わずか3ヵ月でA1cの数値が正常化!
私は、40代半ばに糖質制限ダイエットに成功しました。
とはいえ、20代のころから体重が90kgくらいあり、ダイエットしてはまたリバウンドで太るパターンをくり返していました。
しかし、40代になってくると、さすがにこのメタボ体型ではダメだと考えるようになりました。
そこで、試したのが、以前から興味があった糖質制限ダイエットだったのです。
私の場合、「どうしてもやせるぞ!」と気合いを入れて始めたわけではありません。
なんとなく気軽に始めました。
しかし、その気負いのなさが、かえってよかったのかもしれません。
ダイエット中の1日のメニューは、朝は目玉焼き、せん切りキャベツに、納豆。
当時は会社員でしたから、昼食は、社員食堂でたいてい定食を頼みます。
ただ、ご飯だけは抜いてもらいました。
夜は、野菜やキノコに豚バラ肉の入った鍋、あるいはブロッコリーにチーズをかけて肉といっしょに焼いた物など、いずれにしても肉と魚と野菜中心のメニューです。
お酒は、ビールなどの醸造酒は控え、最初から、焼酎の水割りやウイスキーのハイボールなど、蒸留酒を飲むように心がけました。
昔から、私は、白米や麺類が大好きでした。
ですから、いっさい食べないというのは、やはり、ストレスがたまります。
そのため、1ヵ月に1日だけ、「爆発デー」と名づけた日を設けました。
その日だけは、糖質を好きなだけ食べていいことにしたのです。
この日に何を食べたいか、ふだんからよく考えておきます。
いざその日になると、朝は牛丼、昼はラーメン、夜はピザといったぐあいに、糖質たっぷりの食事を、食べたいだけ食べるのです。
これで、日ごろから我慢を続けているストレスを発散しました。
翌日からは、また、糖質制限の日々が始まります。
こうして3ヵ月の糖質制限を続けたところ、体重を15kgも落とすことができたのです。
太っていたときには、ヘモグロビンA1c(過去1〜2ヵ月の血糖状態がわかる指標。基準値は、4・6〜6・2%)が7%台で、やや高め。文字どおりの糖尿病予備軍でした。
それが、ダイエット後は、6%を切って正常値におさまるようになりました。
夕食だけ糖質を抜いてもダイエット効果は上がる
3ヵ月という、糖質制限ダイエットの期間が過ぎてからも、糖質を食べたいだけ食べるようなことは、ほとんどなくなりました。
せっかくやせられたので、このよい状態をキープしたいという気持ちのほうが強くなっていました。
私はその後、勤務していた会社を退職しました。
そして、糖質制限でやせた経験を生かして、昨年の6月、さいたま市大宮区に、糖質オフ専門のレストラン「カーボオフ」をオープンしました。
こちらでは、糖質ゼロや低糖質のメニューを数多くそろえ、糖質制限をしながら、おいしく食べられる料理をご提供しています。
さて、糖尿病の予防・改善のため、あるいはダイエットのため、これから糖質制限を始めたいというかたに、いくつかアドバイスをさせていただきます。
まず、いきなり糖質を極端に減らすことは、あまりお勧めできません。
初心者向けには、いくつか方法があります。
例えば、毎食のご飯の量を3分の1に減らすのも、一つの方法です。
また、1日3食のうち、夕食だけは糖質をとらないようにすることもお勧めです。
これは、朝食や昼食に糖質を抜くことよりも優れています。
なぜなら、夕食時に糖質をとらなければ、翌朝まで糖質なしで過ごすことになります。
夕食に糖質を抜けば、最も長い時間その状態を確保できるからです。
その結果、ダイエット効果も着実にアップするでしょう。
このくらいでも厳しいと思われるかたは、おやつだけやめるところから始めてもかまいません。
おなかがすいたら、チーズやゆで卵、ナッツ類を食べるといいでしょう。
なかでも、チーズはお勧めです。
私のお店でも、チーズフォンデュは人気メニューとなっています。
ご自宅で試すのは難しいかと思いますが、食事のときにとろけるチーズを多用するといいでしょう。
糖質制限でダイエットをするかたのなかには、ダイエット効果を上げようとするあまり、糖質を減らすだけではなく、たんぱく質や脂質まで減らしてしまうかたがいらっしゃいます。
これは、とても危険です。
摂取カロリーが極端に低下して栄養不足に陥り、さまざまな体調不良に襲われる恐れがあるので、決してお勧めできません。
肝心なことは、糖質を減らしても、それ以外の食事は減らさないこと。
良質のたんぱく質と脂質をしっかりとるように、ぜひ心がけてください。
また、もしも我慢できずに糖質をつい食べてしまっても、そこで投げやりにならないことです。
「明日からまたがんばろう」というくらいの気持ちでいいのです。
完璧を求めると、つらくなります。
糖質制限で効果を上げるためには、なにより続けることが大切だと思います。
粂康晴
糖質制限で15kgのダイエットに成功した粂さんは、その経験と薬剤師としての知識を生かし、さいたま市大宮区に糖質オフ専門のレストラン「カーボオフ」をオープン。お店では、糖質オフの料理教室やセミナーも随時開催するとのこと。お問い合わせは、☎048-788-3995まで。