消化が不要で即吸収され脳の栄養になる!
私は、世界最古の伝統医学である、インドのアーユルヴェーダの専門医です。
このアーユルヴェーダでは、心身の健康を保つために「食」を重要視します。
その観点から、非常に重宝されているのが「ハチミツ」です。
ハチミツには、たくさんの生命エネルギー(オージャス)が含まれます。
また、純粋性(サットヴァ)の質が高く、体の中にある毒素(アーマ)を浄化する働きもあります。
簡単にいえば、ハチミツを日常的に口にすると、体はいきいきとし、性格も穏やかになるのです。
さらに、疲労回復効果も期待できます。
ハチミツは、90%以上が単糖類で構成されているため、胃腸で消化する必要はありません。
摂取すると、即座に血液中に吸収され、速やかに疲れが取れるのです。
血液中に吸収された糖質は、そのまま脳の栄養になります。
脳の神経の発達も促すので、子供には積極的にハチミツを摂取させましょう。
ただし、乳児ボツリヌス症という感染症の予防のため、1歳未満の乳児には与えないでください。
もちろん、大人にもハチミツはお勧めです。
脳に十分な栄養が届くようになれば、記憶力の向上につながりますし、認知症の予防にも役立ちます。
ハチミツには、水の性質(カパ)もあるため、カパが乱れることで引き起こされる、糖尿病や高血圧、心疾患、気管支炎などにも有効でしょう。
糖尿病の場合、ハチミツは厳禁というイメージがありますが、それは誤りです。
日本でも古くから、糖尿病の人にハチミツを食べさせる民間療法がありました。
ハチミツは、糖の代謝を高める働きがあり、大量にとらないかぎり、血糖値は上がりにくいのです。
さらに、毒素を浄化する働きによって、胃腸のケアにも役立ちます。
便秘や下痢などの排泄異常の改善、ダイエットや美肌効果も期待できるでしょう。
食べ過ぎは禁物!40度以上に加熱しない!
このように、いいことずくめのハチミツですが、いくつか注意点があります。
まず、ハチミツの選び方です。
無農薬・非加熱で、できれば国産の物を利用してください。
よく、スーパーなどで数百円のハチミツが売られていますが、それは避けましょう。
そうした安価なハチミツには、水アメが大量に混ざっており、純粋なハチミツとはいえません。
純粋なハチミツは、200~300mlで数千円します。
躊躇してしまう金額ですが、その健康効果は段違いです。
薬だと割り切って購入しましょう。
最近では、インターネットなどでも簡単に入手可能です。
初めて純粋なハチミツを口にされるかたは、そのおいしさに驚くことでしょう。
私は職業柄、さまざまな産地の物を口にしますが、純粋なハチミツは、ほんとうに美味です。
また、基本的に賞味期限がないので、保存食としても優秀です。
特に、肥満や便秘、肌トラブルに悩んでいるかたに、お勧めのとり方です。
ちなみに、ハチミツは、40度以上に加熱すると純粋性が失われ、逆に毒素となってしまいますので、ご注意ください。
私は、クリニックの患者さんにも、純粋なハチミツを摂取することを勧めています。
「精神的に安定してきた」「胃の調子がよくなった」「便秘が解消した」など、大好評です。
また、「甘い物が欲しくなくなった」「間食がやめられた」など、ダイエット効果につながった例も少なくありません。
皆さんも、日々の健康・美容のために、ハチミツを上手に利用してください。

蓮村 誠
マハリシ南青山プライムクリニック院長。医学博士。オランダマハリシ・ヴェーダ大学、マハリシ・アーユルヴェーダ認定医。東京慈恵会医科大学卒業。診療のかたわら、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」医療の普及に努めるべく、全国での講演活動や執筆活動にあたっている。『白湯 毒出し健康法』(PHP研究所)など、著書多数。
●マハリシ南青山プライムクリニック
次に、ハチミツのとり方です。
いちばんのお勧めは、そのままなめることです。
最大限の効果を求めるかたは、空腹時になめるよう心がけましょう。
ただし、優れた食品といえども、糖質が多いので、食べ過ぎは禁物です。
1日の摂取量は、ティースプーン3杯程度を目安にしてください。
また、アーユルヴェーダでは、ハチミツを別の食品と組み合わせることはほとんどありません。
特に、穀物といっしょに食べることは、前述した水の性質を乱すことになります。
そのなかで、例外的にハチミツと別の食品を組み合わせた活用法もあります。
ここでは、簡単に作れる「ハチミツレモンジュース」を紹介しましょう。
作り方は、40度未満のぬるま湯または水(100ml)にハチミツ(ティースプーン1杯)を溶かし、レモン汁(数滴)を加えれば完成。
これを、食間に1日2回飲みます。
レモン汁を加えることで浄化作用が強化され、より胃腸の働きがよくなります。