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【医師が解説】降圧剤の副作用と無駄な薬の減らし方

【医師が解説】降圧剤の副作用と無駄な薬の減らし方

降圧剤には、そのほかに肝障害、黄疸、頭痛、めまい、ふらつき、動悸、心不全、むくみ、貧血、歯茎の腫れなど、さまざまな副作用があります。私は、薬が全く必要ないとはいいません。ただし、無駄な薬の処方や、過剰な薬の処方が、体にとって毒になることを、知ってほしいと思います。【解説者】松田史彦(松田医院和漢堂院長)

"薬の処方量"とは肝臓で解毒できない量

私は、薬が全く必要ないとはいいません。
ただし、無駄な薬の処方や、過剰な薬の処方が、体にとって毒になることを、知ってほしいと思います。

薬は化学物質であり、体にとって異物です。
これを口からとると、肝臓で解毒されます。

解毒されたら薬の作用は働きませんから、解毒の限界を超える量の薬が処方されます。
当然、肝臓の負担は大きく、肝臓の解毒酵素も大量に失われます。

体内に入った薬の成分は、脳や筋肉、内臓に長期的に蓄積されます。
それらが体内でどのような悪さをするかは、測り知れません。

私は2012年に、おそらく日本で初めて、断薬・減薬を手助けする「薬やめる科」を開設しました。
それ以前から現代医療に疑問を感じ、漢方薬や代替療法(西洋医学以外のさまざまな治療法)を導入するようになりました。

「薬やめる科」には、複数の降圧剤を飲んでいて、それらを減らしたいと希望して訪れる患者さんが少なくありません。

年を取って血圧が上がるのは当然

2008年に高血圧の基準値が下げられ、高血圧の患者さんが急増しました。
年齢に関係なく、最大血圧140mmHg以上、最小血圧90mmHg以上になると、高血圧と診断されます。

しかし血圧は、加齢とともに自然に上がっていきます。
年を取ったら、むしろ血圧が高いほうが元気なのです。

心臓より上にある脳に血液を送るには、圧力が必要です。
年を取ると血管はかたくなりますから、若いころより強い圧力がないと、体の各所へ血液を送れません。

年を取って血圧が上がるのは、当然のことなのです。
ある大学の調査では、沖縄の100歳以上の長寿者で、畑仕事をしている人の最大血圧は、大半が200mmHgを超えていました。

それほど血圧が高くなければ、元気に畑仕事はできないのです。
1960年代までは、「年齢+90」が適正血圧でした。

私もその数値を目安にしています。
20~30代で最大血圧が170mmHgあったら一時的に降圧剤の処方も考えます。

しかし、80歳なら170mmHgでも薬を飲む必要はありません。
血圧を調整しているのは、自律神経です。

自律神経は、その人の血圧を最適な状態に調整していますから、基本は自然に任せていればいいのです。

カルシウム拮抗薬の危険性

危険な副作用を持つ降圧剤もあります。
例えば、2016年1月、カルシウム拮抗薬(商品名=アムロジンなど)を投与した2名が、劇症肝炎(8週以内に意識障害が現れる重症肝炎)を起こして死亡したと、厚生労働省が発表しています。

カルシウム拮抗薬は、確かに素早く血圧を下げます。
しかし、カルシウムイオンを細胞に取り込むという重要な働きをじゃまするので、肝臓や腎臓、全身の細胞に負担をかけます。

そのため、ガンの発症リスクが高くなる可能性もあります。
降圧剤には、そのほかに肝障害、黄疸、頭痛、めまい、ふらつき、動悸、心不全、むくみ、貧血、歯茎の腫れなど、さまざまな副作用があります。

個々の薬の副作用は、ある程度研究されており、薬の添付文書にも記載されています。
しかし、複数の薬を飲んでいると、それぞれの薬の成分が影響し合い、思わぬ副作用を起こす危険性があります。

薬の飲み合わせは2種類までならわかりますが、3種類以上になると、まず研究されていません。
つまり、どんな副作用が現れるのか、医師にも見当がつかないのです。

複数の降圧剤を飲んでいる影響で、めまいや貧血、動悸などの症状が現れても、医師が薬の副作用だと気づかなければ、新たな薬が追加されます。

降圧剤をやめた日から徘徊がなくなった!

最近、80代の祖母の様子がおかしいと、30代の男性から、相談を受けました。

降圧剤が2種類に増えてからぼんやりすることが多く、夜中に徘徊するようになったというのです。
この女性は、降圧剤のARBとカルシウム拮抗薬など、数種類の薬を飲んでいて、最大血圧が120mmHgでした。

これでは血圧が低過ぎて、脳への血流が悪いと考えられます。
そこで、まずカルシウム拮抗薬をやめたところ、その日から、ぼんやりすることや徘徊がなくなったそうです。

最終的には全部の薬をやめ、現在、最大血圧は150mmHg前後で安定しています。
このように、薬をやめれば多くの副作用は治まるのです。
それがわからず、徘徊するからと認知症の薬まで処方されていたら、大変なことになっていたでしょう。


薬をやめる場合、全部を一度にやめるのではなく、少しずつ減らします。
まず、薬の量を半分に減らして2週間様子を見て、大丈夫なら、また半量減らして2週間様子を見るというぐあいです。
これをくり返して、最終的に薬を完全にやめます。

当院では、減薬が不安という人には、古くから使われ、副作用がほぼわかっている利尿薬やβ遮断薬、ACE阻害薬などを残し、漢方薬を処方します。
降圧剤をやめる際に大事なことは、食事の改善や適度な運動、ストレスの緩和など、いくつかあります。

特に、ストレスは血圧が上がる原因になります。
血圧が少々高いからと、不安になることはありません。

血圧は必要だから上がっていると思い、何事にも「ありがとう」という感謝の気持ちを持ちましょう。
そうすると、心も落ち着いて、ストレスは消えていきます。

解説者のプロフィール

松田 史彦
1987年、聖マリアンナ医科大学卒業。同年、熊本大学麻酔科入局。東京女子医科大学附属東洋医学研究所勤務などを経て、2000年から松田医院(現松田医院和漢堂)勤務。12年に「薬やめる科」を開設し、統合医療を駆使した断薬・減薬指導を行う。

●松田医院和漢堂
熊本県熊本市南区城南町藤山360-2
[TEL]0964-28-3331
http://www.matsudaclinic.com/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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