【作り方・やり方】膝痛を改善するセルフケア「しょうがこんにゃく灸」

【作り方・やり方】膝痛を改善するセルフケア「しょうがこんにゃく灸」

「寒くなるとひざが痛む」という人は多いのではないでしょうか。そうしたひざ痛は、ひざ周辺の筋肉がこわばることで起こっています。ショウガコンニャク灸は、肩こりや腰痛、眼精疲労など、温めることで緩和する症状に効果があります。ひざ痛以外にも活用してください。【解説】橋爪佐和子(鍼灸の四次元堂所長・鍼灸指圧師)


コンニャクから出る蒸気で体の深部まで熱が届く

「寒くなるとひざが痛む」という人は多いのではないでしょうか。
そうしたひざ痛は、ひざ周辺の筋肉がこわばることで起こっています。

このような場合、ひざを温めて血行を促進することが有効です。
筋肉が緩んで、柔軟性を取り戻すことで、痛みが改善するのです。

私が患者さんに勧めるセルフケアに、「コンニャク灸」があります。
灸といっても火は使いません。

70度くらいに温めたコンニャクを手ぬぐいで包み、肌に当てる自己療法です。
ポイントは、コンニャクから出る温かい蒸気です。

東洋医学では、蒸気を含む温熱を「湿熱」といい、皮膚の表面だけでなく、体の深部まで熱を届けたいときに使います。
コンニャク灸は、20分程度で冷めるので、低温ヤケドの心配はありません。

また、皮膚が乾燥しないのも、うれしい利点です。
ひざ痛の患者さんには、ショウガをプラスする「ショウガコンニャク灸」をお勧めしています。

詳しいやり方は、下の写真図解をご覧ください。

ショウガは古来、優れた薬効で重用されてきた生薬(漢方薬の材料)です。

現代の栄養学でも、ショウガに含まれるジンゲオールという成分に、血行を促進する作用が確認されています。
実際、薄く切ったショウガを皮膚に当てるだけでも、皮膚の表面がジワジワと温かくなるのがわかります。

この上からコンニャク灸のスチーム温熱を当てることで、より効果的に血行をよくすることができるのです。
当てる場所は、ひざ裏の真ん中辺りにある委中というツボ。

委中は、ひざ痛改善の特効ツボとされています。
それ以外に、痛む場所に行ってもかまいません。

どちらか一方のひざが痛む場合も、両ひざにショウガコンニャク灸をしましょう。
痛む足を、反対の足がかばって痛くなるのは、よくあることです。

予防を兼ねて、両ひざともにケアしてください。
ショウガコンニャク灸を行うと、その場で痛みが和らぐことも少なくありません。

習慣にすることで、長年悩んでいた痛みが改善し、再発の予防にも役立ちます。
手ぬぐいを使うので、しっかり結べば、家の中の移動程度なら支障ありません。

患者さんのなかには、ショウガコンニャク灸をしながら、デスクワークや家事をこなす人もいます。
50代でバレエを始めた主婦のAさんは、教室に通い始めて1ヵ月ほどでひざ痛を発症。

当院で「ショウガコンニャク灸」を行ったあと、自宅でも毎晩、セルフケアとして行ったところ、1週間で痛みがほとんど解消したと喜んでいました。

肩こりや腰痛眼精疲労にもお勧め

私がコンニャク灸を始めたきっかけは、四次元堂の創始者である祖父にさかのぼります。
祖父は、自然素材で治癒力を引き出す療法を大切にしていて、すでにコンニャク灸も行っていたようです。

そんな祖父の娘である私の母は、鍼灸師ではありませんが、やはりショウガなどの薬効を生活のなかで重視していました。
祖父と母の影響を受けた私が、当院の2代目となったある日、患者さんに「火を使うお灸は怖い」といわれたのです。

そこで、手軽にお灸の効果を得られる方法を考え、コンニャク灸にたどりつきました。
明治を代表する文学者、夏目漱石や正岡子規も、コンニャクを使った治療を行っていたようです。

子規にいたっては、「しぐるるや蒟蒻冷えて腹の上」という俳句を残しています。
また、ショウガなどの生薬を肌につけ、その上にもぐさをのせる灸法も、1600年ほど前から伝承されています。

ショウガコンニャク灸は、肩こりや腰痛、眼精疲労など、温めることで緩和する症状に効果があります。
ひざ痛以外にも活用してください。

ただし、ひざに熱や腫れのあるときは、ショウガコンニャク灸は行わないでください。
温めると痛みが悪化します。

熱や腫れがわからなくても、入浴で体が温まった際にひざが痛む場合は、炎症を起こしている可能性があります。
速やかに専門医を受診しましょう。

橋爪佐和子
鍼灸の四次元堂所長・鍼灸指圧師

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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