日本の気候風土に合った生きている食材をとろう
私は、新潟県の阿賀町で糀屋を営んでいます。
創業は明治元年で、私は六代目に当たります。
店では、昔ながらの製法を守って糀を作っています。
新潟産米のコシイブキに、特別配合の糀菌で作った「黄糀」と呼ばれる物です。
黄糀は、特に糖度が高く、発酵力が強いことが特長です。
一般的な白糀と違って熱に強いので、加熱しても糀菌が失われることがありません。
そのため、糀が持っている、美容や健康に役立つ力が最大限生かされるんです。
そもそも、日本人は、日本でできた食材を食べるのが、本来あるべき姿だと思います。
私たちの体は、日本の気候風土に合ったようにできているはずだからです。
だからこそ、昔の日本では、花粉症もアトピーもありませんでしたよね。
また、ふだん私たちが口にしているあらゆる食材は、生きている物と死んでいる物とに分けられます。
できるだけ、生きている食材をとるべきです。
私が作った糀は、すべて生きています。
これを体の中に入れれば、ほんとうの意味で生きたまま腸に届き、本来の効果が得られるんです。
「糀水(こうじみず)」の作り方
最近、甘酒がブームになっていて、うれしい限りです。
うちでは、甘酒を糀と水だけで作ります。
そのほかには、何も加えません。
今回は、この昔ながらの甘酒の簡易版である、「糀水」をご紹介します。
糀水の材料は糀と水だけ

飲むだけではなく、化粧水・入浴剤として使用するのもお勧め
私も毎日愛用しているので、古希を過ぎてもこんなに美肌(笑)。
作り方は甘酒よりも簡単なので、お客様にもお勧めしています。
飲んでも塗っても非常に重宝します。
糀水を作るときに使うのは、糀と水だけ。
もちろん、「生きている」糀を使っていただきたいのですが、目安としては、糀を食べてみておいしい、と感じた物で作っていただければいいと思います。
糀水は、簡単にできて非常に役立つ栄養ドリンクであり、整腸剤でもあります。
疲労回復にも最高で、実際に飲まれているお客様のなかには、便秘や下痢が解消した人が、続出しています。
7㎏のダイエットに成功したかたもいるんですよ。
糀のすばらしさをご紹介するため、私は、全国各地で講演会を開いています。
そこにお見えになったかたがたも、その効果を実感されています。
例えば、ある70代の男性は、いつも180mmHg以上あった最大血圧が、ほんの3週間ほど糀水を飲んだだけで、130mmHg台に下がったんです(最大血圧の基準値は、140mmHg未満)。
また、43歳の男性は、糀水を2ヵ月ほど飲んだところ、正常値の倍くらいあった中性脂肪値とコレステロール値がたちまち半減して、すっかり正常化したんです。
これには、大学病院の先生が驚いて、「何か怪しい薬を飲んでない?」と疑われるほどだったそうです。
糀水は飲むだけでなく、スプレー容器に入れて化粧水がわりに使うのもお勧めです。
肌にうるおいが出て、とてもしっとりするんです。
さらに、糀水を3回ほど作ったあとは、糀の入った袋をお風呂に入れて使ってください。
入浴剤としてぴったりです。アトピーが解消したかたもいますし、乾燥肌が解消して美肌になる効果もあります。
花粉症の症状が軽くなったというお声もたくさんいただいています。
こんな声も届いています。
「幼いころからのアトピーに加え、春先には花粉症にも苦しめられてきましたが、糀水を飲み始めたら顔の赤みが消えてとてもうれしいです」
強力な抗酸化作用が薬科大学で実証された
こんなふうに、糀水は皆様の健康に役立っています。
でも、どうして糀が血圧を下げたり、皮膚を若返らせたりするのか、私は不思議に思っていました。
そこで、今年、専門の機関で研究していただきました。
すると、「糀は、有害な活性酸素を撃退する抗酸化作用が極めて強い」ということが実証されたんです(新潟薬科大学『黄糀の抗酸化活性評価と抗酸化物質の解析』)。
実は、私はスキー大回転のマスターズの現役選手。
新潟県では、70歳以上で出場している女性選手は私だけなんです。
これからも、糀水からパワーをもらって、80歳で世界一を獲得するのが目標です(笑)。
解説者のプロフィール

山﨑京子
山﨑糀屋女将・糀コンシェルジュ。
毎日の糀作りに加え、全国各地を飛び回り、糀のすばらしさを伝える講演会を開催している。「23歳でここに嫁いで以来、店を切り盛りしてきました。でも、それだけでは飽き足らず、副業でスナックのママもやったし、町会議員も2期務めましたよ(笑)」
●山﨑糀屋
http://www.yamazakikoujiya.com/