MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【便秘改善】には「はと麦」がお勧め 腸の水分を調節し下痢にも効く

【便秘改善】には「はと麦」がお勧め 腸の水分を調節し下痢にも効く

漢方の古典である『本草綱目』にも、ハトムギは胃腸の働きを活発にするとあります。胃腸の消化・吸収がよくなるので、体に活力も湧いてきます。また、ハトムギには食物繊維が多く、腸のぜん動運動(便を送り出す動き)を促進します。その面でも便秘の改善に役立ちます。【解説】森下敬一(お茶の水クリニック院長・国際自然医学会会長)

内科医の父はハトムギを研究しガン患者に推奨

私は長年、自然食を勧める運動を行い、玄米菜食を実践してきました。
私のクリニックに来られる患者さんにも、玄米菜食を柱とした食事指導を行っています。
なぜ玄米菜食が優れているのか。それは、進化の歴史を見れば明らかです。
海で発生した生物は、やがて陸に上がりますが、先に陸に上がったのは植物でした。

動物は、それに遅れること数千万年以上です。
その間、植物は太陽光を利用して炭水化物を合成する光合成という生理機能を獲得しました。

この炭水化物(植物の実)が、動物の食料の原点です。
したがって、我々人間にとって、炭水化物を中心とする玄米菜食はあたりまえなのです。
その炭水化物のなかでも、やせた土地でよく育ち、病虫害が少なく、生命力の強い食品が「雑穀」です。
そして私が、特にお勧めしている雑穀の一つが「ハトムギ」です。

イネ科の植物で、中国では古くからヨクイニンという生薬(漢方薬の原材料)として使われてきました。
ヨクイニンは、ハトムギの殻や皮を取り除いた子実です。

私がハトムギに興味を持ったのは、内科医だった父が、一時期、ハトムギとジュズダマ(ハトムギに似たイネ科の植物)の研究に身を投じていたからです。
食料も薬も乏しかった戦中戦後、自然の植物からなんとか薬を作ろうと必死だったのでしょう。

父の作ったハトムギ茶には抗腫瘍作用があり、父はガンの患者さんに勧めていました。
その印象が強く残っていることと、その後にハトムギを試した実感から、私もハトムギを患者さんに勧めるようになりました。

特に、ガンや腎臓病、胃腸障害、便秘、痔などの患者さんには、積極的にとるように指導しています。

腸の水分を調節し便秘にも下痢にも効く

ハトムギには、多様な作用があります。
その代表的なものが、利水作用でしょう。

ハトムギの利尿作用は、昔からよく知られています。
体の中の余分な水分をどんどん外に排泄する作用です。
それによって腎臓の負担を軽くして、弱っている腎機能を高めます。

それだけではありません。
体内に水分が不足しているとき、水を集めて潤す作用もあります。
優れた自然食は、余分なものの排出だけでなく、足りないものを補うという、両方向の生理機能を持つのです。
足りない水分が補われると、胃や腸も潤って働きがよくなります。

漢方の古典である『本草綱目』にも、ハトムギは胃腸の働きを活発にするとあります。
胃腸の消化・吸収がよくなるので、体に活力も湧いてきます。

また、ハトムギには食物繊維が多く、腸のぜん動運動(便を送り出す動き)を促進します。
その面でも便秘の改善に役立ちます。
一方で、下痢にも効きます。

前述したハトムギの利水作用によって、腸の余分な水分が調節されるからです。
ここにも、下痢と便秘を改善するという、ハトムギの両方向の機能が見られます。

こうして腸の働きがよくなれば、肌もキレイになります。
漢方では、腸と皮膚は同じものととらえられています。

人間の体を空気の抜けたゴムまりにたとえると、指でグーッと押してくぼんだところが腸で、その外側が皮膚です。
腸も皮膚も同じものから発生した組織で、組織学的にも同じ上皮細胞です。
したがって、腸によいものは皮膚にもよく、腸がきれいになれば皮膚もキレイになるのです。

ハトムギは昔から、イボ取りの妙薬として有名です。
イボは体の外にできた腫れ物ですが、体内にできたポリープやガン、痔も、イボと同じ腫れ物の一種です。
ですから、イボが取れるように、ポリープやガン、痔も消えると考えられます。

