【認知症・MCI】予防には「緑茶」が最適!飲む頻度も高いほど良い

【認知症・MCI】予防には「緑茶」が最適!飲む頻度も高いほど良い

調査開始時と追跡調査時のデータを解析したところ、調査開始時から日常的に緑茶を飲まない人と比べて、緑茶を飲んでいる人のほうが、認知症やMCIの発症率が低いことが判明したのです。【解説】山田正仁(金沢大学附属病院神経内科長・金沢大学神経内科学教授)


コーヒーや紅茶にはない効果が追跡調査で判明!

日本は、人口の高齢化とともに、認知症の発症者数も急増しています。
2015年に発表された厚生労働省の統計によると、65歳以上の高齢者の認知症患者数は462万人。

そして、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人数も含めると、高齢者の約4人に1人が、認知症またはMCIを抱えているのです。
認知症は、65歳以上の場合、年齢が5歳上がる度に、発症率が倍増するといわれています。

このまま高齢化が進めば、認知症患者のさらなる増加が懸念されます。
ですから、認知症の治療法の開発や、予防法の確立は、私たち研究者の喫緊の課題です。

私は、神経内科という分野で、認知症の調査・研究を長年続けてきました。
その研究のなかで、ある飲み物が、認知症を予防する可能性があることを発見しました。

その飲み物とは、「緑茶」です。
私たちの研究チームは、2007~2008年にかけて、石川県七尾市中島町の60歳以上の住民を対象に、食事や運動などの生活習慣のアンケートや、認知機能検査や採血検査を実施しました。

そして、最初の調査で、認知機能が正常と判断された人を対象に、2011~2013年にかけて、追跡調査を行いました。
その参加者は、490人です。

追跡調査の結果、約5年間で、26人が認知症を、64人がMCIを発症しました。
ちなみに、約7割の人の原因は、アルツハイマー病でした。

そして、調査開始時と追跡調査時のデータを解析したところ、調査開始時から日常的に緑茶を飲まない人と比べて、緑茶を飲んでいる人のほうが、認知症やMCIの発症率が低いことが判明したのです(下の図を参照)。
緑茶を週に1~6日飲んでいる人は、全く飲まない人に比べて、認知機能低下のリスクが約半分に低下しました。

また、緑茶を毎日1杯以上飲んでいる人は、リスクが3分の1に減少していました。
ちなみに、コーヒーや紅茶の摂取と認知機能低下との関連は、確認されませんでした。

つまり、緑茶だけが、認知症予防に期待が持てる飲み物だと判明したのです。

信頼度の高い結果にアメリカの学術誌が注目

この解析では、認知機能低下にかかわる要因(加齢や運動習慣、趣味など)の影響を、できるだけ除外した手法を用いたので、信頼度の高い結果といえるでしょう。
また、認知機能が正常な人を対象に、長期間にわたって認知機能低下に対する緑茶摂取の影響を見た研究も、これが初めてです。

この研究成果は、アメリカの医学・科学誌にも掲載され、大きな注目を集めました。
緑茶は、カテキンやミリセチンなどのポリフェノールが豊富です。

これらの化合物は、血管を柔軟にして心臓病のリスクを軽減したり、ウイルスや細菌の増殖を防いだりするなど、多くの健康効果が報告されています。
また、私たちは、数種のポリフェノールが、アルツハイマー病の脳に見られる、アミロイドβたんぱくという物質の凝集を防ぐことを見出しています。

今回の認知機能低下の抑制効果も、緑茶に含まれるポリフェノール類の作用による可能性が高く、検証を進めています。
もちろん、緑茶を飲めば必ず認知症にはならない、というわけではありません。

それでも、副作用がなく認知症を予防できる可能性があるのなら、飲んだほうがいいでしょう。
私は、緑茶を飲むのが毎朝の習慣となっていますが、今回の調査で驚いたのは、多くの人に緑茶を飲む習慣がないことでした。

昔から日本人になじみ深い飲み物でしたが、飲まなくなっている人が増えているのは、寂しいものです。
皆さんも毎日1杯、緑茶を飲む習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

山田正仁
金沢大学神経内科学教授。金沢大学附属病院神経内科長。医学博士。東京医科歯科大学医学部卒業。カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部研究員、東京医科歯科大学助教授などを経て現職。神経変性疾患、特にアルツハイマー病やプリオン病研究の第一人者として知られている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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