【定説を覆す】低インスリン療法のやり方 高血糖でも透析患者ゼロ! 壊疽も治った

【定説を覆す】低インスリン療法のやり方 高血糖でも透析患者ゼロ! 壊疽も治った

まず知ってほしいことは、インスリン薬を使って血糖値を下げてはダメ、ということです。特に、肥満の人は、自前のインスリンが体内からしっかり分泌されている状態です。血糖値が高くてインスリンの働きもいいということは、動脈硬化を促進しやすい状況=早死コース、というわけです。【解説】新井圭輔(あさひ内科クリニック院長)


インスリンを使って血糖値を下げちゃダメ!

→低インスリン療法の解説はコチラ

 まず知ってほしいことは、インスリンを使って血糖値を下げてはダメ、ということです。

 特に、肥満の人は、自前のインスリンが体内からしっかり分泌されている状態です。血糖値が高くてインスリンの働きもいいということは、動脈硬化を促進しやすい状況=早死コース、というわけです。

 それでは、低インスリン療法のやり方です。
 まず、
①インスリンを促す薬やインスリン注射をやめる
 次に、
②糖質制限
 を行います。

 さらに必要に応じて、動脈硬化の治療、血圧を正常値化する治療を行います(※3)。
 現在、糖尿病の専門医にかかっている2型糖尿病患者の90%以上は、インスリンの分泌を促す薬を、50%はインスリン注射を使っているといわれています。

 重要な注意として、これらの薬や注射を続けている間は、絶対に糖質制限を行ってはいけません。低血糖を起こし、死の危険があるからです。

(※3)動脈硬化や高血圧の治療について詳しくは上中里病院(東京都北区)のホームページにリンクしているYouTubeの動画を参照。

血糖値を300mg/dl、ヘモグロビンA1cを11%、が大まかな目安

 インスリン分泌を促す薬の代表は「SU(スルフォニル尿素)薬」です。アマリール、グリミクロ、オイグルコン、ダオニールなどの商品名で処方されています。

 そのほか、インクレチン関連薬(DPP‐4阻害薬、GLP‐1受容体作動薬)と呼ばれる注射や経口薬もやめるべき薬です。
 インスリン注射やこれらの薬を使っている人は、次のように主治医に頼むといいでしょう。

「糖質制限(または低インスリン療法)を行いたいので、今の注射や薬をやめ、SGLT2阻害薬とアルファG1阻害薬を処方してください」。

 SGLT2阻害薬は、血中の余分な糖を尿に出す薬です。アルファG1阻害薬は、腸管からの糖の吸収を抑える薬です。

 糖質制限が難しい人は、これらの薬で糖質制限を補うことができます。
 治療の変更を頼むと、「血糖値を下げないなんて非常識だ」と怒りだす医師もいます。医師に拒否されたら、医療機関を替えるほかないでしょう。

 薬を替えたら、後述する基本の糖質制限を実践しましょう。まず私が指導している「心得」を紹介します。
 それは、夜は絶対に糖質を抜く。おかずだけにするということです。本当は、3食とも糖質抜きがいいですし、できれば食事は、朝・昼と抜いて、夜の1食だけが望ましいです。

 しかし、食べるのが大好きな糖尿病の人には、どれも難しいでしょう。それなら、とりあえず夜だけは糖質は食べないでください。糖質を食べるなら日中にしましょう。

 そして、おなかが空いたら、無糖の炭酸水を飲みます。血液が酸化しにくくなり、体の修復力が高まります。リラックス効果もあるので、空腹のイライラを防いでくれます。
 心得は以上です。

 次に、食べるものについてですが、
❶主食(ごはん、パン、めん類、イモ類)、砂糖の入った甘いものを抜く
❷野菜、魚、肉、卵、果 物などをバランスよくとる
❸①②を守ればおなかいっぱい食べてもよい

 以上の糖質制限が完璧にできるなら、前記の薬さえ、必要ありません。
 実際は、血糖値が上がる人は多いのですが、大まかな目安として、血糖値を300mg/dl、ヘモグロビンA1cを11%くらいにコントロールできれば、低インスリン療法で、糖尿病の合併症は確実に予防・改善できます。

 グラフは、私のクリニックに通う患者さんたちの、ヘモグロビンA1cの高い人と低い人の、腎機能を示すクレアチニン値を検証したものです。

 合併症の原因が高血糖なら、ヘモグロビンA1cの数値が高い人は、クレアチニン値も高いことになります。

 しかし、このグラフは平坦で、高血糖と腎機能の間に相関関係はありません。
 これらの事実は、「インスリンを出す・補う治療をしなければ、血糖値が高くても合併症は起こらない」ということを明確に示しています。

新井圭輔
1981年京都大学医学部卒業。あさひ内科クリニック院長。上中里医院特別顧問。臨床の中で多くの糖尿病患者の治療に携わり、「定説は真実とは限らない」として、定説を覆す「低インスリン療法」を提唱。インスリンを補わない、分泌させない治療で、糖尿病の合併症を防ぐ治療に効果を上げ、多くの医師の賛同を得ている。著書『糖尿病に勝ちたければ、インスリンに頼るのをやめなさい』(幻冬舎)が好評発売中。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

「血糖値」「ヘモグロビンAlc」「糖尿病」……。これらの言葉を見て、「私はだいじょうぶ」と思ったあなた。安心するのはまだ早いかもしれません。健康診断で血糖値に問題がなくても、食後に血糖値が急上昇しているかたは多いからです。【解説】池谷敏郎(池谷医院院長・医学博士)


【食後高血糖の対策】糖質は1食あたり40gが必要!「チョイ減らし」6大健康効果

【食後高血糖の対策】糖質は1食あたり40gが必要!「チョイ減らし」6大健康効果

健康な人であれば、糖質の摂取量を1日120g、1食あたり40gにすれば、食後の高血糖を防ぎながら、体に負担をかけることなく、必要な糖質を補うことができます。まずはご飯を3分の1だけ減らす「糖質チョイ減らし」から始めるとよいでしょう。【解説】斎藤糧三(医師)


「糖質制限」で不調になった?失敗原因は「減らしすぎ」と「栄養不足」

「糖質制限」で不調になった?失敗原因は「減らしすぎ」と「栄養不足」

糖質を減らしても、肉、魚、卵、大豆などのたんぱく質と、海藻やきのこなどの食物繊維は、たくさん食べてだいじょうぶです。たんぱく質や食物繊維を積極的に取れば、糖質への過剰な欲求を抑えたり、腸内環境が悪くなったりするのを防げます。【解説】斎藤糧三(医師)


【血糖値スパイク予防レシピ】糖質制限に必要な栄養素はバッチリ 手間なし作り置きおかず

【血糖値スパイク予防レシピ】糖質制限に必要な栄養素はバッチリ 手間なし作り置きおかず

適量の糖質を食べながら、たんぱく質と食物繊維を取れば、血糖値スパイクを防止でき、健康効果が高まります。そこで、手間なくできて冷蔵庫にストックしておける、たんぱく質と食物繊維の作り置きレシピを紹介します。作り置きレシピをうまく活用して、心も体も元気に毎日を送りましょう。【監修】斎藤糧三(医師)


【ダイエット】失敗する原因は“空腹感”のストレス 「耳ツボ」刺激で満腹感が得られる

【ダイエット】失敗する原因は“空腹感”のストレス 「耳ツボ」刺激で満腹感が得られる

専門医が推奨!「耳もみ」で17㎏減!糖尿病、うつに効く!髪フサフサ!ダイエットにはつらい空腹感が付きものと思っている人は多いのではないでしょうか。ここで明言します。空腹感によるストレスこそが、ダイエットを失敗させる原因です。「耳ツボ刺激」には、そんなストレスは無縁です。【解説】藤本幸弘(クリニックF院長)


最新の投稿


【ひざの裏が痛い】は老化のサイン?姿勢も考え方も若返る!ヨガ秘伝の「ひざ裏伸ばし」

【ひざの裏が痛い】は老化のサイン?姿勢も考え方も若返る!ヨガ秘伝の「ひざ裏伸ばし」

ヨガでは、心の問題が体に現れると考えます。特に、「心の老化」という現象が、体の中で顕著に出る場所があります。それは、ひざ裏、太ももの裏、ふくらはぎ、アキレス腱など、脚裏一帯。脚裏の筋肉やすじが硬い原因の多くは、心の老化にあるのです。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【アンチエイジング】ヨガで心も体も若返る!「ひざ裏伸ばし」の正しいやり方

【アンチエイジング】ヨガで心も体も若返る!「ひざ裏伸ばし」の正しいやり方

準備運動を終えたら、1~3を順に行いましょう。いちばんたいせつなことは、少しずつ筋肉を伸ばしながら、痛みと向き合い、体にお詫びと感謝をすることです。やればやるだけ効果がありますが、まずは1日1セットを目標にしてください。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認 沖道密教ヨガ総合自由大学教授)


【『島耕作』作者・弘兼憲史さん】若さの秘訣は毎朝の「ひざ裏伸ばし」

【『島耕作』作者・弘兼憲史さん】若さの秘訣は毎朝の「ひざ裏伸ばし」

忙しくても、運動が嫌いでも、毎朝のシャワー中のひざ裏伸ばしのように、無理なくできる方法はあると思います。皆さんもぜひ、自分に合った、無理なく続けられる健康法を探してください。【解説】弘兼憲史(漫画家)


【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

【血糖値スパイクを予防】血管の名医が勧める食後高血糖対策は「大豆」と「立ち食い」

「血糖値」「ヘモグロビンAlc」「糖尿病」……。これらの言葉を見て、「私はだいじょうぶ」と思ったあなた。安心するのはまだ早いかもしれません。健康診断で血糖値に問題がなくても、食後に血糖値が急上昇しているかたは多いからです。【解説】池谷敏郎(池谷医院院長・医学博士)


足の爪が小さいと「尿もれ」?ガサガサかかとは「肥満」?足でわかる病気のサイン

足の爪が小さいと「尿もれ」?ガサガサかかとは「肥満」?足でわかる病気のサイン

足は立つときや歩くときに、体の全体重を支えます。何年も何十年も支え続けるわけです。体の不調やゆがみなどによって、どこかをかばった立ち方や歩き方をすると、それが足に蓄積され、異常が現れます。【解説】高山かおる(埼玉県済生会川口総合病院皮膚科主任部長)