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【酢・キャベツ・納豆】で腸内フローラを改善

【酢・キャベツ・納豆】で腸内フローラを改善

「腸漏れ」はリーキーガット症候群と呼ばれ、今注目を集めています。腸漏れ症候群が様々な不定愁訴を誘発すると考えられているからです。これを防ぐには、腸内フローラを整える食事が必要です。何を食べれば良いか。それは、伝統的な和食とお酢の組み合わせです。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)

ヤセ菌の好物をとれば腸内フローラが改善!

「腸もれ」は、欧米では、「リーキーガットシンドローム」と呼ばれて、大きな注目を集めています。「リーキー」は「もれる」、「ガット」は「腸」、「シンドローム」は「症候群」ですから、文字どおりの直訳になります。

 多くの研究者が注目するというのも、腸もれがアレルギー疾患だけではなく、さまざまな体の不調を誘発すると考えられるようになったためです。

 腸にできた穴から異物が吸収され、その異物が体内の各所で慢性的な炎症を引き起こします。それが、原因不明の不定愁訴や、糖尿病や動脈硬化、ガン、うつ、認知症などと、密接に関係しているとされています。

 では、腸もれを予防・改善するために、どのようなことをすればよいのでしょうか。

 腸もれの大きな原因の一つが、腸内フローラの悪化です。腸内フローラが悪化し、悪玉菌が優勢になると、腸管のバリア機能が低下し、穴が開きやすくなるからです。

 腸内フローラの状態を決める際に重要な役割を果たしているのが、二つの日和見菌です。その一つが宿主を太らせる「フィルミクテス門(デブ菌)」、もう一つが宿主をやせさせる「バクテロイデス門(ヤセ菌)」です。

 デブ菌が増えれば、腸内フローラは悪玉菌優勢に傾き、ヤセ菌が増えれば、善玉菌優勢になります。実際、肥満者に腸もれの多いこともわかっています。

 腸内フローラの状態をよくするには、デブ菌を減らし、ヤセ菌を増やす必要があります。デブ菌は、低食物繊維・高脂肪・高糖質の食品が大好物です。一方、ヤセ菌は、高食物繊維・低脂肪・低糖質の食品が大好きです。

 つまり、ヤセ菌の好む食品をとると、腸内フローラを改善することができるのです。

短鎖脂肪酸の酪酸が腸粘膜を修復する

 私の知人に、ひどいアトピー性皮膚炎に苦しむ3人の小学生の子供たちのために文明を捨てた人がいます。彼は東京都内のあるお寺の住職でしたが、一念発起し、家族全員で鹿児島県の屋久島に移住。自然ガイドの仕事をしながら、自給自足の生活を始めました。

 すると、10ヵ月後に、子供たちは、ツルツルとしたキレイな肌に改善しました。自給自足ですから、お米や穀類、豆類、イモ類、野菜、果物など、高食物繊維・低脂肪・低糖質の食事が中心です。腸もれの原因物質である添加物や保存料の入った加工食品とも無縁ですから、腸内フローラが大きく改善し、アトピーもたちまちよくなったのでしょう。

 アメリカには、文明を避けて、昔ながらの生活をするアーミッシュと呼ばれる人たちがいます。彼らも、自給自足で、加工食品を口にしません。彼らにはアレルギーが少なく、アレルギーの抑制作用を持つ制御性T細胞が、通常より35%も多いことがわかっています。

 アーミッシュのように極端でなくてもかまいません。伝統的な和食は、玄米ご飯にみそ汁、納豆、豆や野菜のおかず、漬物などが基本ですが、これも高食物繊維・低脂肪・低糖質で、腸内フローラ改善のためには格好です。加えて適量の肉や魚をとって栄養バランスを整えれば、それこそが、腸も体も元気にしてくれる食事といえるでしょう。

 ちなみに、腸内フローラが悪玉菌優勢になると、ゾヌリンというたんぱく質が腸内に増えます。このゾヌリンが、細胞間の接合を緩め、腸に穴を開けやすくするとされています。

 逆に、腸内フローラが善玉菌優位になると、短鎖脂肪酸がたくさん作り出されるようになります。この短鎖脂肪酸がとてもよい働きをしてくれるのです。

 短鎖脂肪酸の一種である酪酸は、腸壁のバリアを強くして、腸粘膜を修復してくれます。また、制御性T細胞に働きかけ、アレルギーによるつらい症状を和らげてくれます。

 さらに、短鎖脂肪酸には抗炎症作用があります。糖尿病や脳卒中など、すべての現代病の根底には、私たちの体の各所で生じている慢性炎症があります。その慢性炎症をも、短鎖脂肪酸が抑えてくれるのです。

 短鎖脂肪酸を増やすには、どうしたらいいでしょうか。
 短鎖脂肪酸は酸性の成分です。腸内が弱酸性に保たれていると、善玉菌が増え、短鎖脂肪酸の生成量も増えてきます。ですから、定番の和食はもちろんですが、例えば、「食物繊維+酢」といった組み合わせもお勧めです。

 酢に含まれる酢酸は短鎖脂肪酸の一種で、酢が腸の酸性度を上げて、善玉菌の活動力をアップしてくれます。

 私は毎日、どんぶり一杯分のせん切りキャベツに、大さじ1杯(15ml)の酢をかけて食べています。キャベツは、善玉菌を増やす食物繊維が豊富で、活性酸素(病気や老化の元凶物質)を消去する働きが強いことがわかっています。おかげで、私の腸の状態はよく、体調も悪くありません。

 こうして体にいい物を毎日少しずつでもとり続けることは、腸内フローラを改善するうえでも、とても大切です。

腸内フローラをよくする食事

ヤセ菌、善玉菌を増やす食品❶

高食物繊維+低脂肪+低糖質

【お勧め】…伝統的な和食
玄米ご飯、みそ汁、納豆、豆や野菜のおかず、漬物など

ヤセ菌、善玉菌を増やす食品❷

食物繊維+酢

【お勧め】…酢キャベツ
食物繊維の多いキャベツやニンジン、タマネギなどを細かく切り、酢を適量かけて食べる。
あるいは、これらの野菜を酢に1~2日漬けてからとるとよい。

解説者のプロフィール

藤田紘一郎
東京大学医学系大学院修了。東京医科歯科大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。2000年、ヒトATLウイルス伝染などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。著書に『隠れ病は「腸もれ」を疑え!』(ワニブックス)など多数。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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