クシャミ、鼻づまりが軽くなった!
ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎など、アレルギー性の病気に悩む人は多いものです。
私は、「抗アレルギー食品」について、長年研究を続けてきました。
そのなかで、最も注目している一つがニンニクです。
実は、私自身もかつて、ぜんそくと花粉症に悩んでいました。
私がぜんそくを発症したのは、36歳のときです。
講義中にチョークの粉に反応して、激しくセキ込んだり、突然、呼吸困難に陥ったりして、非常につらい思いをしました。
病院で診察を受け、気管支拡張剤を飲んでいましたが、なかなか改善しませんでした。
そんなぜんそくの症状が、当時、ニンニクの入ったスープを飲むようにしたところ、2ヵ月後には治まったのです。
ぜんそくが改善した5年後、今度は花粉症になりました。
再びニンニクスープを毎日飲んだところ、クシャミや鼻づまりの症状が軽くなったのです。
そんな体験もあったので、私はニンニクの効果について、実験で詳しく調べてみることにしました。
免疫力を高め、ガンの発生や増殖をおさえるニンニクの作用は、すでに解明されています。
そこで、アレルギー性の病気にも有効であることを、確かめたいと思ったのです。
最初に行ったのは、マウスの実験です。
スギ花粉を点鼻して作製した花粉症のマウスに、ニンニクスープを一定量、毎日与えました。
2〜3週間後に、ニンニクスープを与えなかった花粉症マウスと比較しました。
すると、ニンニクスープを与えたマウスだけ、体内物質の「IgE抗体」と「インターロイキン4」が減少したのです。
抗アレルギーの薬より早くよく効いた!
IgE抗体は、アレルギーの発生に関与する物質です。
アレルギー体質の人は、体内に抗原(アレルギーを起こす原因物質)が侵入すると、IgE抗体を大量に作り、多い人では正常の100倍以上にもなります。
インターロイキン4は、花粉症でいえば、IgE抗体の合成を促し、かゆみや鼻づまりなどの炎症を広げる物質です。
花粉症マウスのIgE抗体とインターロイキン4が減少したということは、ニンニクに抗アレルギー作用があることの証あかしになるわけです。
この結果を受けて、今度は人間でニンニクスープの効果を確かめる実験を行いました。
被験者は、スギ花粉症である私自身と学生4人です。
ニンニクスープの作り方・飲み方

ニンニクスープで目のかゆみ、クシャミ、鼻づまりなどの回数がへり、症状も軽くなった報告がある
自覚症状においても、顕著な改善が見られました。
スギ花粉症の学生からは、ニンニクスープを飲むようになって、「目のかゆみ、クシャミ、鼻づまりなどの回数がへり、症状も軽くなった」という報告を受けています。
ニンニクスープの効果が明らかになって以来、私は、スギ花粉が飛ぶ1月から2〜3月にかけて集中的に飲み、つらい症状が出るのを回避しています。
ニンニクにはアリシンなどの抗菌成分が含まれているので、冷蔵庫で1週間程度はもつでしょう。
まとめて作っておけば、さまざまな料理の味つけに役立ちます。
雑菌の混入を防ぐため、小さな瓶に小分けにして保存するのがお勧めです。
スギ花粉症の人は、花粉が飛散する直前の時期に集中して飲み、通年性のアレルギー性鼻炎の人は、季節を問わず継続して飲むことをお勧めします。
ぜんそくの人は、季節の変わりめや、台風が接近しているときなど、発作が出そうな時期に毎日飲み、アトピー性皮膚炎の人は、長期間じっくり飲むといいでしょう。
においが気になるときは、ニンニクを食べるときに、緑茶やウーロン茶、牛乳をいっしょに飲むといいでしょう。
ポリフェノールが豊富な生のリンゴやブルーベリー、プルーン、チョコレートを食後に食べると、においの軽減が期待できます。
ミントのガムやあめも、お勧めです。お試しください。
ただし、ニンニクによって、胃腸に負担がかかる人もいます。
胃痛や下痢などの症状が出ない程度に、飲む量や回数を加減してください。無理は禁物です。
鍋に水100mlと、ニンニクのみじん切り40gを入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして10分ほど煮込みます。
これを適度に薄め、好みで味つけをして飲むのです。
約1ヵ月後に血液検査をすると、学生も私も、血液中のIgE抗体が、ニンニクスープを始める前に比べて、平均で30%も減少していました。
インターロイキン4の産生も、抑制されていることがわかったのです。
IgE抗体が30%もへるのは、すごいことです。
花粉症やアトピー性皮膚炎の治療に使う抗アレルギー剤でも、これほどの結果はすぐには出ません。