MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【MCTオイルの効果】ダイエットやHbA1c改善にメリット 飲み方はコーヒーが良い

【MCTオイルの効果】ダイエットやHbA1c改善にメリット 飲み方はコーヒーが良い

「MCTオイル」が今、ダイエットや健康、医療の現場でも脚光を浴びているのです。「MCT」とは、中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglycerides)の頭文字のこと。中鎖脂肪酸は脂肪を構成する脂肪酸の一種で、ココナッツパームヤシ、牛乳、母乳などに含まれています【解説】宗田哲男(宗田マタニティクリニック院長)

中鎖脂肪酸「MCTオイル」とは

 テレビ番組で話題になり、最近はテレビCMでもその名を聞く「MCTオイル」。スーパーで手軽に入手できるこの油が今、ダイエットや健康、医療の現場でも脚光を浴びているのです。

 まず、MCTオイルとはなんなのでしょうか。「MCT」とは、中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglycerides)の頭文字のこと。中鎖脂肪酸は、脂肪を構成する脂肪酸の一種で、ココナッツやパームヤシ、牛乳、母乳などに含まれています。例えば、ココナッツオイルには、約60%の中鎖脂肪酸が含まれています。これに対し、天然の中鎖脂肪酸100%でできている油が、MCTオイルなのです。

 脂肪酸は炭素が連なる長さによって、長鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸などに分類されます。サラダ油やオリーブオイルなどの一般的な植物油は、主に長鎖脂肪酸でできています。長鎖脂肪酸は体内で肝臓や脂肪組織などに蓄えられて必要に応じて分解され、エネルギーとして消費されます。

 一方、MCTオイルの構成成分である中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて約半分の長さしかないため、非常に消化・吸収されやすいのが特徴です。長鎖脂肪酸の約4倍もの速さで分解されます。つまり、MCTオイルは、摂取するとすぐにエネルギーとして使われるので、体脂肪として蓄積されにくい油なのです。

摂取すれば、やせやすく太りにくい「ケトン体質」になる

 さらに、MCTオイルを取る大きなメリットは、やせやすく太りにくい「ケトン体質」になれることです。
 ケトン体質とは、「ケトン体」をメインのエネルギー源として利用できる体の状態をいいます。

 私たちの体には、生きるために必要なエネルギーを生産する2種類のエンジンが備わっています。1つは、糖質やタンパク質を分解してできるブドウ糖を燃料にする「糖質回路」。もう1つは、脂肪を分解してできるケトン体を燃料にする「ケトン体回路」です。

 体のエネルギーとして優先的に使われるのは、通常はブドウ糖です。そのため食事から糖質を取っていると、糖質回路がメインで働き、ケトン体回路は休んでいます。そして、ブドウ糖が枯渇すると、体内脂肪を燃料とするケトン体回路が働き始めるのです。

 ところが、MCTオイルを取ると、体内にブドウ糖がじゅうぶんある状態でも、ケトン体回路が活発に働くようになります。すると、体内に蓄積した脂肪が効率よく燃焼されるようになるのです。しかも、ケトン体は脳の満腹中枢を刺激するので、空腹感や食欲を抑える働きもあります。つまり、MCTオイルを取って、ケトン体質に転換することが、ダイエット成功の秘訣といえます。

15kg減量!ヘモグロビンA1cが 8・6%→5・2%に!

 私自身、ケトン体質になってダイエットに成功しました。

 私は9年前に糖尿病になり、糖質制限食を実践しています。糖質制限は、食事から摂取する糖質を減らすことにより、ケトン体回路を主力で働かせる食事法です。糖質を取らなければ血糖値も上がらないので、糖尿病の治療にも有効なわけです。

 私は、朝と昼はコーヒーだけを飲み、夕食は肉をたっぷり食べる食生活に変えました。途中で朝と昼のコーヒーには、MCTオイルを7g(スプーン2杯程度)入れるようになり、現在もそれを続けています。

 すると、半年で体重が84㎏から69㎏になり、15㎏の減量に成功。95・5cmあったウエストは88・1cmにサイズダウンしました。血糖状態を示すヘモグロビンA1cの数値も、8・6%から5・2%と、半年で基準値内に下がったのです。

 現在は、朝と昼はMCTオイルを入れたホットコーヒーのみですが、夜は肉を300〜400gくらい食べています。この食生活でダイエット後の体重をキープし、血糖値も正常化しています。「1日1食だとおなかが空きませんか?」と思われるかもしれませんが、空腹感や疲労感とは無縁で、1日じゅう元気に動けています。なぜならケトン体質になってケトン体回路を動かすようになれば、ブドウ糖をエネルギー源にするよりも、パワフルで長時間の活動ができるようになるからです。

