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眼科医推奨・老眼の治し方!簡単回復トレーニング「目のスクワット」

眼科医推奨・老眼の治し方!簡単回復トレーニング「目のスクワット」

私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)

解説者のプロフィール

本部千博
ほんべ眼科院長。ほんべ視力健康研究所所長。
1985年、岐阜大学医学部卒業。協立総合病院で研修後、内科医として勤務。
89年、岐阜大学医学部眼科教室に入局。2005年より現職。
「近視・老眼は治せる」をモットーに、独自の視力回復法や生活指導によって、近視予防や老眼防止などに成果を挙げている。

●ほんべ眼科
https://www.honbe-ganka.com/

60歳の今も視力は1・0

 健康診断などで視力が低下したという結果が出ても、急いでメガネを作る必要はありません。切実に困ったことがない限り、少しの間は様子を見るといいでしょう。
 なぜなら視力は、体調や体のリズム、気分、姿勢、天候などによって絶えず変化しているからです。一度の検査結果から、すぐに決めつけられるものではありません。
 以下のような、私自身の経験もあります。

 中学生のとき、眼科で行った視力検査で、右目の視力が0・3と出ました。医師からは、「すぐにメガネを作りましょう」と言われましたが、このとき私は、医師の言うことを聞きませんでした。
 まず自分なりの改善策を試すことを考えたのです。そのときに実行したのは、遠くの風景を見るようにしたり、寝ながら読書をすることをやめたり、勉強机の照明を明るくしたり、目を休ませる時間を作ったりといったことです。その結果、視力は1・0まで回復しました。

 私のケースは、おそらく一時的にピント調節力が下がって視力が低下する「仮性近視」だったと思われます。
 多くの人は、眼科医から「視力低下のためにメガネが必要」と言われれば、すぐにメガネを作るのではないでしょうか。すると、視力は落ちたまま固定されます。それどころか、メガネに慣れることで、視力はさらに落ちていくこともあるのです。

 メガネをかければ周囲がはっきり見えますが、それはそもそも、目の本来的な機能が回復したからではありません。
 目がメガネに慣れてしまうと、自分の目が本来持っているはずの見ようとする力が失われ、かえって近視や老眼の進行が進んでしまうのです。
 私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っている「目のスクワット」にあるのです。

目のスクワットのやり方

遠近を交互に見る目のスクワット

 加齢によって足腰が衰えてきたら、スクワットで足の筋肉を伸び縮みさせて強化することがよいとされています。これと同様に、目が衰えてきたら、目の筋肉を伸び縮みさせて目の筋肉を鍛えることが効果的です。

「目のスクワット」のやり方は極めて簡単で、実際のスクワットのように体に負荷がかかりません。近くと遠くを交互に見るだけでいいのです。
 目にとって、レンズの役割を果たしているのが水晶体です。物を見るとき、水晶体のそばの毛様体筋という筋肉が伸び縮みすることで、水晶体の厚みを変え、目のピント調節を行っています。
 しかし、現代人の多くは、近くばかり見る生活をしています。その代表例は、テレビやパソコンです。近距離にある画面に焦点を合わせて、何時間もジッと凝視してしまいがちです。

 こうして近場ばかりを見つめていると、毛様体筋が疲れ切ってこわばり、水晶体の厚みが変わりにくくなります。こうして、近眼や老眼になり、視力低下が起こってきます。
 毛様体筋が疲弊しているときには、眼球の向きを上下左右に自由に動かす6本の筋肉群(外眼筋と総称します)もこわばっています。毛様体筋や外眼筋が緊張していると、目の血流が悪くなり、目の酸欠状態が引き起こされます。

 また、毛様体筋から分泌される房水という目の体液の循環も悪くなるため、栄養が十分に届けられなくなります。
 こうして目のコンディションが低下すれば、近視や老眼、目の充血、ドライアイなどの諸症状も起こりやすくなります。
 そんな現代人の悪化した目を変革するのが、目のスクワットなのです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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