病院の便秘薬を飲んでも出ない日が何日も続いた
私は10年くらい前から、便秘薬を飲んでいます。
当時、高血圧と高血糖で受診していた病院の医師に「これ、いいよ」と、便秘薬を勧められました。私は、特に便秘症というわけではなく、「たまに出ない」程度でしたが、「先生が勧めてくれるなら」と、便秘薬を飲み始めたのです。
最初の数年間は、毎日確実にお通じがありました。ただし、軟便で、自力で自然に出すわけではないので、気持ちのよい出方ではありません。それでも飲み続けたのは、「薬をやめたら出なくなるかもしれない」と思ったからです。
5年ほど経ったころ、「あれ? 今日は出なかった」という日が増えてきました。そして、今から3〜4年前からは、何日も出ない日が続くようになり、完全な便秘症になりました。病院の便秘薬を飲んでいるにもかかわらず、です。
3〜4日便秘が続くと、おなかが張って食欲も落ちます。内臓全体がスッキリしないので、気分もよくありません。やっとお通じがついても、スッキリ出切らない感じで、残便感がありました。
便秘薬のほかにも何か方法はないか、と思っていたところ、偶然目にした週刊誌に「便秘に効く体操」というのが載っていました。すぐにできそうだったので、早速始めました。
体操といっても、全身運動ではなく、手足をもみほぐしたあと、足首を回すだけです。
便秘に効く「足首回し」のやり方

❷手の薬指を、先から根もとへ1分もむ。

❸手のひらの中心を1分もむ。
*①~③を左右の手に行う。

❹足の裏の拇趾のつけ根を1分、土踏まずを1分もむ。

❺ふくらはぎを下から上へ1分もむ。

❻すねの内側を上から下へ1分もむ。

❼足の指の間に手の指を挟み込んで持ち、足首を回す。右回り10回、左回りを10回、これを1セットとして10セット行う。
*④~⑦を左右の足に行う。
まず、手の指をもみます。中指を先から根もとに向けて、1分ほどくり返しもみます。薬指も同じようにしたら、手のひらの中心をもみほぐします。これも1分ほどです。左右の手を同じようにもみます。
次に足です。足の裏の拇趾(親指)のつけ根の下にあるふくらみを、1分ほどもみます。そのあとに、土踏まずを1分間もみほぐします。そして、ふくらはぎを下から上に1分ほど、くり返しもみ上げ、すねの内側を上から下に1分ほどもみます。
最後に、足の指の間に反対側の手の指を挟み込んで持ち、足首を回します。右回りを10回、左回りを10回、これを1セットとして10セット行うので、合計200回、回します。左右の足に行います。
これを、毎日3回実行しています。朝は起き抜けに、夜は寝る前に、布団の上でやっています。昼は、食事の前にテレビを見ながらやります。
82歳で足取り軽快! 歩くスピードがアップ!

1ヵ月ほど続けたころでしょうか、便が気持ちよく出るようになりました。おなかの中の物がすっかり出切った感じで、すがすがしい気分です。
また、この足首回しをするようになってから、足の動きがよくなりました。私はほぼ毎日、30分ほど散歩に出かけますが、足取りは軽快です。実際、歩くスピードが上がっています。足をもんだり、足首を回したりすることで、この年になっても気持ちよく歩けます。
私くらいの年齢になると、健康に気を遣うのは当然ですが、より元気に過ごすために、体のためになることを積極的に実践しようと思っています。
「薬害」という言葉もあるくらいですから、これ以上、薬のお世話になりたくありません。むしろ、薬は減らしたいくらいです。そのためにも、足首回しをはじめ、自分の体に合うことは、続けていくつもりです。
副交感神経が優位になり消化器が動きだした(みらいクリニック院長 今井一彰)
足の裏には、体の各器官や臓器が投影されています。土踏まずは腸に当たり、もみほぐすことで便通がよくなります。
また、握足手(足と手を握手するように組むこと)の状態で足首を回すと、末梢の血液循環がよくなります。
その結果、全身の血流が改善し、臓器や血管を調整する自律神経のうち、消化器を活動的にする副交感神経が優位になります。便秘が改善したのは、そのためでしょう。
❶手の中指を、先から根もとへ1分もむ。