 一般の人がMCTオイルをダイエットに活用する場合、1日に20〜40gを上限に、コーヒーなど飲み物に混ぜるか、サラダなどの料理にかけて取るとよいでしょう。

 MCTオイルはココナッツオイルと違い、熱に弱いため、フライパンで熱して使用する調理油の代わりには向きません。ですが、ホットコーヒーやスープなど、人が飲める程度の熱ならば耐えられます。

 糖質を減らすことでダイエット効果はさらに高まりますので、まずは朝食の代わりにMCTオイル入りのコーヒーを飲むことから始めてみてはいかがでしょうか。

コーヒーにMCTオイルを小さじ1~2杯入れるのが、お勧めの摂り方

解説者のプロフィール

宗田哲男(むねた・てつお)
宗田マタニティクリニック院長。
1947年、千葉県生まれ。65年、北海道大学理学部地質学鉱物学科入学。卒業後、地質調査などに従事したが、その後、医師を志し、73年、帝京大学医学部入学。小豆沢病院、立川相互病院勤務を経て、92年、千葉県市原市に宗田マタニティクリニックを開院。糖尿病妊娠、妊娠糖尿病の患者に対して糖質制限による治療を推進、絶大な効果を挙げている。近著『ケトン体でやせる!バターコーヒーダイエット』(河出書房新社)ほか、著書多数。
●宗田マタニティクリニック
http://muneta.org/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
こうして手のひらを押していたところ、なんと今年3月の人間ドックではヘモグロビンA1cが6.3%と正常値にまで低下したのです。これで安心したのですが、私の母にはもっと凄い効果が表れました。インスリン注射を1日1回に減らせました。注射は体に大きな負担があるらしく、これには母も大喜びでした【体験談】小池幸子(会社員・56歳)
更新: 2019-03-19 18:00:00
主人の血糖値ですが、酢タマネギを食べ始めてわずか2ヵ月ほどで100mg/dlまで下がりました。服薬を続けても下がらなかったのに、酢タマネギを食べ始めてすぐに改善したことには驚きました。血圧も下がり、以前は降圧剤を飲んで最大血圧が200mmHgだったのが、今は130mmHg程度です。【体験談】伊林好子(主婦・76歳)
更新: 2019-02-22 18:00:00
マグネシウムは体内では合成できないため、必ず食品から摂取しなければいけない「必須ミネラル」の1つです。現代の日本人の食生活は、カロリーは満たされていても、マグネシウムが足りない『新型栄養失調』状態にあるのです。その結果、糖尿病や脂質異常症、肥満をきたしやすくなるのです。【解説】横田邦信(東京慈恵会医科大学客員教授)
更新: 2018-12-31 18:00:00
認知症というと高齢者の病気、と考える人も多いでしょう。近年、認知症は「脳の糖尿病」で生活習慣の改善で予防できることがわかりました。認知症は20~30代の頃の生活習慣、特に食習慣の結果でもあります。ですから早めに対処することが認知症予防には欠かせません。【解説】熊谷賴佳(脳神経外科専門医・認知症サポート医・京浜病院院長)
更新: 2018-11-12 18:00:00
ゴーヤに含まれる苦み成分の一つであるチャランチンには、インスリンと似た働きがあります。また、同じく苦み成分であるモモルデシンにも、血糖降下作用があることがわかっています。さらに、ゴーヤには糖代謝を活性化するビタミンB1や、糖の吸収を遅らせる食物繊維も豊富に含まれています。【解説】下津浦康裕(下津浦内科医院院長)
更新: 2018-10-20 12:00:00
最新記事
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00
これまで、入院患者さん向けの、いわゆる「リハビリ体操」はありましたが、外来の患者さんが希望するような体操はありませんでした。そこで私たちは、血圧を上げる要因である、末梢の「血管抵抗」を減らす筋トレを考案することにしました。【解説】金子操(自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長・理学療法士)
更新: 2019-05-21 17:53:18
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの改善のために行われる従来の脊椎手術は体への負担が大きく、後遺症が生じることもあります。そうした中、後遺症をほとんど残さない、新たな手術法が注目されています。【解説】白石健(東京歯科大学市川総合病院整形外科教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-20 18:00:00
頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります。患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)
更新: 2019-05-19 18:00:00
慢性的なひざ痛の原因はさまざまですが、なかなか完治しにくい上、少し無理をすると痛みがぶり返すので、かなり厄介です。今回ご紹介する「ひざと足の裏の温冷・温温湿布」は、慢性的なひざ痛に対して、自宅で簡単に痛みを解消することができる方法です。【解説】岡田明三(神宮前鍼療所院長)
更新: 2019-05-18 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt