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ドライアイ対策や目が冷たく感じるときに効果あり!簡単、目の体操のやり方

ドライアイ対策や目が冷たく感じるときに効果あり!簡単、目の体操のやり方

目のトラブルを改善するために目を温めることは、治療の基本です。私のクリニックでは、遠赤外線の温熱治療器を使うこともあります。眼底出血の患者さんに温熱治療器を使ったところ、レーザー治療でも効果がなかったのに、症状が目覚ましく改善したこともあります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)

解説者のプロフィール

本部千博
ほんべ眼科院長。ほんべ視力健康研究所所長。
1985年、岐阜大学医学部卒業。協立総合病院で研修後、内科医として勤務。
89年、岐阜大学医学部眼科教室に入局。2005年より現職。
「近視・老眼は治せる」をモットーに、独自の視力回復法や生活指導によって、近視予防や老眼防止などに成果を挙げている。

●ほんべ眼科
https://www.honbe-ganka.com/

目を温めたら眼底出血も改善した

 長時間にわたってテレビやパソコンなど、近くの画面を見続けると眼球が固定されます。目の筋肉が緊張し、目や目の周囲の血行が滞ってくるのです。
 このように目を動かす筋肉がこわばり、運動不足になると、眼球にゆがみが生じ、近視や遠視、乱視、ドライアイなどの症状が出やすくなります。

 また、目の血流も悪化するために、目のピント調整がうまくいかず、近視や老眼なども進行します。
 こんなとき、閉じたまぶたに手を当てると、手が温かく感じると同時に、目がひんやり冷たくなっていることに気づくでしょう。これは、目の血流が滞り、冷えているからです。

 この状態を改善するためには、まず目を温めることです。そのための方法としては、手のひらをこすり合わせて温め、その手でまぶたを覆うといいでしょう。
 目のトラブルを改善するために目を温めることは、治療の基本です。私のクリニックでは、遠赤外線の温熱治療器を使うこともあります。眼底出血の患者さんに温熱治療器を使ったところ、レーザー治療でも効果がなかったのに、症状が目覚ましく改善したこともあります。

 こうして目を温め血流を改善した後、眼球を動かす「眼球グルグル体操」をしてください(図参照)。
 眼球を右回り、左回りと各10回グルグル回してください。目や目の周辺に張り巡らされた毛細血管の隅々にまで血液が送られ、目の筋肉が鍛えられます。

 この一連の目の体操によって、目のコンディションを整え、目の若さを保つことができるのです。
 偶然にも、別記事の戸谷さんは私の勧める眼球体操と、まったく同じことを行っていました。この目の体操を毎日続けてきたことが、老眼を予防し、現在の視力維持につながっていることは間違いありません。
 また、戸谷さんは90歳を超えてなお、「もう年だから目がよく見えなくても仕方ない」とあきらめませんでした。そのことが、実は目の若々しさを保つ最大の理由なのだと思います。

眼球グルグル体操のやり方

まばたき1回するだけで目薬1滴分に相当

 ところで、目のトラブルとして最近、急増しているのがドライアイです。
 ドライアイが急増する背景には、最初に挙げたようなテレビやパソコン、スマホなど、近くの画面を見続けるような生活が一般的になったことがあります。

 ドライアイは、目の表面(角膜)が乾燥する病気で、代表的な症状は、目が疲れやすい、充血する、ゴロゴロする、物がかすんで見える、目が乾いた感じがするといったものです。
 ドライアイには2種類あり、一つは涙が出る量が少ないために乾燥するタイプ(涙液減少タイプ)。もう一つが、涙の質が低下するタイプです。

 ドライアイという名前から、前者のタイプが多いと思われていますが、実は患者さんの8割以上が後者のタイプなのです。
 涙は単なる水ではなく、涙腺から分泌される水分と、まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌される油が混じり合ったものです。

 目の表面が潤うのは、まばたきによって目の下にたまっている涙が引き上げられるからです。この涙に油が十分混ざっていれば、涙は目の表面に長くとどまり、乾燥しません。涙に油が足りないために、目は乾燥し、ドライアイになるのです。

 ドライアイを自分で防ぎ、治す方法としてお勧めなのは、意識的なまばたきです。図のような、「まばたき体操」も効果的でしょう。
 ドライアイに悩む人の多くは、近くの画面を凝視してまばたきの回数が減り、目が乾燥しやすくなっています。

 そのような状態を改善するのに、まばたき体操は役立ちます。まばたき1回は、目薬1滴分の効果があるのです。
 若々しい目を保つために、ここで紹介した2つの目の体操をぜひお試しください。

まばたき体操のやり方

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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