トイレに30分こもってもやっと少し出るだけ!
年齢とともに腸の働きが悪くなってきたようで、私はここ数年、便秘に悩んでいました。
お通じは2日に1回はあるものの、トイレに入っても便意は起こりません。便秘に効くというツボを押したり、ポーズを取ったりして、気がつくと20〜30分も経っている始末。その末にやっと少し出る、という感じでした。そのため、いつもおなかが重苦しくて、不快だったのです。
便秘薬は以前試しましたが、激しい腹痛と同時に便意が起こったものの、便はなかなか出ず、やっと出たと思ったらひどい下痢でした。しかも、翌日以降はまた便秘するのです。
そこで、薬に頼らず、食事で便秘を治そうと思いました。
生野菜を努めて食べるほか、細切りの寒天やオリーブオイルをみそ汁に入れたり、おからの粉末を料理に使ったり。さらには、乳酸菌のサプリメントも飲みました。それでも、お通じは改善しなかったのです。
そんなときに、あるテレビ番組で「便秘の改善に効果抜群」と紹介されていたのが、切り干しダイコンでした。
切り干しダイコンは以前から、煮物にしてたまに食べていました。でも、調理がめんどうで、さほどおいしくない、というイメージでした。
ところが、その番組では、水で戻すだけで、加熱しない調理法を紹介していました。早速作ってみると、漬物のようにさっぱりとして、おいしかったのです。それからは、毎日食卓に上げるようになりました。今から2年ほど前のことです。
最初のうちは、1日に3回、必ず切り干しダイコンを食べました。
食事の前に、切り干しダイコンをひとつまみ水で戻しておくと、小皿1杯分くらいの量になります。それを、オリーブオイル、しょうゆ、酢で和えて食べます。せん切りのキュウリやニンジン、薄切りのタマネギを加えることもよくありました。
そのほか、生野菜のサラダには、戻した切り干しダイコンをみじん切りにしてトッピングします。歯ごたえがアクセントになり、サラダがおいしくなるのです。これは、家族にも大好評です。
もちろん、普通に煮ることもあります。その際には、戻し汁も煮汁に加えます。
少しもいきまずスルスルーッと出た!
こうして切り干しダイコンを食べるようになって、3日めくらいだったでしょうか。お通じに変化が現れました。
トイレに入って5分もせず、便が出るようになったのです。少しもいきまず、スルスルーッと出たので、拍子抜けするほどでした。それ以来、毎日同じようにお通じがあります。昔の苦労が、うそのようです。
便の質や量も、明らかに変わりました。以前は、黒いコロコロの便が少し出るだけでした。今は、理想的な茶色のバナナ便が、大量にスルリと出ます。
毎日快便になってからは、1日3回食べていた切り干しダイコンを、1日1回にしました。それでも、毎日お通じがあります。最近では、切り干しダイコンを食べない日もありますが、便秘にはなりません。
ずっと重苦しかった下腹部が、今はいつもスッキリしています。切り干しダイコンを食べ始めてから、体重が2㎏ほど減ったせいか、体も軽く感じます。
便秘だったときは、おなかだけでなく気分まで重く、何をするにもやる気が起こりませんでした。でも、便秘が解消してからは、気持ちが明るくなりました。
私の実家は農業を営んでおり、ダイコンも作っています。毎年冬に、母が自家製の切り干しダイコンを送ってくれるのです。これからも母の切り干しダイコンを食べ、腸の健康を保っていきたいと思います。
便のかさを増し腸を刺激して便秘解消(みうらクリニック院長 三浦直樹)
切り干しダイコンは、生のダイコンに比べ、食物繊維は16倍にもなります。その大部分は不溶性食物繊維で、胃や腸で水分を吸収し、大きくふくらみます。便のかさを増し、腸を刺激して便通を促します。
ただし、不溶性食物繊維は、とり過ぎると逆に便秘になることもあります。便通の様子を見ながら量を調整し、食べるときは水分を多めにとりましょう。

「いつもスッキリ」と中田さん