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【白内障の予防方法】目のかすみ等の症状を防ぐ食事やサングラスの選び方

【白内障の予防方法】目のかすみ等の症状を防ぐ食事やサングラスの選び方

白内障は老化現象の一つです。白髪やシワと同様、放置せずに眼科での治療とともに、日ごろの生活習慣や栄養療法のケアによって、進行をある程度遅らせたり、予防したりすることも大切です。【解説】村上茂樹(順天堂大学客員教授、むらかみ眼科クリニック院長)


解説者のプロフィール

村上茂樹
1959年、山口県萩市生まれ。
医療法人「湘悠会」むらかみ眼科クリニック院長。医学博士。
86年、順天堂大学医学部卒業。
92年、井上眼科病院(東京都)診療部長。
94年、西日本病院(熊本市)眼科部長就任。
96年、熊本県宇土市にむらかみ眼科クリニックを開設。
2007年、順天堂大学客員准教授。12年より、同大学客員教授に就任。
日本眼科学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本抗加齢医学会専門医。

●医療法人 湘悠会 むらかみ眼科クリニック
https://www.murakami-ganka.com/

加齢とともに紫外線が白内障の進行に影響

 白内障は、カメラでいうレンズの役割をしている、目の中の水晶体が濁ってくる病気です。

 原因はさまざまですが、なかでも老化(加齢)に伴うものが最も多く、加齢性白内障と呼んでいます。白髪や顔のシワ、体力の衰えと同じように、どんな人でも老化とともに進行していくわけです。
 水晶体の中は、主に水分とたんぱく質で構成されています。若くて健康なうちは無色透明で光をよく通しますが、老化でたんぱく質が変性して濁ると、光が通過しにくくなります。
 曇ったレンジでファインダーをのぞくようなもので、光が通過しにくくなったり、乱反射して網膜にきちんと像を結ばなくなったりするのです。

 白内障の自覚症状は人によって多少差はありますが、通常、次のような形で現れてきます。
・目がかすむ。ぼやける
・視力低下。小さな文字が見えづらくなる
・屋外などで光がまぶしく感じられるようになる
・薄暗いときや場所で物が見えにくくなる
・物が二重や三重にダブッて見えるようになる

 目にこのような異常を感じたら、放置せずに早めに専門医を受診してください。

白内障の予防に役立つ主な抗酸化食品

生活習慣や栄養療法で白内障のリスクが軽減

 ところで、昨今はアンチエイジング(抗加齢医学)といって、心身のさまざまな老化現象を遅らせる研究が盛んに進められています。
 白内障もいわば老化現象の一つです。白髪やシワと同様、放置せずに眼科での治療とともに、日ごろの生活習慣や栄養療法のケアによって、進行をある程度遅らせたり、予防したりすることも大切です。

 白内障の引き金となる水晶体のたんぱく質が変性する要因としては、加齢とともに、紫外線などによる「活性酸素」の影響も強く指摘されています。
 目と体をサビさせる悪玉物質となるこの活性酸素は、紫外線などの光刺激や喫煙、ストレス、過食や高脂肪食、過度の飲酒などで発生し、眼内の組織の老化に拍車をかけます。さらに、水晶体のたんぱく質を傷つけて、白内障を助長させていくのです。
 ですから、予防もこれらのリスクを軽減させることが何より大切になります。

有害光から目を守る栄養と保護レンズ

 目を活性酸素の害から守るために、お勧めしたいのが、抗酸化力(活性酸素を消去する力)の優れた栄養素を食品から十分に取ることです。

 主な抗酸化ビタミンであるビタミンCやE、目に有効な抗酸化色素・カロテノイド類のルテイン、アスタキサンチン、β―カロテン、リコピン、ポリフェノール類のアントシアニンなどの継続摂取が勧められます(上記一覧参照)。
 事実、厚生労働省の大規模な疫学調査(1995年)においても、ビタミンCの白内障に対する予防効果が確認されています。

 報告では、食事からのビタミンCの摂取が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて、白内障を発症する質が男性で35%、女性では45%も低くなっていました。

 ビタミンCは、体内で作ることができないうえに、水溶性なので体内に蓄積できず、余分なものは体外に排泄されてしまいます。ですから、1日1000mg以上を目安に、何回かに分けて取るのがコツです。
 ビタミンCを多く含む食品は、レモン、キウイ、リンゴ、ブロッコリー、緑茶など。サプリメントで補うのもいいでしょう。

サングラスは側面も覆えるタイプがよい

サングラスを選ぶ際には注意が必要

 また、皮膚が衣類などで覆えるのと違い、目は常に直接露出しているため、有害光からの保護がとても大切です。
 紫外線などの有害光対策は、機能カラーレンズを入れた保護メガネを活用するのが勧められます。ただし、選ぶ際にはいくつかの注意点があります。

 紫外線(人間が見える光より波長の短い光・UV)は、波長によってUVA、UVB、UVCの3種に分かれます。
 波長の最も短いUVCは、オゾン層の破壊によって、近年は地上にまで届くようになった有害な紫外線です。
 UVBは、角膜(黒目)へ吸収され、その浴びる量が多いと、角膜炎や結膜炎などの原因になります。海水浴やスキーなどでUVBを大量に浴び、目に強い痛みや充血による涙が止まらないなどといった症状を経験した人も多いことでしょう。

 そして、UVAは、角膜を通り抜けて、ほとんどが水晶体で吸収され、水晶体の透明なたんぱく質を傷つけます。その傷が徐々に蓄積することにより、水晶体を白く濁らせて、白内障を引き起こします。
 白内障の原因の約25%以上が、紫外線の影響とされています。紫外線の著しく多い熱帯地域や、空気が薄くて紫外線の強いネパールやチベットなどの高知に白内障や失明になる人が多いことが、それを裏付けています。
 さらに、可視光線の中でも短波長で高エネルギーの紫青色光(以下、ブルーライト)は、加齢黄斑変性(見たいところが見えずらくなる病気)の原因となる有害光とされています。

 テレビやパソコン、スマホなどのブルーライトも、目にとって有害になるため、現代では屋内での作業が多いからといって油断なりません。
 ところが、市販のUVカットレンズの中には、UVBしかカットされないものが大半で、これでは有害光対策は不十分です。
 購入する際には、UVAとUVBの両方をカットし、「紫外線通過率が0.1%以下」と表示されたもので、同時にブルーライトもカットする、薄い黄色のカラーレンズを入れたサングラスを選んでください。

 こうした諸々の条件をクリアするものとして私が患者さんにお勧めしているのは、SWANS(山本光学)のスポーツサングラスやアイプロテクションレンズ(HOYA)のレンズなどです。
 また、メガネフレームは側方もしっかり覆えるシールド付きのものや、ゴーグルタイプがお勧めです。普通のフレームだと、側方から入る日光がサングラスの内面で散乱し、有害光がより多く眼内に入ってしまうためです。

 コンタクトレンズを使っている人は、UVカット機能のあるソフトコンタクトにしたうえで、保護用の機能サングラスをかければ万全でしょう。
 特に注意すべき点として、黒いカラーだけのファッションレンズは、視界が暗くなるために瞳孔(ひとみ)が広がり、かえって紫外線などの有害光が目の中に入りやすくなるので、「百害あって一利なし」です。

 このように、有害光から目を守るために、屋外ではつばの広い帽子や日傘などを使用したうえで、紫外線やブルーライトをカットする保護用メガネをかけるといいでしょう。また、長時間、テレビやパソコン、スマホを使用する際にも保護用メガネをかけて、有害光から目を守ってください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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