【甘酒】脂肪が燃焼してダイエットに効果的と実験で判明!

【甘酒】脂肪が燃焼してダイエットに効果的と実験で判明!

甘酒は、日本の伝統的な甘味飲料の一種です。最近では、酒かすをお湯で溶いたものではなく、麹だけで作った「麹甘酒」の健康効果に注目が集まっています。麹甘酒を摂取していれば、疲れの回復が早められることが明らかになりました。また、ダイエットにもぴったりです。【解説】樫村修生(東京農業大学教授・医学博士)


陸上長距離選手の疲労度が明らかに軽減した

甘酒は、日本の伝統的な甘味飲料の一種です。
最近では、酒かすをお湯で溶いたものではなく、麹だけで作った「麹甘酒」の健康効果に注目が集まっています。

これは、整腸効果や美肌効果、髪や頭皮の若返り効果などが理由でしょう。
ただ、麹甘酒の健康効果についての研究はまだ少なく、始まったばかりといえます。

この項では、疲労を回復させる効果を中心に、新たに判明した麹甘酒の効果についてお話ししましょう。
私たちの研究グループは、陸上競技部の学生に協力してもらって、麹甘酒の疲労回復効果について調べました。

対象としたのは、男子長距離走の選手10名、女子長距離走の選手10名、それから男子短距離走の選手6名です。
これらの選手を、それぞれ麹甘酒を摂取するグループと、摂取しないグループに分けます。

そして、前者には毎食、麹だけで作った麹甘酒(118g)を飲んでもらうことを2週間続け、疲労部位や疲労の自覚症状を調べました。
その結果、短距離走の選手の場合には、大きな違いは現れませんでしたが、長距離走の選手では、麹甘酒をとっているグループにおいて、疲労回復効果が発揮されていることが明確に判明しました。

長距離走の選手たちは、夏に行う合宿などでは、総計1000㎞近い距離を走るため、疲労度は相当なものです。
私たちの研究では、朝起きたときに体にどれだけ疲労が残っていると感じるかを比べたところ、継続して麹甘酒を飲んでいるグループと、飲んでいないグループとは有意に違いがありました。

麹甘酒を摂取していれば、疲れの回復が早められることが明らかになりました。
また、麹甘酒を飲んでいるグループは、飲んでいないグループと比べた場合、肩、臀部(おしり)、ひざといった部位の疲労度についても、明らかに軽減していたのです。

そもそも、ビタミンB群は、エネルギー代謝を促進して疲労回復に役立つものです。
また、シスチンやアルギニン、グルタミンといったアミノ酸は、運動後の筋肉の炎症反応や、筋肉痛を抑制するということはよく知られています。

麹甘酒には、ビタミンB群が含まれているうえ、アミノ酸がとても豊富です。
ちなみに、体内では合成されず、必ず食物から補給しなければならないアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。

この必須アミノ酸は9種類ありますが、なんと、麹甘酒にはそのすべてが含まれているのです。
さらに、体内で合成はできるものの、さまざまな働きがあるため、積極的に摂取すべき重要なアミノ酸であるシステインやアルギニン、グルタミン、ギャバなども、麹甘酒には豊富に含まれています。

100g中に含まれる必須アミノ酸の量を比べてみた場合、麹甘酒は、市販されているアミノ酸ドリンクよりもはるかにたくさん入っています。
つまり、麹甘酒を飲めば、豊富なアミノ酸の働きで、より大きな疲労低減効果がもたらされると考えられます。

14名中11名の中性脂肪値が下がった

麹甘酒は、疲労回復に役立つばかりではなく、ダイエットにもぴったりです。
皆さんは、ダイエットしたいと思われれば、一定の運動をすることを心がけるでしょう。

その際、麹甘酒を飲むことを組み合わせると、その効果がより高まると判明しました。
私たちは、ラット(実験用のネズミ)に、麹甘酒を4週間飲ませました。

人間の体重に換算して、1日当たり118gに相当する量を飲ませ、運動をさせたのです。
すると、麹甘酒を飲ませていないラットと比較すると、飲んでいるラットは、脂肪をより効率的に燃焼させることが判明しました。

筋肉には、脂肪を燃焼させる部位があります。
麹甘酒を摂取すると、その部位の酵素の活性が高まり、脂肪を燃焼させる効果がアップすると考えられるのです。

また、私たちは、麹甘酒と中性脂肪値の関連についても、臨床実験も行っています。
ご協力いただいたのは、群馬県安中市の公立碓氷病院の上原由美先生と、入院しておられる慢性腎臓病の患者さん14名です。

慢性腎臓病になると、脂質異常症を併発し、中性脂肪値が高くなります。
このかたがたに、毎日、麹だけで作った麹甘酒118gを飲んでもらいました。

これを3ヵ月間続け、中性脂肪値の変化を調べました。
その結果、14名中11名(78.6%)の患者さんで、中性脂肪値が低下しました。

どのくらい下がったかというと、平均で12.9%という結果でした。
このように、中性脂肪値が上がりやすい慢性腎臓病の患者さんにおいても、麹甘酒を常飲することよって中性脂肪値を下げることができました。

ということは、健常なかたの場合も同様の効果が発揮されると期待できます。
さて、これらの結果を踏まえていえば、毎日、麹甘酒を飲み、ウォーキングやジョギングといった運動を続ければ、大いにダイエット効果が期待できるでしょう。

また、麹甘酒は、疲労回復にも役立つのですから、こんなにいいことはありません。
麹甘酒の研究は、まだ始まったばかりです。

私は、麹甘酒には、さらに多くの健康効果があると期待しています。

樫村修生
東京農業大学教授・医学博士

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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