ゴマは老化防止成分の宝庫
ゴマの成分の約50%を占める脂質は、リノール酸とオレイン酸で構成されており、血中の悪玉コレステロール(LDL)の上昇を抑えたり、大腸で便のすべりをよくしたりする作用があります。
食物繊維にも、腸を刺激して排便を促す働きや、コレステロールの排出を促す働きがあります。
なかでも特筆すべきは、ゴマ特有の成分「セサミン」でしょう。セサミンは、ゴマリグナンという抗酸化成分の中に含まれる成分の一つです。健康食品としても、おなじみですね。
私たちの体内では、常に活性酸素が発生しています。それによって細胞が酸化され、老化が進んでいきます。
活性酸素が増えると、肝臓の働きが低下して、肌のハリがなくなったり、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールが増えたり、生活習慣病にかかりやすくなったりします。
この活性酵素を撃退し、アンチエイジング(若返り)に効果があると注目されているのが、セサミンに代表される、ゴマリグナンです。
ゴマリグナンには、脂質の酸化を防ぐ働きがあります。ゴマ油がほかの油より酸化しにくいのは、このためです。
ゴマリグナンは、女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをする成分でもあり、ホルモンバランスを整え、更年期障害を改善する効果があると考えられています。
このほか、脂肪燃焼効果、食欲抑制効果、エネルギー代謝の促進など、ダイエットにも有効な成分をたくさん含んでいることもわかっています。
調味料代わりに使うのもお勧め

このように、ゴマには多彩な健康効果があります。
これを、トウガラシと共に酢に漬けた「ゴマ酢」にすると、ゴマの健康効果に、酢の持つ血液サラサラ効果や、血糖値上昇抑制効果、トウガラシの発汗作用による脂肪燃焼効果などもプラスされるので、より高い効果が望めるでしょう。
また、ゴマ酢では黒ゴマを使用しますが、黒ゴマの皮には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれているので、より高い白髪の予防効果や抗酸化作用が期待できます。
さらに黒ゴマは、白ゴマと比べて脂質が少なく、鉄分やカルシウムの含有量が高いこともポイントです。
鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血を引き起こし、白髪や抜け毛が増えることがあります。特に、女性は鉄分が不足しがちなので、意識的に摂取したいものですね。
なお、ゴマ酢をとるときに気をつけていただきたいことが、三つあります。
①空腹時に酢を飲むと、胃を痛める恐れがあるので、食事中や食後にとりましょう。
②特にご年輩のかたは、酢とゴマを一緒に飲むと、むせたり誤嚥を起こしたりする恐れがあるので、十分注意してください。
③残った黒ゴマやトウガラシは捨てずに、すりつぶして料理にかけるなどして食べましょう。
また、ゴマ酢は、漬けたゴマとともに、調味料代わりに使ってもいいでしょう。サラダや温野菜にドレッシングとしてかけると、ゴマも一緒に食べやすくなります。ポン酢代わりに使っても、いろいろな料理に合うと思います。ゴマ酢に酸味と辛味があるので、そのぶん、減塩が可能です。
ただし、ゴマは粒のままだと吸収されにくいので、よく嚙んで食べるようにしましょう。
アイデアしだいで、いろいろ楽しめそうですね。ぜひみなさんも工夫してみてください。
私には、美と健康のために、毎日欠かさず食べている食品がいくつかあります。
その一つがゴマで、毎朝必ず、炒りゴマをすって、納豆にかけて食べています。
なぜならゴマには、良質の脂質やたんぱく質、各種ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が、ギュッと詰まっているからです。