。
その酸っぱさはクエン酸によるものですが、焼くことによって、クエン酸が甘みに変わります。

つまり、酸っぱいミカンを甘くするための知恵が、焼きミカンだったのです。
ミカンを焼くと、味がより濃厚になります。

そのうえ、焼いているときには、こうばしくよい香りも楽しめます。
ミカンは、体にいい成分を豊富に含んでいますが、焼きミカンにすることで、より健康効果がアップすると考えられます。

特に注目したい成分が、βクリプトキサンチンです。
βクリプトキサンチンは、ミカンに含まれるだいだい色の色素です。

強い抗酸化作用と、細胞の修復効果があります。
体の免疫力をアップさせ、発ガン性物質から、健康な細胞を守ってくれるのです。

また、抗酸化作用によって、血液の巡りをよくする働きもあります。
体の代謝をアップさせてやせやすい体質になり、メタボの解消にも役立つのです。

βクリプトキサンチンは、実の部分にも含まれていますが、外皮の部分に、より多く含まれています。
普通なら皮の部分は食べませんが、焼きミカンにすれば皮ごと食べやすくなります。

また、焼いているうちに、皮の成分が実に浸透するので、皮をむいて食べたとしても、多くのβクリプトキサンチンを摂取することができるのです。
閉経後の女性で、体内のβクリプトキサンチンの濃度が高い人は、骨密度が高いということが、研究によりわかっています。

つまり、骨粗鬆症予防にも、βクリプトキサンチンの効果は発揮されるのです。
そして、糖尿病の進行の抑制、肝機能の改善、動脈硬化の予防、美肌など、さまざまな効果も期待できます。

βクリプトキサンチンの1日の推奨摂取量は、2㎎といわれています。
ミカン1個で約0・5㎎を摂取できるので、焼きミカンは1日に3〜4個食べればじゅうぶんでしょう。

また、タバコやお酒の摂取量が多いかたは、体内のβクリプトキサンチンの量がへってしまうので、努めて焼きミカンを食べることをお勧めします。
βクリプトキサンチンのよいところは、体内に蓄積しやすいということです。

ミカンは冬が旬の果実ですが、冬場にたくさんミカンを食べておけば、夏場までβクリプトキサンチンが体内に残って、健康効果を発揮してくれます。

青いミカンを焼けばより健康効果がアップ!

ミカンの皮は、漢方では「陳皮」という生薬として用いられてきました。
陳皮は、皮の裏の白い部分も含めて使っています。

この部分の薬効が高い理由は、ヘスペリジンという、ポリフェノールの一種が含まれているからです。
ヘスペリジンには、炎症抑制、血圧降下、中性脂肪低下、血中コレステロール低下など、さまざまな働きが期待できます。

ちなみに、ガンの治療で抗ガン剤を用いると、口内炎、だるさ、食欲不振などのいくつかの副作用が起こります。
そのうちの食欲不振の改善に、ヘスペリジンが高い効果を発揮することが、薬理学的にわかっているのです。

ヘスペリジンは、皮の裏の白い部分、そしてスジや袋にも含まれています。
焼きミカンにすれば、これらの部分がしんなりとやわらかくなり、食べやすくなるのもよいところです。

ところで昔から、「カゼをひいたらミカンを食べなさい」とよくいわれています。
これは、ミカンに含まれているカリウムの働きによるものです。

カリウムには、優れた利尿作用があります。
そして、尿とともに体内の熱も排出されるため、カゼの回復が早くなります。

このカリウムの特性を生かすためにも、カゼの治りかけには、ミカンをたくさん食べるといいでしょう。
冷たいミカンは、たくさん食べると体を冷やしますが、焼いたミカンは体を温め、食欲を増進させます。

ミカンを焼いても、カリウムは失われないので、温かいホクホクの焼きミカンで、カゼを撃退するのがお勧めです。
ちなみに、柑橘系由来の漢方の生薬としては、「枳実(きじつ)」というものもあります。

これは、まだ熟していない、ダイダイや夏ミカンなどの青い果実を乾燥させたものです。
枳実は、気の巡りをよくするということで、精神安定剤的に用いられており、不眠解消や健胃、整腸薬としても役立ちます。

青いミカンを食べれば、枳実と同様の効果が得られるのですが、酸っぱくて食べづらいでしょう。
しかし、青いミカンを焼けば甘くなるので、食べやすくなります。

つまり、熟してないミカンを使って焼きミカンにすれば、健康効果がより高まるというわけです。
皆さんも、この冬は焼きミカンを食べて、健やかに過ごしてください。

→「焼きミカン」のレシピはコチラ

今津嘉宏
芝大門いまづクリニック院長。「頭のてっぺんから足の先まで」をモットーに、西洋医学と漢方医学を融合させた緻密な診療を行っている。著書に『89.8%の病気を防ぐ上体温のすすめ 名医が実践する新・体温健康法!』(ワニブックス)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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