【膝痛の原因】かたくなったお尻の「筋膜」をほぐせば続々快癒

【膝痛の原因】かたくなったお尻の「筋膜」をほぐせば続々快癒

全身の筋膜のなかでも特に重要なのが、お尻の筋膜です。お尻の筋膜は、体の土台である骨盤を支えているため、固まってしまうと骨盤が傾き、体がゆがみ、痛みや不調を引き起こす原因となります。中殿筋の筋膜がほぐれれば、骨盤のバランスも整って、ひざ痛が軽快していくでしょう。【解説】宇田川賢一(FIELD RIVER 筋膜治療院院長)


お尻の筋膜が固まるとひざがねじれて負担増大

私は、ひざ痛の患者さんの治療で、ほとんどひざを触りません。
痛みのほんとうの原因は、ひざとは別のところ、「筋膜」にあるからです。

筋膜は、私たちの筋肉を包むコラーゲン性の薄い膜で、弾力性に富み、隣り合う筋肉がこすれることなく伸縮できるようにしています。
筋膜は網の目のように全身に張り巡らされ、「体を支える」「体を形作る」「体を連動させる」という三つの重要な役割を果たしています。

ところが長時間同じ姿勢を取ったり、運動不足が続いたりすると、筋膜が固まります。
すると筋膜の三つの役割に不具合が生じ、体のゆがみや機能の低下が起こり、痛みやコリ、しびれなどが現れるのです。

私は13年前から、筋膜をほぐす施術を行ってきました。年間延べ1200人ほど治療しています。
多くのかたが、長年悩んでいたひざ痛や腰痛などから解放されています。

全身の筋膜のなかでも、特に重要なのが、お尻の筋膜です。
お尻の筋膜は、体の土台である骨盤を支えているため、固まってしまうと、骨盤が傾き、体がゆがみ、痛みや不調を引き起こす原因となるのです。

ひざ痛の多くは、お尻の横にある中殿筋の筋膜が固まることで引き起こされています。
中殿筋の筋膜が固まると、太ももの筋膜を伝わって、ひざ関節周囲の筋膜を引っ張ります。

さらに関節を締めつけたり、ねじれを引き起こしたりします。
また、骨盤がゆがむことで足の長さが変わり、片方のひざに負担がかかることもあります。

このように、中殿筋の筋膜が固まることで、ひざにはさまざまな負担がかかっているのです。
そのため、ひざ痛を改善するには、なによりもまず、中殿筋の筋膜をほぐすことが必要不可欠になります。

段差をひょいっ!エアロビができる!

私は、ひざ痛の患者さんには、治療時間のほとんどを中殿筋の筋膜ほぐしに費やします。
これで、ひざの痛みが軽快するかたが非常に多いのです。

70代の女性Aさんは、駅から徒歩7分の自宅までもタクシーを使い、玄関の段差を上がれないほどのひざ痛でした。
中殿筋の筋膜ほぐしを続けたところ、ひざ痛が楽になり、今では駅から歩いて帰り、玄関はひょいと上がれるようになりました。

60代の女性Bさんは、痛みでひざを曲げられないほどでした。
病院では、リウマチが原因とされていましたが、通院しても改善しないので、私のもとに来られたのです。
中殿筋の筋膜ほぐしを継続して行ったところ、ひざの痛みが取れて、エアロビクス教室に参加できるまでになりました。

中殿筋の筋膜は、ペットボトルを使って、自分でほぐすことができます。
毎日行うことで、筋膜は弾力性を取り戻し、ひざの痛みは和らいでいきます。
ペットボトルは、炭酸飲料用の強度が高い物を使います。
必ず、中味は水に入れ替えて、しっかりとふたを閉めましょう。
これを使って中殿筋の筋膜をほぐします。

ご自宅にあれば、テニスボールもお勧めです。
詳しくは、上の写真図解をご覧ください。

ペットボトルやテニスボールを使う方法が難しい人は、「お尻スライド法」というストレッチがお勧めです。
中殿筋がジワーッと伸びるのを感じながら、ゆっくり行ってください。

中殿筋の筋膜がほぐれれば、骨盤のバランスも整って、ひざ痛が軽快していくでしょう。

宇田川賢一
1973年、東京生まれ。エアロビクスインストラクター、競技者として活躍後、筋膜治療の道へ進む。一般の痛み治療はもちろん、運動選手やプロダンサー、モデル、アーティストのサポートも行う。著書に『お尻をもむだけで痛みの9割は消える』(ダイヤモンド社)がある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


ひざ痛 お尻

関連する投稿


【体験談】半月板損傷によるひざ痛が改善!足の爪もみで階段もスイスイ上れる!

【体験談】半月板損傷によるひざ痛が改善!足の爪もみで階段もスイスイ上れる!

