MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【耳鳴り・難聴を改善】ブーンという低音ならこのツボ刺激が有効!「耳こすり」のやり方

【耳鳴り・難聴を改善】ブーンという低音ならこのツボ刺激が有効!「耳こすり」のやり方

「ジー」「ブーン」といったボイラー音のような低い音の場合は東洋医学でいう「腎」の弱りが考えられます。「ピー」「キーン」という高音の耳鳴りなら肝臓の機能の低下、「ザァー」「サァー」といった風のような音は胃腸の機能低下が関わっていると考えられます。【解説】藤井清史(呑気堂Fujii鍼灸治療院・Tomo整骨院総院長)

耳鳴りの音によって原因が異なる

 あなたの耳鳴りは、どんな音でしょうか?
「ジー」とか「ブーン」といったボイラー音のような低い音の場合は、東洋医学でいうところの「腎」の弱りが考えられます。腎とは、腎臓だけでなく、副腎や血液やリンパ(体内の老廃物や毒素、余分な水分を運び出す体液)の循環も含みます。
また、「ピー」「キーン」という高音の耳鳴りなら、肝臓の機能の低下が、そして「ザァー」「サァー」といった風のような音は、胃腸の機能低下がかかわっていることが多いようです。

私は、鍼灸をはじめ、さまざまな東洋医学を治療に導入しています。患者さんは、西洋医学では治りにくい病気や症状の人がほとんどで、全国からお越しになっています。

 なかでも、耳鳴り・難聴の症例は500例以上に上り、高い治療効果を上げてきました。
 東洋医学では、耳鳴りや難聴は、内臓の機能低下が影響していると考えます。すぐにわかる症状としては、血流が悪く、体が冷えており、人によってはむくみや高血圧があります。

 また、寝不足や体を酷使すること、そして老化も、内臓、特に腎にダメージを与えます。
 ただ、こうした冷えや疲労からくる耳鳴りや難聴であれば、生活習慣を見直して、循環をよくすることで、比較的、改善しやすいものです。

 また、加齢による難聴も「年だから」とあきらめる必要はなく、意外と簡単に治ることが多いものです。

耳は腎の出先器官。こすれば腎もよくなる

 そこで今回は、内臓の中でも特に「腎」の弱りからくる耳鳴りに著効のセルフケア、「耳こすり」をご紹介しましょう。
 やり方は、人さし指と中指を耳の後ろに、薬指と小指を耳の前に当て、耳を挟んだ状態で上下にさするだけです。

 力を入れる必要はありません。上下にこすって往復して1回とカウントし、100回さすりましょう。これを朝晩1日2回行います。

 コツは手のひらをピタリと肌に当てることです。すると、耳の前後にあるツボを刺激することができます(図参照)。

 これらのツボは、耳鳴りや難聴に有効なだけでなく、リンパや血液の流れも改善します。また、あごの下までこすることで、耳周辺だけでなく、顔や首の血流までよくなります。

耳こすりのやり方

 耳鳴りや難聴が現れているのが片方であっても、耳こすりは両方行ってください。
 一方が聞こえにくいと、それを補おうとして、もう片方の耳にも大きな負担がかかっているからです。
 東洋医学では、「耳は腎の出先器官」といわれているほど、耳と腎は関係性の深い場所です。つまり、耳の循環をよくすることは、腎臓を元気にすることにもつながります。
 もちろん、肝臓や胃腸の弱りが原因の耳鳴りにも、耳こすりで耳周辺のツボを刺激し、血流をよくすることは有効です。

突発性難聴が3日で治ったケースも

 では、耳こすりの症例をご紹介しましょう。

 80歳の男性Aさんは、腎臓がんの手術をした3日後から、突発性難聴を発症しました。退院後、当院に来られたのですが、当初、回復には相当、時間がかかるだろうと思っていました。 ところが、治療と並行して耳こすりを行ってもらったところ、3日後には回復し、元どおり聞こえるようになったのです。

 以後、5年後に天寿を全うされるまで、耳に不自由することなく過ごされました。
 そのほか、耳鳴りは、気温が下がる朝方にひどくなることが多いのですが、「朝、耳こすりを行うと耳鳴りの音が小さくなる」という声も多数いただいています。

 実は、この耳こすりは、私が祖父から教えてもらった方法です。祖父は60歳のときから毎日耳こすりを行い、94歳で天寿を全うするまで耳が遠くなることは一切ありませんでした。
 60代や70代の若いうちから耳こすりを毎日行えば、耳が遠くなるのを予防する効果もあると私は考えており、私自身、毎日実践しています。

 そのほか、首や肩のこりがある人も、ぜひ実践してください。耳鳴りや難聴の原因は、内臓の弱りだけでなく、首周りの筋肉が硬くなることで、耳周りの神経が圧迫されることも一因だと思われるからです。
 耳の症状を改善し、「腎」を活性化する耳こすりを、ぜひお試しください。

解説者のプロフィール

藤井清史(ふじい・きよし)
●呑気堂Fujii鍼灸治療院
京都府亀岡市篠町柏原町頭8-4
TEL 0771-23-3440
http://nonkido.jp/

1968年北海道生まれ。鍼灸師。
18歳のときに大病にかかり、19歳のときに「余命いくばくもなし」と宣告を受ける。
鍼灸および玄米食養に出合い、九死に一生を得る。
以後、「自分のような人の手助けをしたい」という一心から鍼灸の道を歩み始める。
「病の原因は心にある」をモットーに、開業当初よりさまざまな治療法を導入し、日本全国から難病を抱えた患者が来院するようになる。
著書『耳鳴・難聴・めまいは治ります!』(白順社)が好評発売中。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
なぜ、クルミが耳鳴り解消に効くのでしょうか。東洋医学的には、耳鳴りの原因は血や水の巡りの悪さにあるとされるので、クルミの利尿作用が効果をもたらしたといえます。一方、西洋医学的に考えると、注目すべきは、クルミに含まれるα ─ リノレン酸の働きです。【解説】小川哲夫(小川医院理事長)
もう一つ、信じられない変化がありました。手のひらを押し始めてからというもの、あれだけ苦しんだ耳鳴りの頻度が減ったのです。先生に教えてもらったとおり数ヵ月、手のひらを押していたら、耳鳴りがしなくなったのです。それから4年がたちますが、耳鳴りと腰痛に悩まされたことはありません。【体験談】佐藤茂(会社員・49歳)
作った酢タマネギを、毎朝食べている納豆に混ぜて食べています。酢タマネギを混ぜる量は、私はカレースプーンに2杯、妻は1杯です。こうして毎日の朝食で酢タマネギを食べ続けていたら、耳鳴りの音が徐々に小さくなってきたのです。3ヵ月後には、日中はほとんど気にならなくなりました。【体験談】鈴木興起(無職・80歳)
十数年前に登山中に木の株に足を引っかけて転び、足の腫れと痛みに悩まされていました。11円スリッパをはき始めて3~4日たったころ、「左足のくるぶしの出っ張りが見える! 」と驚きました。というのも、ケガ以来、左の足首の腫れによって、くるぶしの外側の骨が見えなくなっていたからです。【体験談】土田喜代美(仮名・主婦・74歳)
耳鳴り、めまい、耳閉感、という「耳の三重苦」のような症状で、不快でつらい状態が続いていました。耳たぶさすりを一ヵ月くらい続けたところ、少しよくなってきたかな、と感じていました。気をよくした私は、さらに熱心に2~3ヵ月続けました。すると、見違えるような変化が現れたのです。【体験談】水川華代(仮名・主婦・70歳)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル