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めまい、不眠、イライラ、不安はストレスと首のコリが原因かも?「小指シップ」で改善を

めまい、不眠、イライラ、不安はストレスと首のコリが原因かも?「小指シップ」で改善を

手の小指に湿布を貼る「小指シップ」は交感神経の緊張をゆるめ首すじのこりをほぐします。交感神経は副交感神経と対になって働き内臓や血管などの働きを調整しています。交感神経が緊張して自律神経のバランスがくずれるとさまざまな不調が出てきます。小指シップにはそれを抑える作用があるのです。【解説】安田譲(安田医院院長)

解説者のプロフィール

安田譲(やすだ・ゆずる)
安田医院院長・神経内科専門医。医学博士。小指シップをはじめ、自律神経を整えることで健康に役立てる診療、療法を得意としている。著書に『かんたん自律神経健康法』(PHP出版)、『シップかんたん自律神経健康法』(アマゾン電子出版)がある。

小指にシップをすると首の緊張がゆるむ

私は10年以上前に、手の小指にシップをはる「小指シップ」を考案し、それ以来、多くの患者さんに小指シップを試してもらい、その効果を検証してきました。

これまでに私が確認した、小指シップが効果を発揮した主な症状は、下記のとおりです。

小指シップの効果がこれほど多岐にわたるのは、小指シップが交感神経の緊張をゆるめ、首すじのこりをほぐすからです。

交感神経は、ご存じのように自律神経のうちの一つで、副交感神経と対になって働き、内臓や血管などの働きを調整しています。交感神経が緊張して自律神経のバランスがくずれると、さまざまな不調が出てきます。

小指シップには、それを抑える作用があるのです。

小指シップで交感神経の緊張が取れることは、科学的に証明されています。交感神経が緊張すると瞳孔が開き、緊張がゆるむと小さくなりますが、小指シップをすると、瞳孔が小さくなるのです。

また、小指シップをすると、明らかに首が細くなります。これは、交感神経の緊張がゆるんで、首の筋肉がほぐれるからです。小指シップの効果は、この二つの作用によってもたらされます。それを説明しましょう。

①交感神経の緊張がゆるむ

交感神経を緊張させるセンサーは、全身の筋肉と腱(筋肉と骨をつなぐ組織)の間にあります。なかでも重要なのが、小指の深指屈筋という筋肉にあるセンサーです。小指シップはこのセンサーの緊張を取って、交感神経の緊張をゆるめるのです。

交感神経は、一般に血管を収縮させると考えられていますが、実は拡張させる作用もあります。交感神経が緊張して血管が広がり過ぎると、細菌やアレルギーの原因物質であるアレルゲンが血管に入りやすくなり、アトピーや花粉症を引き起こします。

しかし、交感神経の緊張がゆるめば、顔の器官などの開き過ぎた血管が元に戻り、それらの症状が治まるのです。

また、交感神経の緊張がゆるめば、自律神経のバランスが整い、めまい、不眠、イライラ、不安、高血圧といった、自律神経失調に由来する症状が改善します。

うつなどの心の不調にも効果が期待できる

②首すじがゆるむ

交感神経の緊張がゆるむと、首すじの筋肉もほぐれます。首すじには、私がネック・ホムンクルス(首のこびと)と名付けた、顔の器官(目、鼻、口、耳)と1対1で対応するポイントがあります。首すじがゆるむと、ネック・ホムンクルスもほぐれて、首と対応する顔の症状が改善するのです。

たとえば、右の耳に耳鳴りがある人は、右耳の耳たぶの少し下の首すじがこっています。ここが耳に対応するポイントで、このこりがほぐれると、それに対応する耳鳴りの症状もよくなります。

また、首すじがゆるむと、筋肉の間を通っている神経の圧迫が取れるので、手のふるえやしびれといった神経性の症状が改善します。首のこりが原因で起こる頸性めまいにも、大きな効果が期待できるでしょう。

以上のことから、小指シップは、交感神経の過緊張によって起こる症状や、首から上の症状によく効きます。

交感神経は筋肉と深い関係があり、筋肉が硬くなると、交感神経も緊張します。

女性は、生理前や更年期になると怒りっぽくなったり、イライラしやすくなったりします。これは、背中から首すじの筋肉が硬くなって交感神経が緊張するためで、たいてい肩がこっています。

しかし、小指シップをすると、交感神経の緊張が取れて筋肉がほぐれるので、更年期の症状や肩こりも改善します。

最近、小指シップがうつ病や心身症にも効くことがわかってきました。小指シップには交感神経を安定させる作用があるため、心の病気にもよい影響を与えるのでしょう。

こうした効果をもたらすのは、シップの保湿剤として使われている、グリセリンの作用です。グリセリンが小指に浸透し、深指屈筋にあるセンサーの緊張をゆるめるのです。

小指シップは、基本的には両手の小指にはります。ただし、症状が片側にだけ出ているような場合は、症状のある側だけでもいいでしょう。シップをはる目安は6~8時間です。それ以上はっても害はありませんが、水仕事などでシップがふやけると、効果は薄れます。

使用するシップは、白いネバネバした薬剤のついている、冷感タイプのパップ剤です。

ただし、アスピリンぜんそくや、非ステロイド系の消炎鎮痛薬に過敏反応がある人は、パップ剤を使えません。その場合は、小さく切ったガーゼにグリセリンを浸し、シップと同じ場所にはって、ラップで巻いてください。

小指湿布のやり方

【用意するもの】
・市販のシップ(冷感タイプのパップ剤)
・固定用のテープ(紙バンソウコウなど、なんでも可)

【小指シップのやり方】
市販のシップを、7mm×7mmくらいの大きさに切る。

❶を、手の小指(手のひら側)の第1関節と第2関節の間にはる。

❷ではったシップの上から、テープで巻いて固定する。
両手の小指にはる。
はる時間の目安は6〜8時間程度。それ以上はっても問題はないが、シップがふやけると効果が薄れるので、適宜新しいものに替えるとよい。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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