MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【動脈硬化の予防・改善】健康常備食「タマネギのオイル漬け」の作り方

【動脈硬化の予防・改善】健康常備食「タマネギのオイル漬け」の作り方

タマネギは優れた薬効を持つ食材ですので、積極的にとりたいところですが、毎日、皮をむいて切るところから始めるのは、手間がかかります。タマネギをある程度、下ごしらえした状態で、常備しておくと便利でしょう。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)

油に溶けやすい薬効をいただく健康常備食

タマネギは優れた薬効を持つ食材ですので、積極的にとりたいところですが、毎日、皮をむいて切るところから始めるのは、手間がかかります。
タマネギをある程度、下ごしらえした状態で、常備しておくと便利でしょう。

近年話題の、タマネギを酢漬けにした「酢タマネギ」も、そうした方法の一つです。
そこで今回は、同様に簡便なうえ健康効果のある常備食として、「タマネギのオイル漬け」をご紹介しましょう。

タマネギのオイル漬けは、その名のとおり、みじん切りにしたタマネギを、オリーブオイルに漬け込んだ物です(作り方は下の図解参照)。
タマネギをオリーブオイルに漬けておくメリットは、五つあります。

❶タマネギの有効成分を増やした状態で摂取できる
❷有効成分が体内で吸収されやすくなる
❸オリーブオイルの健康効果もプラスされる
❹保存性が高まる
❺すぐに料理に使えて便利



作り方を順に追いつつ、これらのメリットについて説明しましょう。

タマネギの主成分は、含硫アミノ酸といって、イオウを含んだアミノ酸です。

タマネギを切るとその細胞膜が破壊され、酵素反応が始まります。
まず、辛み成分および催涙成分がほぼ同時に発生し、その後、におい成分などの脂溶性成分へと性質が変化します。
オイル漬けを作る際は、タマネギをみじん切りにするといいでしょう。
繊維を断ち切り酸素に触れる面を多くすると、酵素反応が起こりやすくなります。
細かく刻まなくても、粗みじん程度で十分です。

みじん切りにしたら、におい成分を増やすため、30分~1時間ほど放置し、空気にさらします。
一度こうしておけば、調理のたびに時間をおいて待つこともありません。

その後、清潔な瓶にタマネギを入れ、上からオリーブオイルを、ひたひたになるまで注いでください。

前項で述べたように、タマネギのにおい成分には、多くの健康効果があります。
この成分は脂溶性、つまり油に溶けやすい性質です。

油といっしょにとると、体内で吸収されやすくなるのです。
タマネギをあらかじめオリーブオイルに漬けておけば、わざわざ意識しなくても、油といっしょにとることができます。

タマネギのオイル漬けの作り方

オリーブオイルと合わせれば相乗効果!

こうしてタマネギを漬け込んだオリーブオイルには、におい成分が溶け出しています。
このオイルもぜひ、料理に活用してください。

オリーブオイルの主成分は、オレイン酸です。
これは、分子構造の違いから、不飽和脂肪酸のうちのオメガ9系に分類されます。

オレイン酸には、タマネギ同様に、悪玉コレステロールを減らし動脈硬化を予防・改善する働きがあります。
加えて、高い抗酸化力がある点、老化防止や美肌、整腸に効果がある点などもタマネギと共通しています。

オリーブオイルとタマネギをいっしょにとることで、相乗効果が期待できるのです。
また、抗酸化力があるというのは、酸化しにくいということ。

最近ブームの、オメガ3系のエゴマ油やアマニ油は、酸化しやすく、扱いが難しいものです。
その点、オリーブオイルは、加熱調理にも向いています。

タマネギのにおい成分は、加熱すると10倍以上に増えるので、せっかくオイル漬けにするなら、加熱調理に向く油を選ぶのがベターです。
ちなみに、有効成分として名高いケルセチンも熱に強いので、加熱しても健康効果が損なわれることはありません。

酸化しにくいオリーブオイルに漬け込むことで、タマネギの保存性が高まるのも魅力です。
下ごしらえが済んだ状態のタマネギを、欲しいときにすぐ調理に加えることができるので、利便性にも優れています。

上記の作り方は、最も簡単な方法です。
ひと手間加え、作る段階でタマネギを電子レンジにかけて短時間加熱しておくと、料理にそのまま使う場合でも、より高い薬効が得られます。

前項を参照し、お望みの健康効果に合わせ、加熱する状態とタイミングを選びましょう。
おいしくて健康に役立ち、さまざまな料理に重宝するタマネギのオイル漬けを、ぜひお試しください。

解説者のプロフィール

西村弘行
北翔大学・北翔大学短期大学部学長。東海大学名誉教授。名古屋大学大学院農学研究科修士課程修了後、北海道大学にて農学博士号を取得。北海道大学助教授、北海道東海大学教授・学長を歴任し、現在に至る。タマネギのことなら何でもご存じの、タマネギ博士として有名。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
血圧が高くなることを気にしておられるかたもいらっしゃるでしょう。しかし、年齢とともに血圧が上がるのは、生命を維持するために必要な自然現象なのです。高齢者の場合、血圧が高いおかげで元気なのだといってもいいでしょう。【解説】松本光正(関東医療クリニック院長)
乳酸タマネギを食べ始めると、1週間後くらいから、それまで不安定だったお通じが、2日に1回のペースでつくようになったのです。また、私は30代で糖尿病になりました。現在も通院して血糖値のチェックを受けています。乳酸タマネギを食べ始めてから、血糖値も正常値で安定しているので、うれしい限りです。【体験談】林恵(主婦・51歳)
定期通院で血圧が130mmHgに下がっていたのです。降圧剤でも正常値にならなかったので、このときは「うそでしょ!? 」と声が出るほど本当に驚きました。2ヵ月後も正常値だったため4錠だった降圧剤を2錠に減らせました。念願だった減薬に着手できてどれだけうれしかったかわかりません。【体験談】山田平次(仮名・会社員・69歳)
バナナ酢を飲み始めて暫くすると、以前は60kg弱だった体重が、今は56kg前後に。夫の血圧も安定しています。以前は、降圧剤を飲んだ状態で最大血圧は130mmHg台でしたが、最近は、日によっては120mmHg台まで下がるそうです。【体験談】久保田亮子(仮名・パートタイマー・69歳)
効果を確かめようと、行う前と後で血圧を計りました。すると、行う前は168mmHgあった最大血圧が、アキレス腱トントン体操を両足合わせて200回した後では138mmHgまで下がったのです。内心、効果を信じていなかったので、この急降下ぶりに思わず目を見はりました。【体験談】鈴木秀一(会社役員・56歳)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル