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【腎機能回復】弱った腎臓はツボ刺激でセルフケア 透析による腰痛改善にも役立つ!

【腎機能回復】弱った腎臓はツボ刺激でセルフケア 透析による腰痛改善にも役立つ!

症状に対応する臓器に関連する経絡上のツボを刺激すると、神経・脊髄・脳を介する生理反応により、その症状を軽減・解消できます。強く長く押し過ぎることのないように心がけつつ、ツボ刺激を、毎日の習慣にするといいでしょう。【解説】伊藤剛(北里大学東洋医学総合研究所・漢方鍼灸治療センター副センター長(鍼灸診療部長・漢方診療部長))

押して痛ければ腎臓が弱っている!

東洋医学でいう「腎」は、尿の生成だけでなく、体の成長や生殖機能・骨や歯の形成や維持などにも関与します。
腎臓と、腎臓の上下に位置する副腎や生殖器の働きを包括したものと考えられています。

腎はいわば、「元気の源」です。
しかしその生命力も、加齢により、徐々に弱ってきます。
また、食事や生活習慣の乱れによっても腎機能は低下します。

すると、「むくむ」「疲れやすい」「だるい」「足がつる」「やる気が出ない」「精力の衰えを感じる」といった症状が現れるようになります。
血圧の上昇や、血尿も、腎が疲れているサインです。
こうした不調が続く場合は、一度、内科を受診することをお勧めします。
検査の結果、腎機能が著しく低下しているようであれば、早急な治療が必要になることもあります。

一方、腎機能は低下していても、すぐに治療を必要としない場合があります。
こうしたケースでは、まず生活習慣を改めるのが先決です。
それと並行し、セルフケアとしてお勧めなのが、指圧などのツボ刺激です。

東洋医学では、「気」や「血」といった生命エネルギーの流れを整えることで、体に現れている症状や不調を解消します。
この気の通り道が「経絡」です。

経絡は、内臓機能と密接に関連づけられており、例えば、腎臓とかかわりが深いのは「腎経」というように、細かく分類されています。
そして、経絡上にあるのが「経穴」、いわゆるツボと呼ばれる治療点です。
症状に対応する臓器に関連する経絡上のツボを刺激すると、神経・脊髄・脳を介する生理反応により、その症状を軽減・解消できます。

また、ツボは治療にも使えますが、診察にも活用されます。
ツボを押して痛むようなら、そのツボに対応する臓器に異常を生じているといえます。
そのため、位置とやり方さえ適切であれば、患者さん自身が刺激しても、治療に十分役立つのです。

そこで、特に腎機能向上に効果的で、押しやすいツボを紹介しましょう。
ツボの位置と刺激の方法は、下の図を参照してください。

一つ目は、「築賓」です。腎経のツボで、ふくらはぎの内側に位置します。
腎機能が弱っている人は、ここを押すと、強い痛みを感じるでしょう。

下半身の血流を改善し、冷えや、足のむくみ、腰痛などの緩和にも効果的です。

透析による腰痛の改善にも役立つ!

二つめは、足裏の「湧泉」です。
このツボは、腎経の起点であり、足先から全身の血行を促進するため、冷えに効くツボとして、よく知られています。

三つめは、腰にある「腎兪」です。
このツボは脊椎(背骨)の両わきを通る膀胱経に属する「兪穴」の一つ。

兪穴は、体の諸機能を無意識下で調整している自律神経と内臓のつながりに作用するため、内臓疾患の治療には欠かせないツボです。
また、腎不全で人工透析を受けている人は、寝た姿勢のまま何時間も治療を受けるため、腰痛に悩むことが多いようです。

そして腎兪は、実は腰痛治療に使われる定番ツボでもあります。
腎兪への刺激は、腎臓の血流を直接増やすうえ、腰痛の改善にも役立ちます。

腎機能が落ちている人にとって、大変有用なツボです。
腎臓の血流低下は、腎機能を悪化させます。

体が冷えるなどして血流が悪くなれば、腎臓のろ過機能は落ち、体内に老廃物がたまります。
ですから、これらのツボへの刺激で、冷えや腎臓への血流を改善すれば、腎機能の向上につながるのです。

とはいえ、やり過ぎは禁物です。
なかでも、透析を受けるほど重度の腎臓病の場合や、高齢のかたは、筋肉や皮膚が弱くなっています。

強く長く押し過ぎることのないように心がけつつ、ツボ刺激を、毎日の習慣にするといいでしょう。

腎機能が向上する!3つのツボ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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