【糖尿病改善】リコピン吸収率を高める「ホットトマトジュース」を朝飲むとよい!

【糖尿病改善】リコピン吸収率を高める「ホットトマトジュース」を朝飲むとよい!

私は、長年にわたり、トマトの健康への寄与成分について研究してきました。なかでも、特に注目したいのが、リコピンという成分です。リコピン摂取のために、さらにお勧めの工夫があります。それは、トマトジュースにオリーブオイルを混ぜ、加熱して飲む方法です。【解説】稲熊隆博(帝塚山大学現代生活学部教授)


トマトジュースの常飲でヘモグロビンA1cが低下

私は、長年にわたり、トマトの健康への寄与成分について研究してきました。
なかでも、特に注目したいのが、リコピンという成分です。

リコピンは、トマトの赤い色を作る色素で、活性酸素を消去する強い抗酸化作用があることで知られています。
活性酸素は、細胞を傷つけ、生活習慣病や老化の原因となる物質です。

血液中のLDLコレステロールが、活性酸素によって酸化すると、悪玉コレステロールという過酸化脂質に変わります。
つまり、古い油となるのです。

それが、血管内皮に入り込むことで動脈硬化が起こり、高血圧や、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こします。
しかし、リコピンは、血中のLDLコレステロールなどに蓄積されるため、いち早くリコピンが活性酸素を消去し、過酸化脂質の発生を抑えてくれるのです。

ですから、リコピンをたくさんとると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防・改善に役立つと考えられます。
実際に、糖尿病の患者さん12名を対象にした、次のような臨床データがあります。

試験内容は12名を二つのグループに分け、一方のグループには、トマトジュースを毎日1本(200ml、うちリコピン含有量は28mg )飲み続けてもらいました。
もう一方は、トマトジュースを飲まないグループです。

すると、平均値が7.9%だったトマトジュースを飲んだグループのヘモグロビンA1cは、摂取1年後に6.8%まで低下したのです。
そして、少人数の試験ではありますが、飲まないグループとのヘモグロビンA1cの平均値にも、大きな差が出ました。

ところで、リコピンは、どんなトマトにも同じ量が含まれているのでしょうか。
実は、そうではありません。

日本では、トマトを生で食べる機会が多いため、生産量の約9割を、皮の薄いピンク系のトマトが占めています。
これらは、100g 中のリコピン含有量が約3〜5mgと、あまり多くありません。

一方、トマトを調理して使うことが多いヨーロッパでは、皮の厚い赤系のトマトが主流です。
日本でもトマトケチャップやトマトジュースには、赤系のトマトが使用されます。

こちらには、リコピンが100g 当たり、約10mgも含まれるのです。
ですから、リコピンを摂取するうえでは、リコピン含有量の多い、赤系のトマトから作られるトマトジュースのほうが効率的といえます。

オリーブオイルと加熱でリコピン吸収率がアップ

リコピン摂取のために、さらにお勧めの工夫があります。
それは、トマトジュースにオリーブオイルを混ぜ、加熱して飲む方法です。

私たちは、次の実験を行いました。
成人女性13名にご協力いただき、トマトジュースをそのまま飲んだときと、オリーブオイルを加えて飲んだときの、血中へのリコピン吸収率を比べてみました。

すると、そのまま飲んだときよりも、オリーブオイルを加えて飲んだときのほうが、吸収率が約4.5倍も高いという結果になったのです。
また、別の実験では、オリーブオイルをかけただけの生のトマトよりも、オリーブオイルを使って加熱調理したトマトのほうが、リコピンの吸収率が高いことが明らかになっています。

さらに、オリーブオイルは、ほかの植物油と比べ、最もリコピンの吸収率を向上させる油だとわかりました。
リコピンの吸収率は、時間によって異なります。

吸収率が最も高いのは朝で、次に夜、そして昼、の順です。
また、吸収量も、朝が最も多いと報告されています。

これらの研究結果を考え合わせると、「トマトジュース」を、「オリーブオイル」と混ぜて、「温めて」「朝に飲む」のが、最もリコピンを摂取しやすい方法、といえるのです。
ちなみに、ヨーロッパの人に比べると、日本人のトマト消費量は10分の1程度。

1人当たりの年間消費量は8.3kgで、1日に換算すると、ミニトマトを1〜2個しか食べていない計算になります。
リコピンの優れた健康効果を考えれば、もっと積極的にトマトを摂取してほしいものです。

糖尿病を改善したいかたや、血糖値がやや高めで心配なかたは、ぜひオリーブオイル入りのトマトジュースをお試しください。

稲熊隆博
1952年生まれ。大阪府出身。帝塚山大学現代生活学部食物栄養学科教授。農学博士、技術士。同志社大学大学院工学研究科博士課程(前期)修了後、カゴメ株式会社に入社。カゴメ㈱総合研究所主席研究員を経て、現職。トマトをはじめ、野菜のスペシャリストとして研究を重ねている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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