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【低血糖症が急増中】血糖値スパイクの危険 原因は糖質の過剰摂取 うつ病と似た症状

【低血糖症が急増中】血糖値スパイクの危険 原因は糖質の過剰摂取 うつ病と似た症状

低血糖症は3タイプに分けることができます。一つが「反応性低血糖症」です。血糖値が急上昇し、その後、急下降する血糖値スパイクは、このタイプです。二つめのタイプが「無反応性低血糖症」です。三つめが「乱高下型低血糖症」です。これら3タイプの低血糖症の原因は、いずれも糖質の過剰摂取です。【解説】溝口徹(新宿溝口クリニック院長)

通常検査で見つからない隠れ低血糖が不調を招く

皆さんは、「低血糖症」をご存じでしょうか。
低血糖症とは、単に「血糖値が低い状態」を指すわけではありません。

血糖値を正しくコントロールできない「血糖調節障害」の一種だと考えたほうがいいでしょう。
一般的に、健康な人の血糖値は食後、緩やかに上昇したあと、緩やかに下降し、約3時間で空腹時の数値に戻ります。

ところが低血糖症の人は、食後の血糖値が非常に高い数値まで急上昇してから急下降したり、食事をしても反応がなく血糖値の上昇が見られなかったり、空腹時に突然、血糖値が上昇したりするなど、多様な異常反応が起こります。

血糖値の調節は、私たちの健康維持の根幹を担っています。
適正に働かないと、さまざまな不調を招きかねません。

例えば、急激な眠気や慢性的な疲労感といったものから、不安感や不眠などのうつ症状、めまいや動悸、手足のしびれやふるえなどです。
もしあなたが、「いくら休んでもだるさが抜けない」「いつも疲れ切っている」「何をしても気分がふさぐ」といった症状に何ヵ月も悩まされ、そこから自力で立ち直れない場合、それは低血糖症によるものかもしれません。

いくらダイエットをしても全くやせないかたは、肥満の原因として疑ってもいいでしょう。
低血糖症の症状は、しばしばうつ病と誤診されます。

当然、抗うつ剤を投与してもよくなりません。
効きめがないとなると、医師からはさらに多量の薬を投じられ、薬の害によって症状がどんどん悪化していくケースもあります。

そのうえ厄介なことに、低血糖症は一般的な血糖値検査ではなかなか見つかりません。
空腹時血糖値を測っても、ヘモグロビンA1cを測っても、低血糖症の数値は正常な場合が多いからです。

つまり、通常の検査では低血糖症は隠れています。
知らず知らずのうちに低血糖症になり、その症状に苦しんでいる「隠れ低血糖」の人が非常にたくさんいるのではないかと、私は危惧しています。

低血糖症かどうか調べるためには、「5時間糖負荷検査」を行う必要があります。
これは、長時間病院に拘束されて何度も採血されるので、患者さんにとっては負担の大きい検査です。

しかし、この検査を受けて初めて、自分が低血糖症かどうか確認できるのです。

〝血糖値スパイク〟も低血糖症の症状の一つ

低血糖症は、大きく3タイプに分けることができます。
一つめが「反応性低血糖症」です。

このタイプは食事をとったあと、急激に血糖値が上昇し、ピークを過ぎると急激に下降します。
その最高値も最低値も基準値を大幅に超えます。

健康な人は、食後血糖値が140mg/dLを大きく超えることはありませんが、低血糖症の人は200mg/dLよりも高くなる場合があります。
しかもその後、血糖値が突然大きく下がるのです。

血糖値の乱高下の結果、不安感や恐怖心、イライラなどの精神症状や、動悸や手足のしびれ、頭痛などの身体症状が現れます。
血糖値が急に下がったときには、集中力の低下や無気力、強い眠気などにも悩まされます。

このタイプは、年齢を問わず多く見られますが、特に太りぎみの人に多い傾向があります。
また、やせ型でも甘い物を頻繁に食べる人にはよく見られます。

最近、NHKの番組で血糖値が乱高下する症状を「血糖値スパイク」と説明し、反響を呼びました。
血糖値スパイクは、まさにこの反応性低血糖症を指すといえるでしょう。

二つめのタイプが「無反応性低血糖症」です。
本来、糖質を摂取すれば、その量に応じて血糖値の上昇が起こります。

ところが、このタイプの人は、食事をしても血糖値がほとんど上がりません。
疲労感と抑うつ感が強く、一日中ボーッとしたり、うつうつと気持ちがふさぎ込んだりしがちです。

夜もよく眠れなくなるため、朝起きられずに学校や会社に行けなくなるケースが多々あります。
10〜20代前半の若者に圧倒的に多いタイプです。

三つめが「乱高下型低血糖症」です。
これは、血糖値が急激に上がったり下がったりをくり返すタイプです。

血糖値と同様に感情の起伏が激しく、機嫌がいいと思ったら、突然怒りだしたり泣きだしたりします。
この場合、体の諸機能をコントロールしている自律神経のうち、常に交感神経が優位になります。

すると、体は緊張した状態が続き、休まりません。
気持ちに余裕がなくなり、疲労感も抜けにくくなります。

これら低血糖症の原因は、3タイプのいずれも糖質の過剰摂取です。
ですから、低血糖の状態から脱却するためには、日々の食事を根本から見直して、血糖値の描くカーブをできるだけ緩やかにする必要があります。

溝口 徹
神奈川県出身。1990年、福島県立医科大学卒業。横浜市立大学医学部附属病院、国立循環器病センター勤務を経て、神奈川県藤沢市に溝口クリニック(現・辻堂クリニック)を開設。痛みを専門に扱うペインクリニックを中心に、広く内科系疾患の診療にも従事。2003年、日本初の栄養療法専門クリニック・新宿溝口クリニックを開設。現院長。
●新宿溝口クリニック
http://www.shinjuku-clinic.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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