ガンや痔は、血液の汚れや滞りがその主な原因といえます。
ハトムギで腸がきれいになり、血液の質がよくなることで、ガンや痔などは少しずつ改善するでしょう。

さらに、ハトムギには、体の免疫力をアップする強い働きもあるので、イボやガン、ポリープに効くといえます。

そういう多面的な考察をしなければ、ハトムギのほんとうの姿は見えてきません。
このように多様な健康効果を持つハトムギを手軽にとる方法として、私はハトムギ玄米ご飯やハトムギ茶を勧めています。

ハトムギ玄米ご飯は、玄米10に対してハトムギを1か2加えて、圧力鍋や炊飯器(玄米モード)で炊きます。
これにアズキをハトムギと同量足すと、利尿・解毒作用がさらに高まります。

ハトムギ茶は、殻や皮、子実を焙煎してお茶にした物です。
多くの有効成分を含んでいますから、緑茶のかわりに飲むとよいでしょう。

ハトムギ玄米ご飯の作り方

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
人間本来の解毒作用による毒素の排出は、75%が便からで、20%弱が尿からといわれています。残りが汗、毛髪、爪からの排出です。ですから、健康を考える上で「便をスムーズに出す」ことは非常に重要だといえるのです。【解説】堀田忠弘(堀田医院院長)
更新: 2019-04-12 18:00:00
食べ始めて4日ほどたった頃、劇的な変化がありました。1日おきだったお通じがなんと1日2回になったのです。朝食をとると、すぐトイレに行き、日中にもう1回お通じがあります。便秘解消のおかげか、吹き出物がなくなり、肌がきれいになりました。また、寝起きに起こっていた鼻づまりもなくなりました。【体験談】藤田久美子(主婦・60歳)
更新: 2019-03-13 17:57:55
その日はなんと、しっかり形のある便が出たのです。うれしくて、思わず「やったー!」と飛び跳ねそうになりました。毎日へそさすりを続けているおかげで、外出も怖くなくなりました。次に友達に旅行に誘われたら、「行こう!」と、元気に返事をするつもりです。【体験談】稲田雅江(仮名・主婦・63歳)
更新: 2019-02-05 18:00:00
塩発酵キャベツを常備できるようになり、2日に1回くらいの頻度で塩発酵キャベツを食べていたところ、半年くらいで慢性便秘が解消しました。また、便秘をしていた頃は下腹がポッコリ出ていましたが、今はかなりへこみました。昔のジーンズをはくと、ヒップラインや太もものあたりが明らかにゆるく感じます。【体験談】濵崎希(会社員・45歳)
更新: 2019-02-03 18:00:00
便秘を食事で改善しようとする際に、重要なのが、食物繊維です。寒天は、水溶性と不溶性、両方の食物繊維を含むため、機能性食品として、大変理想的です。甘酒は発酵食品ですから、まさに微生物のかたまりです。腸内に入ると、乳酸菌などの善玉菌を増やします。痔の改善にも、いい効果が上がっています。【解説】平田雅彦(平田肛門科医院院長)
更新: 2018-12-10 18:00:00
最新記事
多くの研究で、うつ病の人は栄養のバランスがくずれていることがわかっています。栄養バランスを整え、エネルギーのとりすぎを防ぐためにも、単品の食事ではなく、主食、主菜、副菜、汁物がそろった定食スタイルの食事にするといいでしょう。ここではお勧めの主菜を紹介します。【解説】功刀浩(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
更新: 2019-04-26 18:00:00
多くの研究で、うつ病の人は栄養のバランスがくずれていることがわかっています。栄養バランスを整え、エネルギーのとりすぎを防ぐためにも、単品の食事ではなく、主食、主菜、副菜、汁物がそろった定食スタイルの食事にするといいでしょう。ここではお勧めの主食を紹介します。【解説】功刀浩(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
更新: 2019-04-25 18:00:00
ストレスに強くなり、うつを防ぎ・治す食事とは、特別なものがあるわけではありません。あたりまえのことですが、栄養バランスのよい食事を1日3食きちんと食べることです。ただし、いくつかのポイントがあるのも事実です。【解説】功刀浩(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
更新: 2019-04-24 18:00:00
βグルカンの精製をさらに進めたところ、それまでとはまったく別の物質を発見しました。これが「MXフラクション」で、今のところマイタケからしか発見されていない成分です。【解説】難波宏彰(神戸薬科大学名誉教授・鹿児島大学大学院医歯学総合研究科客員教授)
更新: 2019-04-23 18:00:00
骨盤底筋を鍛えるための体操は、現在多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけなど、わかりずらく続けにくい場合がほとんどです。そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った「骨盤タオル体操」です。【解説】成島雅博(名鉄病院泌尿器科部長)
更新: 2019-04-22 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt