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【股関節痛、ひざ痛が改善】患部の緊張を緩めて痛みを取る「かかとの8の字ゆらし」

【股関節痛、ひざ痛が改善】患部の緊張を緩めて痛みを取る「かかとの8の字ゆらし」

関節症の改善には、筋力強化が大切とよくいわれますが、私はこれも間違いだと思います。大切なことはまず、緊張している靭帯と関節包を緩めること。そうすれば痛みが和らぎ、体は自然と動くようになります。【解説】大谷内輝夫(ゆうき指圧院長)

靭帯や関節包の緊張が関節痛の原因だった!

ひざや股関節などの関節症の改善を目的に、私はこれまでに約400種類の運動を独自に考案・開発してきました。
当治療院に来られる患者さんには、一人ひとりの症状に合わせて、その中から20種前後を組み合わせ、運動プログラムを作成し、実践してもらっています。

その際、ほとんどの人にお勧めしているのが、「かかとの8の字ゆらし」という運動です。
アメリカでは、関節症の大部分は、足首のかたさが関係していると考えられています。

かかとの8の字ゆらしは、かかとを8の字に動かすことで、足首の関節をやわらかくする運動です。
実際、患者さんを見ていても、この運動を行ったほうが、回復は早いことを実感しています。

かかとの8の字ゆらしは、ひざや股関節の痛みや不具合を改善する効果が期待できます。
なぜ、かかとを8の字に動かすとこれらの症状が改善するのか、ご説明しましょう。

病院では、「軟骨がすり減って、骨と骨がぶつかって痛みが出ている」と説明されることがあります。
しかし、ほんとうにそうでしょうか。

もしほんとうに骨と骨がぶつかっていたとしたら、それは相当な痛みのはずです。
とうてい、走ることはできないでしょう。

ところが、変形性股関節症と診断された人でも、当院に来られるかたの約8割は、治療後、小走りが可能です。
つまり、小走りできる人の股関節の痛みは、骨に起因したものではないということです。

では、どこからくる痛みなのでしょうか。
私は、同じ場所にばかり体重がかかっていることによって、ひざ関節や股関節を構成する靭帯や関節包が縮んでかたくなり、痛みが出ていると考えています。

靭帯は、関節の骨と骨をつないでいる、コラーゲン繊維の束です。
関節包は、関節面全体を覆っている、薄い膜です。

ひざ関節や股関節が正常な動きをするためには、この二つの緊張を緩める必要があります。
ただ、靭帯は、関節が無理な方向へ曲がらないよう制御するためのものなので、強い刺激を与えると、かえって縮まってしまいます。

そこで考えたのが、ひざや股関節を直接刺激するのではなく、ほかの関節からアプローチする方法です。
人間の各関節は、互いに連動し合っています。ひざや股関節も、腰、足首といった上下の関節と連動しています。

ですから、足首に刺激を与えれば、その刺激をひざや股関節まで伝えることができるのです。

痛みの物質が流れ出し関節可動域が拡大する

かかとの8の字ゆらしで足首を動かせば、連動してひざが動き、さらに股関節も動きます。
これなら軽い刺激で、ひざや股関節の靭帯、関節包を緩められるのです。

関節包が緩むと、その中を流れる関節内液の循環がよくなり、痛みの物質も流れ出すので、痛みが軽減します。
また、靭帯、関節包の緊張が緩むことで、可動域が拡大します。

関節症の改善には、筋力強化が大切とよくいわれますが、私はこれも間違いだと思います。
大切なことはまず、緊張している靭帯と関節包を緩めること。

そうすれば痛みが和らぎ、体は自然と動くようになります。
動けば筋肉が鍛えられ、使えていなかった筋肉が使えるようになるので、全身の筋力バランスも整っていくのです。

かかとの8の字ゆらしは、各4方向とも15回ずつ、1日2〜3セット

それでは、やり方をご紹介しましょう。
イスに座り、痛みがあるほうの足の親指(母趾)のつけ根を床につけ、かかとを上げ、かかとで小さく8の字を描くように、足首を縦と横に動かします。

「い」「逆い」「Z」「逆Z」を書くつもりで動かすと、わかりやすいでしょう。
かかとの8の字ゆらしは、各4方向とも15回ずつ、1日2〜3セット行ってください。

両足が痛ければ両足同時にやってもかまいませんし、痛みのあるほうの足だけでもけっこうです。
この運動は、関節に体重をかけないので、関節を痛める心配がありません。

もし痛みが出たら、それは筋肉痛か、もしくはやり方が間違っているかのどちらかです。
正しく行えば安全。しかも家庭でできて、自分で自分の体を改善できる理想的な運動です。

ただし、腰に痛みが出たときは、すぐに中止してください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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