私は5~6年ほど前に、急に右ひざが痛むようになりました。そこで2年ほど前から、毎日、お風呂に入ったときに、湯船で10~15分くらい足の爪をもんでみたのです。半年ほどした頃、イスに腰かけたときも、右ひざが曲げられるようになり、左右の足をそろえて座ることができます。階段も平気です。【体験談】加藤静子(主婦・72歳)


【腰痛・坐骨神経痛・膝痛・歯痛】痛みを改善する「耳ツボ」の場所はココ!

【腰痛・坐骨神経痛・膝痛・歯痛】痛みを改善する「耳ツボ」の場所はココ!

私の鍼灸院では、体に施術する通常の鍼灸治療に加えて、25年以上前から、耳にあるツボを用いた治療法を取り入れています。そこで今回は、痛みの解消に効果的な耳もみの方法を紹介しましょう。【解説】村山哲郎(戸塚鍼灸院院長)


【低血圧も高血圧も改善】“かかと”からではなく “足の指”に力を入れて歩くウォーキング療法

【低血圧も高血圧も改善】“かかと”からではなく “足の指”に力を入れて歩くウォーキング療法

私たちの背骨はもともと、ゆるやかなS字状の曲線を描いています。この本来の曲線を保って立ち、歩くとき、上半身はほんのわずかに前傾し、重心は足のつま先側にかかります。このことからもわかるように、足の指を使って立つ・歩くのが、正しい人間本来の姿なのです。【解説】篠原裕喜(篠原整骨院「ウオーキング療法」主宰)


【五十肩 膝痛 腰痛が改善】医師も治療に活用する「整膚」の効果 不登校も治った

【五十肩 膝痛 腰痛が改善】医師も治療に活用する「整膚」の効果 不登校も治った

私は8年ほど前に「肌つまみ」と出合いました。肌を引っ張ると、皮下の血液や体液の流れがよくなり、すみずみの細胞にまで酸素や栄養物が供給され、老廃物をすみやかに除去できるようになるため、生き生きとした体がよみがえる。肌つまみのその理論は、納得できるものでした。【解説】角田朋司(つのだ小児科医院副院長)


【プロテオグリカンとは何か】効能は軟骨再生 効果は膝痛改善 増やす方法はウォーキング

【プロテオグリカンとは何か】効能は軟骨再生 効果は膝痛改善 増やす方法はウォーキング

「一度悪くなってしまった軟骨は、再生しない」と思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。プロテオグリカンを増やせば、軟骨も再生します。その方法として、私がお勧めしているのが、「10分間ウオーキング」です。【解説】渡辺淳也(東千葉メディカルセンターリハビリテーション科部長)


最新の投稿


【ひざの裏が痛い】は老化のサイン?姿勢も考え方も若返る!ヨガ秘伝の「ひざ裏伸ばし」

【ひざの裏が痛い】は老化のサイン?姿勢も考え方も若返る!ヨガ秘伝の「ひざ裏伸ばし」

ヨガでは、心の問題が体に現れると考えます。特に、「心の老化」という現象が、体の中で顕著に出る場所があります。それは、ひざ裏、太ももの裏、ふくらはぎ、アキレス腱など、脚裏一帯。脚裏の筋肉やすじが硬い原因の多くは、心の老化にあるのです。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【アンチエイジング】ヨガで心も体も若返る!「ひざ裏伸ばし」の正しいやり方

【アンチエイジング】ヨガで心も体も若返る!「ひざ裏伸ばし」の正しいやり方

準備運動を終えたら、1~3を順に行いましょう。いちばんたいせつなことは、少しずつ筋肉を伸ばしながら、痛みと向き合い、体にお詫びと感謝をすることです。やればやるだけ効果がありますが、まずは1日1セットを目標にしてください。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【『島耕作』作者・弘兼憲史さん】若さの秘訣は毎朝の「ひざ裏伸ばし」

【『島耕作』作者・弘兼憲史さん】若さの秘訣は毎朝の「ひざ裏伸ばし」

忙しくても、運動が嫌いでも、毎朝のシャワー中のひざ裏伸ばしのように、無理なくできる方法はあると思います。皆さんもぜひ、自分に合った、無理なく続けられる健康法を探してください。【解説】弘兼憲史(漫画家)


【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

「血糖値」「ヘモグロビンAlc」「糖尿病」……。これらの言葉を見て、「私はだいじょうぶ」と思ったあなた。安心するのはまだ早いかもしれません。健康診断で血糖値に問題がなくても、食後に血糖値が急上昇しているかたは多いからです。【解説】池谷敏郎(池谷医院院長・医学博士)


足の爪が小さいと「尿もれ」?ガサガサかかとは「肥満」?足でわかる病気のサイン

足の爪が小さいと「尿もれ」?ガサガサかかとは「肥満」?足でわかる病気のサイン

足は立つときや歩くときに、体の全体重を支えます。何年も何十年も支え続けるわけです。体の不調やゆがみなどによって、どこかをかばった立ち方や歩き方をすると、それが足に蓄積され、異常が現れます。【解説】高山かおる(埼玉県済生会川口総合病院皮膚科主任部長)