【医師解説】頸椎ヘルニアによる手のしびれ、肩の痛みが軽快「鎖骨こすり」のやり方

【医師解説】頸椎ヘルニアによる手のしびれ、肩の痛みが軽快「鎖骨こすり」のやり方

心身にストレスがかかると、最初に滞るのは気です。この状態を、病気の一歩手前として、「未病」と呼びます。未病のうちに治療することができれば、病気にならずに済みます。【解説】藤井英雄(精神科医・日本キネシオロジー学院顧問)


肩や腰の痛み・しびれ目の疲れに効く!

私は、現役の精神科医であるとともに、キネシオロジー(心身のバランスを整える健康法)や、今話題のマインドフルネス(後述)の研究・指導を行っています。
今回は、キネシオロジーの一種で、心身の健康ばらしい効果を発揮する「鎖骨こすり」をご紹介しましょう。

東洋医学では、気・血・水の三つが滞りなく循環していることが、健康の証とされています。
気は一種の生命エネルギーで、血は血液、水はリンパ液などの体液を指します。

心身にストレスがかかると、最初に滞るのは気です。
この状態を、病気の一歩手前として、「未病」と呼びます。

未病のうちに治療することができれば、病気にならずに済みます。
東洋医学では、全身を流れる気を、研究や治療の対象として、鍼灸や漢方薬を発展させました。

だから、未病の段階で治療することができるのです。
東洋医学や鍼灸治療を正式に学ぶには、膨大な時間が必要です。

しかし、西洋で発展したキネシオロジーなら、正確な気の流れを知らなくても、安全かつ効果的に心身のストレスに基づく未病を改善することができます。
なかでも、鎖骨こすりはお勧めです。

このエクササイズは、体内を流れる気や筋肉など、それぞれの左右バランスの乱れを解消してくれるからです。
特に、右脳から左半身への連絡や、左脳から右半身への連絡をスムーズにします。

全身の気の流れが促され、姿勢が改善するので、自然治癒力も増強されます。
また、首や顔、頭の血液やリンパ液の滞りを解消してくれます。

血流がよくなると、肩や腰の痛み・しびれ、目の疲れなどの改善が期待できます。
リンパ液は、体内で不要になった老廃物や疲労物質を排出し、同時に免疫にも大きな役割を果たしています。

全身のリンパ節(リンパ球の待機所)のなかでも、鎖骨リンパ節は、特に重要なポイントです。
この部分の滞りを解消できれば、顔や腕のむくみが消え、感染症などの予防も期待できます。

親指と人差し指の腹をリズミカルにすべらせる

鎖骨こすりを実践し、効果のあった例をご紹介しましょう。

●Aさん(50代・女性)
Aさんは、数年前から頸椎ヘルニア(首の骨の椎間板という組織の異常で痛みが起こる病気)で左手がしびれていました。
鎮痛剤を飲んでも、マッサージを受けても痛みやしびれが軽減しませんでした。

そこで、鎖骨こすりを試したところ、その場でしびれが軽くなりました。

●Bさん(40代・女性)
Bさんは、人間関係のストレスの強かったころから、右肩が痛み出し、右腕を上げられなくなりました。
相手の顔を思い浮かべると、気持ちが乱れて痛みが増強するとのことでした。

そこで、1分ほど鎖骨こすりを行ったところ、肩の痛みが軽快し、相手の顔を思い浮かべても、痛みが増すことがなくなりました。

鎖骨こすりのやり方は、簡単です。
左の手のひらをおへそに当てて、右手の親指と人差し指で、鎖骨のすぐ下を、リズミカルにしっかりとこすります。

20~30秒、指の腹をすべらせる感じで、少し強めにこすってください(下の図解参照)。
こする前に、体の調子が悪いところをイメージし、コップ1杯の水を飲むと効果的です。
テレビを見ながら、音楽を聴きながらでもできますが、「自分は今、体を整えるために鎖骨こすりをしている」と意識し、集中して行ったほうが、さらに効果が高まります。

ところで、「今、ここ」で自分が何をしているか、客観的に気づいていることを「マインドフルネス」といいます。
一歩引いた視点から、冷静になって現実を観ることができる状態です。

そうなると、雑念やネガティブ思想から解放され、集中して鎖骨こすりに取り組めるのです。
欧米では、マインドフルネスをうつ病や不安障害の心理療法として使われています。

また、一部の大企業では、健康のために、社員の研修プログラムに採用しているところもあります。
マインドフルネスの練習には、瞑想や座禅などの正式なプログラムがお勧めです。

しかし、「自分は今、心身を整えるために鎖骨こすりをしている」と意識して鎖骨をこするだけでも、かなりの効果が得られます。
また、鎖骨こすりによって気・血・水の流れが整うと、マインドフルな(自分を客観視できる)状態になりやすくなります。

藤井英雄
精神科医、医学博士、日本キネシオロジー学院顧問、マインドフルネス研究家。著書に『マインドフルネスの教科書』(Clover出版)、『ビジネスマンのための「平常心」と「不動心」の鍛え方』(同文館出版)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

