MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【めまいの専門医】メニエール病と似た症状「良性発作性頭位めまい症」とは ― 9割が治る簡単な治し方

【めまいの専門医】メニエール病と似た症状「良性発作性頭位めまい症」とは ― 9割が治る簡単な治し方

メニエール病は、治りにくい原因不明の病気です。難聴、耳鳴り、耳閉感などの症状があり、さらに、めまいの発作が反復して起こっていると、たいていの耳鼻科では、メニエール病と診断します。しかし、それは誤診です。メニエール病に似た症状を持つめまいの病気があるのです。【解説】高橋正紘(めまいメニエール病センター院長)

必要のない薬を飲んでいる例がある!

めまいに苦しむ患者さんを専門に治療するために、私が「めまいメニエール病センター」を開設したのは、2006年のことです。
以来、複数の病院を受診しても、めまいが改善しない患者さんが、たくさん来られるようになりました。

めまいについての悩みを抱えるかたに対して、私は「速歩き」をお勧めして、大きな改善効果を得ています。
その理由についてお話しする前に、「メニエール病」についてふれておきましょう。

実は、ほかの医療機関でメニエール病と診断され、私のところへ来られる患者さんの大半は、メニエール病ではありません。
メニエール病は、治りにくい原因不明の病気です。

難聴、耳鳴り、耳閉感などの症状があり、さらに、めまいの発作が反復して起こっていると、たいていの耳鼻科では、メニエール病と診断します。
しかし、それは誤診です。

メニエール病に似た症状を持つ、めまいの病気があるのです。
それが、「良性発作性頭位めまい症」です。

良性発作性頭位めまい症とは、その名のとおり、頭の姿勢が変化すると発作的にめまいが起こる、良性のめまいの病気です。

この病気の患者さんの約半数は、難聴、耳鳴り、耳閉感などの聴覚症状を伴います。
しかし、この病気に、聴覚の症状を伴うケースが多くあることは、耳鼻科の医師にはほとんど知られていません。

このため、めまいに加えて耳鳴りなどがあると、ほんとうは良性発作性頭位めまい症であるのに、メニエール病と誤診してしまうのです。
この誤診の結果、深刻な問題が生じます。良性発作性頭位めまい症は、生活習慣によって起こる病気で、薬では治りません。

実際は、良性発作性頭位めまい症であるにもかかわらず、メニエール病と誤診されてしまうと、メニエール病の治療薬やステロイド剤が投与されます。
これで、めまいがよくなるはずはありません。

そのうえ、飲む必要のない薬を飲んでいるのですから、体にもよくないのです。

ある程度の速さでリズミカルに歩こう!

現代では、多くのかたが運動不足です。
しかも、1日じゅうデスクワークでパソコンに向かい、通勤時や自宅でもスマホ三昧。

こうした生活を続けている人が、次々とこの病気にかかっているのです。
ただ、良性発作性頭位めまい症は、生活習慣を改めれば、比較的容易に改善・治癒します。

その生活改善の手段の一つとしてお勧めしているのが、「速歩き」なのです。
私は、患者さんに朝と夕方、30分ずつの速歩きを勧めています。

人間の耳の前庭器という部位には、耳石器というセンサーがあって、体のバランスをつかさどっています。
このセンサーである有毛細胞の上には、炭酸カルシウムの小さな結晶が敷き詰められています。

これが白い石のように見えるので、耳石と呼ばれます。
古くなった耳石は、有毛細胞から離れ、器官内を浮遊します。

通常は、この浮遊した耳石片は、耳の掃除細胞に回収されます。
しかし、例えば、低い枕で寝ていると、この浮遊した耳石が、隣り合う半規管に入り込んでしまいます。

それが多くたまると、体を起こしたときなどに、たまった耳石が動き、めまいを引き起こすのです。
そこで、速歩きなどの運動をすれば、器官内が上下によく撹拌されます。
その結果、掃除細胞から浮遊した耳石が回収されやすくなり、それがめまいの改善をもたらすのです。

撹拌効果を上げるためにも、ある程度の速さで、リズミカルに歩くほうがいいでしょう。
めまいで来院したかたに、速歩きなどの生活改善を実践してもらったところ、9割以上の人が、1ヵ月以内に症状が解消しています。

こうしたデータからも、速歩きが非常に有効であることがわかります。
また、メニエール病と誤診されてやってきたかたでも、多くの場合、ほんとうは良性発作性頭位めまい症なのですから、速歩きを実行すれば、改善効果が期待できるでしょう。

