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【脊柱管狭窄症改善】仙骨を正しい位置に戻す「股関節締め」とは ?

【脊柱管狭窄症改善】仙骨を正しい位置に戻す「股関節締め」とは ?

脊柱管狭窄症を改善するには、股関節を安定させ、仙骨を正しい位置に戻す必要があるのです。その両方を同時にできるのが、今回ご紹介する「股関節締め」です。【解説】白井雄彦(西住之江整体院代表・鍼灸師)/白井天道(西住之江整体院院長・鍼灸)


改善率は半年で80%!手術を回避できた人多数

腰から足にかけての痛み・しびれを専門に扱う当院には、脊柱管狭窄症の患者さんがとても多くいらっしゃいます。
その数は毎日約40名。評判が口コミで広がり、大阪にある当院まで関東・北海道・九州といった遠方から通って来る人もおられます。

脊柱管狭窄症は、背骨の神経の通り道である脊柱管が、なんらかの原因で狭くなり、神経が圧迫されて足腰に痛みやしびれを起こす病気です。

その原因のほとんどは、長年の座り姿勢の悪さにあると考えられます。
床に横座りする、イスの背もたれに寄りかかる、前かがみで背中を丸めて座るなどです。

そうした座り方をしていると、骨盤の中央にある仙骨が、ズレて後ろに飛び出してくるのです。
仙骨がズレると、しだいにその上にある腰椎(背骨の腰の部分)もズレてきます。
すると、背骨のS字カーブがくずれ、上半身の重みが分散されず、腰に負担が集中します。
それにより脊柱管の中を通る神経が圧迫されるようになり、痛みやしびれが現れるのです。

また、座り姿勢が悪いと、股関節が緩くなって不安定になります。
実際、脊柱管狭窄症の患者さんは、股関節痛を併発している人が多くおられます。
骨盤を矯正しても、股関節が緩いままだと、またすぐ元に戻ってしまいます。

つまり、脊柱管狭窄症を改善するには、股関節を安定させ、仙骨を正しい位置に戻す必要があるのです。

その両方を同時にできるのが、今回ご紹介する「股関節締め」です。

やり方は、下の図解をご覧ください。

股関節締めは、根本原因である仙骨のズレと股関節の緩みを調整し、背骨を定位置に戻す体操です。
継続して行うことで、痛みやしびれをぶり返さない体づくりが可能です。

当院では施術と併せて、セルフケアとして自宅で股関節締めを行ってもらっています。
おかげで、当院の脊柱管狭窄症の患者さんの改善率は、3ヵ月で50%、半年で80%程度です。
80%とは旅行やゴルフができるくらいの状態です。

その後も股関節締めを続けることで、よい状態が保て、手術を回避できた人もおおぜいいます。
体のバランスが整うので、股関節痛やひざ痛が改善した人も少なくありません。

また、脊柱管狭窄症の一部の人に起こる、便秘や、残尿感などの排尿障害が解消したという人もいます。

股関節締めのやり方

ゴルフに行ける!寝返りが打てる!

では、実際に股関節締めで脊柱管狭窄症が改善した2例をご紹介しましょう。

●Aさん(75歳・男性)
Aさんは、2016年6月に腰痛を発症し、病院で脊柱管狭窄症と診断されました。
痛みにより歩行が困難だったため、手術を勧められたそうです。

「なんとかまた、ゴルフをしたい」と来院されたのが7月末です。
そのときは、薬の副作用に苦しんでおられました。
そこで、週2回の施術とともに、自宅で毎日、股関節締めを行ってもらいました。

すると、11月半ばには痛みが消え、普通に歩けるようになりました。
年末にはゴルフに行けるほど回復しました。

●Bさん(73歳・女性)
Bさんは、2015年5月から、腰と右足の痛み・しびれに悩まされ、病院を転々としていました。
診断名は脊柱管狭窄症とすべり症(背骨の一部がズレて起こる病気)。
痛みを抑えるブロック注射も効かず、手術を勧められていました。

一歩歩いただけで強い痛みを感じ、立っているのもつらい状態。
寝返りを打つのも大変で、眠れない夜もありました。

それが、その年の9月から当院での施術と、自宅での股関節締めを始めたところ、12月には痛みやしびれが消え、長時間歩けるようになりました。
寝返りも打てるようになり、体調もよくなったそうです。



なお、再発を防ぐには、日ごろから姿勢よく座ることも大切です。
骨盤を起こし、頭が骨盤の真上にくるよう、座高を高くするような座り方を意識しましょう。
あごは軽く引きますが、胸を張る必要はありません。

そしてもう一つ、腰周囲の筋力強化と血流改善のために、適度な運動も行いましょう。
できる範囲でウォーキングを行うか、腰に負担の少ないエアロバイクなどがお勧めです。

解説者のプロフィール

白井雄彦(西住之江整体院代表・鍼灸師)
白井天道(西住之江整体院院長・鍼灸)

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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