視力が一時的に回復した実験データがある!
私たち現代人は、今や、パソコン、携帯電話、テレビなどの画面を凝視しない日はありません。
ついつい目を酷使しがちになり、眼精疲労を引き起こしやすくなります。
そして、目が疲れると、目の奥が痛くなり、ものがぼやけて見えるようになりがちです。
これはどうしてなのでしょうか。
私たちがものを見るときには、毛様体筋という筋肉が、目のレンズといわれる水晶体の厚さを調節し、ピントを合わせています。
しかし、目を酷使すると、血流が悪化して、毛様体筋がこり、ピント合わせの機能が衰えます。
そうして、一時的な視力の低下が起こるのです。
そんな眼精疲労には、目を冷やすのではなく、温めることが有効です。
そこで、私が勧めているのが、目に温かいシャワーを当てるという方法です。
実際、目に温かいシャワーを当てると、目の疲労回復につながり、視力が一時的に回復したという実験データもあります。
これは、目を温めることで血流がよくなり、衰えていた毛様体筋の機能が回復し、目のピント合わせの調整力が高まったからです。
そして、目に温かいシャワーを当てることは、仮性近視の改善にも役立つでしょう。
仮性近視とは、例えばパソコンや携帯電話などの画面を、至近距離で長時間見続けることで目が疲れ、一時的に近視になる症状を指します。
この仮性近視も、目の周辺の血流が改善すれば、ピント合わせの調整力が回復し、治りやすくなるのです。
目にシャワーを当てるのは、入浴時に湯ぶねの中で行うのがお勧めです。
もちろん、湯ぶねの外で行ってもかまいませんが、湯ぶねの中で実行すれば、節水につながります。
また、40度くらいのぬるめのお湯にゆったりと体を沈めて、リラックスした状態で行うと、なおよいでしょう。
全身の血行を促進させれば、目にもよい影響を及ぼします。
シャワーの当て方ですが、片目ずつ交互に当てていき、トータルで5分くらい行います。
お湯の温度は40度くらいが適当ですが、熱いと感じたら、少し下げてもかまいません。
そして、強い水圧は、かえって目の状態を悪化させる可能性があります。
目は、非常にデリケートな器官です。シャワーは、弱く当てるように、くれぐれも注意してください。
目に温かいシャワーを当てた後、眼の縁マッサージを行う

視神経周辺の血流がよくなり緑内障を防ぐ
目に温かいシャワーを当てることは、目の老化防止にも効果的です。
私たちの体は少しずつ老化していきますが、その大きな原因は、血流の悪化にあります。
目も例にもれず、血流が悪くなると衰えやすくなるのです。
目の老化で起こる典型的な症状といえば、緑内障が挙げられます。
緑内障は、眼圧が上昇することで、視神経が圧迫され、視野が狭まっていく目の病気です。
ところが、治療で眼圧を下げても、視野の狭まりがどんどん進んでいく場合が見られます。
これは、視神経周辺の血流が悪くなることが原因です。
視神経の周りには、多くの毛細血管があり、視神経に栄養を届けています。
その血流が悪くなれば、視神経は衰えていき、緑内障が進行してしまうのです。
ですから、目に温かいシャワーを当てて、目の血流をよくしておけば、緑内障予防の効果が期待できます。
目の縁をマッサージするだけでドライアイが改善
その際、もう一つやっていただきたいのが、目の縁のマッサージです。
上下のまつげの生え際には、マイボーム腺という器官があります。
ここから油分が分泌され、目に油膜を作ることで、涙の蒸発を防ぐのです。
ところが、年を取るとマイボーム腺の機能が低下し、油分が分泌されにくくなり、涙が蒸発しやすくなります。
そのため、加齢によるドライアイが起こりやすくなるのです。
そこで、湯ぶねにつかって、目にシャワーを当てたあと、血行がよくなった状態でマッサージを行いましょう。
人差し指で目頭から目尻にかけて、上下のまぶたの縁を優しくなぞります。
両目を1~2分程度なぞればけっこうです。
こうすることで、腺に詰まっていた油が溶け出して目が潤い、ドライアイが改善します。
当然、目の血流もよくなるのです。マイボーム腺には、目ヤニやゴミが付着していることも多く、黒目を傷つける原因にもなりかねません。
このマッサージをすれば、そのようなゴミが取れます。
さらに、入浴中に行えば目も清潔に保てるので、一石二鳥です。
毎日の入浴タイムで目に温かいシャワーを当てて、目の縁をマッサージするだけで、目に関するさまざまな悩みが解消できます。
皆さんも、今日からぜひ実行してみてください。