最初は半信半疑でしたが、藤井先生に勧められたとおり、常に中敷きを入れて、靴をはくようにしました。そうして1ヵ月ほどたったころでしょうか、自分でも「あれほどつらかったのは、一体なんだったのだろう? 」と感じるくらい、その後はひざの痛みに悩まされることはなくなりました。【体験談】藤田正義(オーナーシェフ・81歳)


ぎっくり腰の症状が軽くなる!痛みがすぐ取れる「K点」の刺激法と探し方

ぎっくり腰の症状が軽くなる!痛みがすぐ取れる「K点」の刺激法と探し方

K点とは、後頭部にある1点で、東北大学名誉教授である国分正一先生が発見した痛み解消の特効点です。K点を刺激したとたん、ぎっくり腰で救急車で運ばれてきた人が、その場で痛みが治まって自分で歩いて帰ったりといった例もあるのです。【解説】国分正一(国立病院機構仙台西多賀病院脊椎脊髄疾患研究センター長)


【体験談】マッサージより簡単な方法で肩の痛みと股関節の違和感を解消できた!

【体験談】マッサージより簡単な方法で肩の痛みと股関節の違和感を解消できた!

左肩に痛みがあり、整形外科を受診しました。すると、肩にある肩甲下筋という筋肉が損傷しており、治すには手術しかないとのことです。足の親指刺激のやり方を教えてもらい、続けていると、まず足が軽くなり、次に、左肩の痛みが緩和してきました。【体験談】嶋原一智(会社員・59歳)


【体験談】しびれるほどの足の冷えが足の親指刺激で和らいだ!こむら返りもなくなった

【体験談】しびれるほどの足の冷えが足の親指刺激で和らいだ!こむら返りもなくなった

私は、7年前に脳梗塞で倒れ、その後1年半ほど歩くことができませんでした。足の親指刺激を日課に加えてからは、しびれるような足の冷えが徐々に和らぎ、靴下をはかなくても眠れるようになりました。最近では、ふらつかずにしっかり歩けるようになっています。【体験談】杉井小夜子(無職・84歳)


【名医のTHE太鼓判!】モヤモヤ血管が肩こりの真原因 治し方は 首に手を当て 痛い場所を押すだけ

【名医のTHE太鼓判!】モヤモヤ血管が肩こりの真原因 治し方は 首に手を当て 痛い場所を押すだけ

「長引く肩こり」「ひどい肩こり」に悩んでいませんか。整形外科に行くと「レントゲンで見ても異常ありません」と言われ湿布を出されるだけ、という声も聞きます。実は、その長引く痛みの原因のほとんどが、もやもや血管(=不要な血管)にあるのです。病院での治療法と、自分で治す方法を紹介します。【解説】奥野祐次(オクノクリニック院長)


最新の投稿


生ガキにあたった時に「梅肉エキス」をなめたら痛みが治まった!

生ガキにあたった時に「梅肉エキス」をなめたら痛みが治まった!

友人とフランス料理店に行き、生ガキを食べました。すると、なぜか私だけがカキにあたってしまったのです。胃がねじれるように痛く、脂汗が浮き出てきます。痛みで体がよじれたりのけぞったり。じっとしていることができないほどでした。わらにもすがる思いで、私は梅肉エキスを手に取りました。【体験談】江崎紀子(仮名・主婦・72歳)


ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

クチナシの実は、キントンや炊き込みごはんなどに色を着ける天然の着色料として利用されるほか、生薬(漢方薬の原材料)としても昔から使われており、髙血圧や肝機能の改善、鎮痛・鎮静作用などの働きがあることが確認されています。【解説】平田眞知子(薬草コンサルタント)


【大根の健康効果】有効成分の酵素・ファイトケミカルはスムージーで取ると良い!

【大根の健康効果】有効成分の酵素・ファイトケミカルはスムージーで取ると良い!

私は、若々しく健康な体を維持するために、食事で酵素をたっぷり取ることを提唱しています。そのために役立つ食材はいろいろありますが、癖のない風味が、多くの人に好まれている大根も、実は、酵素の補給源として、とても優秀な野菜です。【解説】鶴見隆史(医療法人社団森愛会鶴見クリニック理事長)


脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

最初は半信半疑でしたが、藤井先生に勧められたとおり、常に中敷きを入れて、靴をはくようにしました。そうして1ヵ月ほどたったころでしょうか、自分でも「あれほどつらかったのは、一体なんだったのだろう? 」と感じるくらい、その後はひざの痛みに悩まされることはなくなりました。【体験談】藤田正義(オーナーシェフ・81歳)


食欲がない原因は「胃の位置」胃を上げる体操で飲みこみやすさがアップする理由

食欲がない原因は「胃の位置」胃を上げる体操で飲みこみやすさがアップする理由

子どものころ、立てひざでご飯を食べて叱られた。そんな思い出はありませんか。「立てひざで食事」は、一般常識ではマナー違反とされています。しかし実は、誤嚥の予防にとてもいい姿勢なのです。お勧めなのが、食事の前に胃の位置を上げておくこと。それを簡単に行える体操が「右足首の内回し」です。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)