腸内にカビが増えガスがたまるうえ脳にも悪影響
日本では、薬が乱用され過ぎています。
医療費が健康保険でまかなわれるため、医師も患者も薬に頼り過ぎているのです。
その最たるものが、抗生物質です。
抗生物質ができたおかげで、結核や細菌由来の感染症による死亡者は激減しました。
しかし、こうしたメリットのほかに、抗生物質には多くのリスクがあることも知っておかなくてはなりません。
そもそも、抗生物質は細菌を殺す薬です。
感染症の原因となる細菌だけでなく、腸内にいる善玉菌まで、すべての細菌をいったん死滅させてしまいます。
その一方で、抗生物質が効かないカビやウイルスは生き残るため、腸内環境のバランスがくずれてしまうのです。
腸内環境のバランスがくずれると、栄養の吸収障害や、腸粘膜から有害物質が漏れ出るリーキーガット症候群などが起こります。
そうなると、全身のいたるところで炎症が生じます。
そのため、感染症やアレルギー性疾患、自己免疫疾患が発生しやすくなるのです。
抗生物質の影響で、腸内でカビが増えると、ガスがたまりやすくなったり、血糖値が下がったりします。
また、カビがアルコールに似た物質を出すことによって、多くの不調が現れ、脳にも悪影響を及ぼします。
実際、自閉症や発達障害の子供は、腸内環境をよくすることで、症状の改善が見られるケースが多いのです。
朝起きられない、コーヒーや甘い物をとらないと仕事ができないという人も、腸の中にカビが増えて、副腎機能不全を起こしている可能性があります。
加えて、すべての薬は腎臓や肝臓を通って代謝されるので、腎障害や肝障害を引き起こします。
なかでも、抗生物質は、鎮痛解熱剤、抗ガン剤に次いで、薬剤性の腎障害を起こす確率が高いことがわかっています。
だからといって、抗生物質は絶対に使用してはいけないといっているのではありません。
結核、肺炎、化膿性扁桃炎など、明らかに細菌感染が原因で起こる重篤な症状には、使う必要があります。
この場合、抗生物質には肝障害、腎障害、ショック、血球系の障害、湿疹、アレルギーなど多岐にわたる副作用もあるので、リスク管理を行いながら使うことが大前提です。
つまり、注意が必要なのは、抗生物質の使い方なのです。
お腹のカビについてはコチラでも説明しています。
抗生物質が腸内環境を悪化!

慢性的に使うと耐性菌ができて効かなくなる!
第1の問題は、慢性的に使うことです。
例えば、ニキビや中耳炎、膀胱炎の治療には、たびたび抗生物質が使われます。
頻繁に使っていると、「耐性菌」ができて、効かなくなります。
すると、より強力な抗生物質が必要となり、体にはさらに悪影響が及びます。
抗生物質にはさまざまな種類がありますが、いざというときに、効く抗生物質がないという状況を招きかねません。
第2の問題は、ピロリ菌除去に代表される大量投与です。
抗生物質を大量に使うことは、当然、前述したような体へのダメージが大きくなります。
胃ガンの原因とされるピロリ菌を除去できたとしても、腸内環境が悪くなれば、未消化物が増えて、ほかの病気になるリスクは高まるでしょう。
第3の問題は、意味のない使い方をすることです。
カゼをひいて病院へ行くと、多くの場合、総合感冒薬と抗生物質がセットで出されます。
しかし、抗生物質は細菌を殺すものなので、カゼのウイルスには効きません。
飲んでも意味がないばかりか、腸内環境を荒らして、かえって体に悪影響を及ぼすのです。
なお、セキや鼻水、熱など、複数の症状に対する薬が一つになった総合感冒薬も、気をつけたほうがよいでしょう。
例えば、セキの症状しかないのに、鼻水を抑える薬や熱を下げる薬など、必要のない薬剤まで飲むことになり、体への害は大きくなるばかりです。
では、抗生物質の誤った使い方から身を守るために、私たちはどうすればよいのでしょう。
まず、安易に抗生物質を飲まないことです。
カゼなどの場合は、処方された薬がほんとうに必要かどうか、医師に確認したほうがよいでしょう。
どうしても抗生物質を飲まなければならない場合は、発酵食品(納豆、みそ汁、ぬか漬けなど)や、乳酸菌のサプリメントなどを、必ず同時にとってください。
環境が一度くずれた腸内で善玉菌を増やすには、抗生物質をやめたあとも、しばらくとり続けることをお勧めします。
そして何よりも、ふだんから細菌感染しにくい体にしておくことです。
梅干しを食べる、白湯に天然塩を入れて飲むなど、ミネラルの多い食品を意識してとりましょう。
カビが好む炭水化物(パンやパスタなど)は腸内環境を悪化させやすいので、とり過ぎないよう注意します。
抗菌作用のある唾液をしっかり出すために、ゆったりとした気持ちで、よく噛んで食べることも大切です。
抗生物質を飲む際の注意点