速歩き以外では、「少し高い枕に替える」「寝る前にパソコン、スマホをしない」「デスクワークの合間に軽くジャンプや体操をする」などをお勧めしています。

あなたが長年苦しんできためまいは、意外に簡単な方法で治るのです。

良性発作性頭位めまい症は、生活習慣によって引き起こされます。

しかも、近年、良性発作性頭位めまい症は、大幅にふえているようです。

私の9年半の統計では、7751名のめまいの患者さんのうち、良性発作性頭位めまい症のかたは、なんと約74%を占めていました。

これは、私のクリニックに限った話ではありません。
大学病院や総合病院でも、めまいの患者さんのおよそ半数が、良性発作性頭位めまい症と報告されています。

良性発作性頭位めまい症は、かつては、高齢者の病気とされてきました。
ところが現在では、若い人にも激増し、中高年や高齢者がまんべんなくこの病気にかかっています。
激増した原因はハッキリしています。

良性発作性頭位めまい症は、「運動をしない」「同じ姿勢で眠る」「低い枕を使う」「デスクワークや前屈姿勢が多い」といった生活習慣によって引き起こされます。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
手足の爪の生え際を手の指でもむだけの簡単な療法ですが、自律神経のバランスを整えるのに優れた効果があります。耳鳴り、メニエール病のめまい、頻尿の改善など、さまざまな効果が現れます。【解説】永野剛造(永野医院院長・日本自律神経免疫治療研究会会長)
更新: 2019-04-15 18:00:00
手のひらを押し始めてすぐに腰の痛みがやわらぎ、この数年は治療を受けることもなくなりました。以前はめまいが起こる前に「めまいが来るな」という前兆があったのですが、今はそれすらなくなりました。50歳前後の頃より、58歳になった今のほうがよいくらいではありませんか。【体験談】新田博子(仮名・会社員・58歳)
更新: 2019-02-14 18:00:00
担当医師の話によれば、めまいや頭痛といったメニエール病の症状も、甲状腺の機能異常と無縁ではないだろうということでした。たぶん、梅干しを食べ始めて半年くらい経ったころには、長年にわたって苦しめられてきためまいが、全く起こらなくなっていたと思います。吐き気や頭痛に襲われることも減りました。【体験談】堤聖子(自営業・64歳)
更新: 2018-12-20 18:00:00
病院での検査の結果、メニエール病と診断され、難聴になっていることもわかりました。めまいは、処方してもらった薬を飲んだら、なんとか治まりました。耳鳴りはその後も続きました。いちばん気になるのは、朝起きたときです。いつも耳の中で、キーンという音がしていました。【体験談】岩佐優(料理店経営・66歳)
更新: 2018-12-14 18:00:00
オクラ水を飲み始めて、1ヵ月ぐらい経ったころでしょうか。「あれ? 最近めまいが起こる頻度が減ってきたな」と気づきました。3ヵ月経った頃には、ほとんどといっていいほど、めまいが起こらなくなったのです。そういえば、以前より眠気を感じることがなくなり、ゴロゴロしている時間も減りました。【体験談】飯田大樹(大学院生・23歳)
更新: 2018-12-03 18:00:00
最新記事
ストレスに強くなり、うつを防ぎ・治す食事とは、特別なものがあるわけではありません。あたりまえのことですが、栄養バランスのよい食事を1日3食きちんと食べることです。ただし、いくつかのポイントがあるのも事実です。【解説】功刀浩(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
更新: 2019-04-24 18:00:00
βグルカンの精製をさらに進めたところ、それまでとはまったく別の物質を発見しました。これが「MXフラクション」で、今のところマイタケからしか発見されていない成分です。【解説】難波宏彰(神戸薬科大学名誉教授・鹿児島大学大学院医歯学総合研究科客員教授)
更新: 2019-04-23 18:00:00
骨盤底筋を鍛えるための体操は、現在多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけなど、わかりずらく続けにくい場合がほとんどです。そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った「骨盤タオル体操」です。【解説】成島雅博(名鉄病院泌尿器科部長)
更新: 2019-04-22 18:00:00
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2019-04-21 18:00:00
現代人は遠くをあまり見なくなったせいで眼筋と呼ばれる目の筋肉が衰えています。食生活も乱れがちなので目の周りの血行もよくありません。これらが目の諸症状を引き起こすのです。一度身についた生活習慣を変えることは容易ではありません。そこでお勧めなのが目のエクササイズです。【解説】福辻鋭記(アスカ鍼灸治療院院長)
更新: 2019-04-20 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt