おでこは目の不調を改善する特効ポイント
私はこれまで鍼灸を中心に、食事療法や整体、温熱療法など、さまざまな治療法を実践してきました。
その経験から、心と体の不調を改善する特効ポイントを発見するに至りました。
それが、おでこです。
おでこは、脳に近いとても重要な場所です。
ここに手のひらを当て、手で額を回して上方に伸ばすだけで、心と体の多くの不調が改善するのです。
私はこのセルフケア法を「おでこ伸ばし」と呼んでいます。
おでこ伸ばしは、高血圧などの生活習慣病から、ひざ・腰の痛み、さらには不眠やうつ病といった精神疾患まで、幅広い症状に対して有効です。
そして、目の症状に対しても、多くの効果を上げています。
「治らないと思っていた飛蚊症が解消した」「目の疲れが取れて、視界がクリアになった」「メガネなしでも、手もとがよく見える」――。
これらは、おでこ伸ばしを実践されたかたの実際の声です。
近視や眼精疲労、かすみ目、ドライアイ、飛蚊症といった幅広い目の症状に対して、これまで高い効果を上げているのです。
そして、おでこ伸ばしを初めて行った人のなかには、「遠くがよく見える!」「視界が明るい!」といったように、その場で驚きの声を上げるかたも少なくありません。
では、なぜこのような多彩な効果が得られるのでしょうか。
それには大きく分けて、次の三つの理由が考えられます。
❶血流の改善効果
❷自律神経の調整作用
❸頸椎(首の骨)の矯正効果
まず、①について説明しましょう。
おでこ伸ばしは、額に両手を当てて、円を描くように回したのち、上方へ伸ばします。
このとき、両手の温かさと一連の動きによって、目の周辺組織の血行が促進されます。
さらに、おでこへの刺激によって脳の前頭葉の血流も促されます。
脳の血流がよくなれば、視神経の働きも高まります。
これらの作用によって、脳と目の疲れが取れ、衰えた目の機能が速やかに回復するのです。
おでこのばしのやり方

目が疲れにくくなり老眼鏡を使う頻度が減少
次に挙げられるのが、②の自律神経の調整作用です。
自律神経とは、私たちの意志とは無関係に、内臓や筋肉、血管などの働きをコントロールしている神経のことです。
いわば、私たちの生命活動の根幹を担っているといえます。
この自律神経には、交感神経と副交感神経という2種類があります。
交感神経は、主に昼間の活動時に働き、副交感神経は主に夜間の休息時に働きます。
本来であれば、1日を通して、両者がバランスを取り合うことで健康状態は維持されます。
しかし、ストレス過多な現代人は、どうしても交感神経が優位になりがちです。
すると、健康状態がくずれ、目にも悪影響が及びます。
常に目が緊張した状態になり、目が疲れやすくなったり、近視や老眼の進行にもつながったりします。
おでこ伸ばしを行うと、その場で体がリラックスし、体がポカポカと温かくなるのを実感できるでしょう。
これは、交感神経に傾いていた自律神経が、副交感神経優位になってきた証拠です。
これによって自律神経のバランスが整い、目の働きが健全な状態に戻るのです。
最後に、③の頸椎の矯正効果です。
現代人の多くは、スマートフォンやパソコンの見過ぎなどで、首が前方に傾いています。
すると、後頭下筋群という、首のつけ根の筋肉群に負荷がかかります。
この筋肉群の直下には、目の領域を支配する神経が密集しています。
そのため、眼精疲労やかすみ目などの原因となるのです。
おでこ伸ばしは、この後頭下筋群のコリをほぐすのに役立ちます。
寝ながらおでこを押すことで、頸椎が正しい位置に戻り、神経への負荷が軽減されるのです。
そして、おでこ伸ばしの効果をさらに高めるなら、おでこ伸ばしを行う前に、蒸しタオルで目を温めるとよいでしょう。
水に浸したタオルを軽くしぼり、電子レンジで約20秒温めます。
目を閉じて、温めたタオルをまぶたの上に1分ほどのせてください。
目の血流がさらに促進され、リラックス効果も高まります。
実は私自身、おでこ伸ばしの効果を実感しています。
以前より目が疲れにくくなり、老眼の症状が回復したのです。
おかげで、老眼鏡をかける頻度が明らかに少なくなりました。
皆さんもぜひ、毎日の習慣として、おでこ伸ばしを行ってください。
目の不調が吹き飛んで、クリアな視界を手に入れられるでしょう。